派手さはないが技術に真面目　自転車は性能が第一「FELT（フェルト）」

Bicycle Club編集部

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トライアスロンバイクからはじまり、愚直にその性能向上を美徳とするFELT。独自の進化を続けてきた唯一無二の魅力を持つ同ブランドについてみていこう。

焦点は、常に「性能の向上」に

意外にもトライアスロンバイクから始まったフェルト。創業者のジム・フェルトが設計したバイクは独自の空力理論に基づいており、それがトライアスロンの選手たちに評価され使われた。現在でもエアロダイナミクスの技術は同社の強みであり、独自の風洞実験を幾度となく実施することが基盤になっている。

しかし同時に「速いのは、当然」と掲げ、パワー伝達性能をはじめ、最高のサイクリング・エクスペリエンスを追求する姿勢焦点は、常に「性能の向上」にを徹底している、とても分かりやすいブランドとも言えるかもしれない。性能を第一に”明確に”置いているのがこのフェルトだ。

ロードバイクの技術を詰め込んだスピードクロスバイク

VERZA SPEED 50 （ベルサスピード50）

5万9400円（完成車）

ロードバイクの値段は安くはない。その中で、このベルザスピードのようにコストバランスに優れた優秀なクロスバイクの拡充が自転車業界の裾野を広げていく可能は高いだろう。レースバイクFRの開発過程で完成した新しいシートステーの技術を惜しみなく活用し、垂直方向の柔軟性を上げ、振動吸収性と路面追従性を高めている。一方で、加速に必要な横剛性は高次元で維持され、シティサイクルにはない速度域の気持ち良さを実感しやすい。高度な技術をお手頃価格で楽しめるのが、このベルザスピードシリーズと言える。

レースの世界では定番となったケーブル内蔵化をクロスバイクで実現。ワイヤーへの汚れ付着による動作不良や、サビの抑制を達成。フレームの高級感も同時に演出した

十分な剛性を確保しつつ、あえてダウンチューブの小径化により縦剛性を落とし、快適性を向上させている

Spec

フレーム：アルミ
フォーク：ハイテンスチール
変則段数：8段
ハンドル：アルミ
タイヤ：ケンダクウィックローラー
フレームサイズ：47、51、54、56
カラー：ブラック/レッド、シルバー /メタリック
リフレクティブブラック

山も平坦も高次元にこなすオールラウンドレースバイク

FR PRO（FR プロ）

126万5000円（完成車）
38万5000円（フレームセット）

昨年モデルチェンジが行われたFRシリーズ。およそ8年ぶりの新モデルだったが、流行のドロップドシートステーは採用せず、「ダブルダイヤモンドデザイン」を採用。技術に対して非常に合理的な考えを反映した設計で、この「流行よりも技術」の判断からは、まさに技術に実直なフェルトの哲学が垣間見える。また、軽量のヒルクライム用バイクという訳ではない点も印象的。エアロダイナミクスの観点から最適化された、オールラウンドレースバイクと言え、「1台だけ持つとしたら」を考えた時、有力候補に挙がるバイクだろう。

タイヤクリアランスは30Cまで対応可能

リヤエンドには入手性が高いUDHを採用している

ケーブル内蔵化の工夫が各所に施されている

アシンメトリー構造のBBは機能性に優れている

Spec

フレーム：UHCアドバンスドカーボンファイバー
フォーク：UHCアドバンスドカーボンファイバー
コンポーネント：シマノ・アルテグラDi2
ハンドル：カーボン
ホイール：シマノ・アルテグラC50
タイヤ：ヴィットリア・コルサプロ TLR 26C
フレームサイズ：45、48、51、54、56、58、61

カーボンホイール標準装備完成度の高いミドルグレード

FR EXPERT（FR エキスパート）

90万800円（完成車）

Spec

フレーム：UHCアドバンスドカーボンファイバー
フォーク：UHCアドバンスドカーボンファイバー
コンポーネント：シマノ・105 Di2
ハンドル：カーボン
ホイール：レイノルズ・AR41 DB カスタム
タイヤ：グッドイヤー・イーグル F1 700x26c
フレームサイズ：45、48、51、54、56、58、61