上野・谷中の崖線と歴史トレイルを歩く！｜地図好き芸人が案内する、TOKYOココ岳TRAIL

ランドネ / 地図好き芸人

小林知之

2024年12月30日

その土地ならではの魅力が全国各地にあるように、東京には東京にしかない魅力がある！新旧入り混じる大都会で山好きに歩いてもらいたい、ランドネ的トレイルを紹介します。

東京トレイルはみどころ満載

▲ここから上野公園に向かうといきなり階段。階段があるということは、高低差があるということ。地形を感じながら歩き出します。

山に行きたいけれどなかなか時間がとれなくて……そんなみなさんに提案です。東京を歩いてみませんか？

いやいや都会じゃなくて山を歩きたいのよ。安心して、渋谷は谷地だし周りは宮益坂、道玄坂、代官山に青山、谷に坂に山がある。谷があるから川もある。山なら1日10㎞くらいは歩きますかね。ちなみに皇居を中心に半径10㎞の円を描くと、東は船堀、西は高円寺、北は赤羽、南は大井競馬場まで行くことができます。しかも途中には観光名所やおいしいお店も盛りだくさん。

疲れたら電車に乗ってすぐに帰れるし、ところどころに銭湯もある。そしてなんといっても、順路は自分好みにカスタマイズ可能。楽しみ方の可能性は無限大です。

▲なぜ東京の街には坂や階段が多いのか？山の手を、僕の手を使って説明します。手の甲が台地で指と指のあいだが浸食地、いわゆる谷になります。この浸食地から台地に向かう道が、坂や階段なのです。

ほら、もう東京トレイルを歩きたくなったでしょ？ということで、オリジナルトレイルを楽しんでもらうために、これから東京のさまざまなスポットや道を、僕的視点で紹介していきます。

今回のスタートは上野。徳川家の領地だっただけあって、歴史や文化、おいしいものも盛りだくさん。でもここが武蔵野台地の先端だなんて知らないですよね？となりは鶯谷と谷中。地名で見ても谷。知っていくと、なんだか楽しくなってくるし、東京もトレイル感がありそうでしょ。

▲上野公園駅から旧博物館動物園駅までの地下には、桜の木の根を傷つけないよう、直線ではなく蛇行して線路が造られました。

また、谷に向かうと坂や階段も多くなります。階段や坂の多い場所は大きな建物を建てづらいので、小さなお店が多く並んでいるんです。谷中あたりはまさにそう。

谷中から鶯谷に向かうと京浜東北線といっしょに崖線が見えてきます。この崖線ができたのは、なんと縄文時代。自然と縄文時代を感じながら、歴史と文化にふれられる上野・谷中トレイル。今週末歩いてみるのは、いかがですか？

SPOT1　京成線、いまはなき旧博物館動物園駅

日暮里駅と上野公園駅（現・京成上野駅）の中間の駅として、1933年に開業した博物館動物園駅。上野公園を東京
都美術館のほうへ抜けると現れる、ギリシャ建築のようなかっこいい駅舎。ここは「世伝御料地」といって、天皇陛下のみが代々受け継ぐ土地。そのため、品位に欠けるような建物を建てることはできなかったのです。