
キャノンデール、第3世代Topstone Carbonグラベルバイクを発売|CANNONDALE

Bicycle Club編集部
- 2025年03月12日
INDEX
キャノンデールの最新モデルとなる第3世代「Topstone Carbon」が2025年3月11日より発売された。キャノンデールは、「どこでも行ける、なんでも積める、速さと情熱に満ちた究極のグラベルマシン」として新モデルを位置づけている。グラベルライドの多様化に応える形で、既存モデルから大幅な進化を遂げた新型Topstoneは、オフロード性能と実用性を高次元で両立させた意欲作となっている。
革新的KingPinサスペンションの進化
新型Topstone Carbonの最大の特徴は、同モデルの代名詞となっている「KingPin」サスペンションの進化にある。KingPinはシートチューブに設けられたスルーアクスルのピボットを中心に作用するシステムで、リアトライアングルとシートポストが垂直方向にしなやかに動く設計となっている。
今回のモデルではフレーム構造が見直され、より滑らかな動きを実現。最大30mmのトラベルによって路面からの衝撃を効果的に吸収する。従来のグラベルバイクに見られる硬さを排し、長時間のライドでも疲労を軽減できる点が大きなアドバンテージとなっている。
この革新的なリアサスペンションシステムは、軽量でシンプルな構造ながら高い効果を発揮するよう設計されている。フルサスペンションのようなメンテナンス性の難しさやウェイトペナルティを回避しつつ、必要十分な衝撃吸収性能を実現した点は、実用性を重視するグラベルライダーにとって大きな魅力となるだろう。
Lefty Oliverフォークの大幅強化
フロントサスペンションとして採用されているのは、グラベルバイク専用に設計された片持ち式の「Lefty Oliver」フォークだ。今回のモデルではダンパーが刷新され、初動の動きの良さが向上。さらにトラベル量が従来の30mmから40mmへと増加した点も大きな進化といえる。
Lefty Oliverは超軽量の片持ち式構造が特徴だが、この独特な設計によって横剛性と前後方向の柔軟性を両立。一般的な両持ち式フォークにはない独自の乗り心地と操作感覚をもたらす。40mmのトラベルは一見小さな数値に思えるかもしれないが、グラベル走行においては十分な効果を発揮し、荒れた路面でのコントロール性能と快適性を大幅に向上させている。
ダンパーの刷新により、小さな凹凸に対する感度が向上し、より繊細な路面追従性を実現。これにより、ライダーの手や腕にかかる振動や衝撃が軽減され、長距離ライドでの疲労軽減にも貢献している。
アウトフロントジオメトリーによる安定性と操作性の両立
新型Topstone Carbonは、キャノンデール独自の「アウトフロントジオメトリー」を採用している。このジオメトリーは、フォークのオフセットを長めに設計して前輪を前方に移動させることで、安定感と反応の良さを絶妙に調和させるというコンセプトに基づいている。
具体的には、フォークのオフセットを55mmと長めに設定し、同時にヘッドアングルを緩やかにすることで、ホイールベースを適度に確保。この設計により、高速走行時の安定性を確保しつつも、軽快で反応の良いステアリング特性を実現している。グラベルバイクに求められる「荒れた路面での安定性」と「コーナリング時の操作性」という相反する要素を高次元で両立させた点は、新型Topstoneの大きな魅力だろう。
これにより、スピードを出したグラベル走行や、技術的に難しい荒れた道でも、自信を持って走れる安心感をライダーに提供する。特に下りセクションでの安定性は、ライダーに大きな余裕をもたらすだろう。
実用性を高めるStashPort収納システム
グラベルバイクに求められる実用性という観点では、新型Topstone Carbonに標準装備された「StashPort」(スタッシュポート)収納システムが注目に値する。これはダウンチューブのボトルケージの下に設けられた専用の収納スペースで、付属の「StashBag」(スタッシュバッグ)と組み合わせて使用する。
この収納スペースは、チューブやCO2インフレーター、マルチツールなど、ライド中の必需品をしっかりと収納できるサイズとなっている。バイクパッキングなどの長距離ライドでは、フレームバッグやサドルバッグを装着することも多いが、短〜中距離のライドでは必要最小限の装備をコンパクトに収納できる本システムが重宝するだろう。
StashPortはフレームのデザインと一体化しており、バイクの美観を損なわずに実用性を高めている点も見逃せない。キャノンデールの設計チームは、機能性とデザイン性の両立にもこだわったことがうかがえる。
拡大されたタイヤクリアランス
グラベルバイクの性能を左右する重要な要素として、タイヤクリアランスの拡大も見逃せない進化点だ。新型Topstone Carbonは、フレームで最大タイヤ幅52mm、リジッドフォーク使用時には最大56mmまでのタイヤに対応する。
これはグラベルバイクとしては非常に余裕のあるクリアランスであり、路面状況や好みに応じて様々なタイヤを選択できる自由度をライダーに提供する。泥が付着しやすい濡れたコンディションでも、十分なクリアランスによって泥詰まりのリスクを軽減できる点も実用的だ。
ただし、Lefty Oliverフォーク装着時は700x47mmのタイヤに最適化されており、あまりに高さのあるタイヤは取り付けられない点には注意が必要だ。これはフォークの構造上の制約によるもので、モデル選択時の検討ポイントとなるだろう。
多彩なラインナップと仕様の詳細
新型Topstone Carbonは5つのモデルがラインナップされ、異なるコンポーネントやホイール、フォークの選択肢が用意されている。各モデルの特徴を詳しく見ていこう。
Topstone Carbon LTD Di2
価格:1,265,000円(税込)

- フレーム:Topstone Carbon, Kingpin suspension system, 12x142mm thru-axle, 27.2
dropperpost ready, UDH - フォーク:Topstone Carbon, 1-1/8″ to 1.5″ steerer, 55mm OutFront offset, 12×100 thru-axle
- ホイール:Reserve 40 I 44 GR Carbon, Turbulent Aero Tech, 24h, tubeless ready
- コンポーネント:Shimano GRX 825, Di2
- ハンドル:Easton EC90 AX Carbon
- サイズ:47, 51, 54
- カラー:Mantis with Caffeine and Quicksand (MGY)
- 付属品:Large StashBag downtube storagebag, Reserve Fillmore tubeless valve stems, Shimano Di2 charger
最上位モデルとなるTopstone Carbon LTD Di2は、Shimano GRX 825 Di2電動コンポーネントを採用。高精度な電子制御によるシフティングは、荒れた路面での正確なギアチェンジを可能にし、ライディング中の集中力維持にも貢献する。
ホイールには高級カーボンホイールであるReserve 40/44 GR Carbonを採用。このホイールは「Turbulent Aero Tech」と呼ばれる空力特性に優れたリム形状が特徴で、24ホールのスポーク数による軽量化と剛性のバランスも優れている。チューブレスレディ仕様のため、パンクのリスク低減と転がり抵抗の軽減も実現している。
ハンドルバーにはEaston EC90 AXカーボンモデルを採用し、軽量性と振動吸収性を両立。マンティス/カフェイン/クイックサンドという独特のカラーリングも、トップモデルならではの個性を主張している。
フレームはもちろんKingPinサスペンション搭載のTopstone Carbonフレームで、12x142mmのスルーアクスル、27.2mmドロッパーポスト対応、UDH(ユニバーサルディレイラーハンガー)といった最新規格に対応している。
付属品としては、Large StashBagダウンチューブストレージバッグ、Reserveブランドのチューブレスバルブ、Shimano Di2充電器が同梱される。
Topstone Carbon Lefty AXS
価格:1,135,000円(税込)

- フレーム:Topstone Carbon, Kingpin suspension system, 12x142mm thru-axle, 27.2 dropperpost ready, UDH
- フォーク:Lefty Oliver Carbon, 40mm travel, lockout, Gen 2 Chamber Damper
- ホイール::Reserve 40 I 44 GR Carbon, 24h, tubeless ready
- コンポーネント:SRAM Rival AXS
- ハンドル:Easton EA70 AX
- サイズ:47, 51, 54
- カラー:Jet Black w/ Raw Carbon and Smoked Chrome (BLK)
- 付属品:Large StashBag downtube storage bag, Reserve Fillmore tubeless valve stems, SRAM AXS charger
モデル名に「Lefty」を冠するこのモデルは、Lefty Oliver Carbonフォークを搭載した唯一のラインナップだ。40mmトラベルのサスペンション機能に加え、ロックアウト機能も備えており、舗装路での効率的なペダリングも可能にする。第2世代のChamber Damperを採用し、初動の滑らかさと全ストローク域での安定した減衰特性を実現している。
コンポーネントはSRAM Rival AXSワイヤレス電動システムを採用。SRAMの特徴である1x(フロントシングル)ドライブトレインにより、シンプルな操作性と十分なギア比範囲を両立している。
ホイールは最上位モデルと同じReserve 40/44 GR Carbonを採用し、高い走行性能を確保。ハンドルバーはEaston EA70 AXとなり、アルミ素材ながらグラベル走行に適した形状設計となっている。
カラーリングはジェットブラック/ロウカーボン/スモークドクロームというシックな配色で、Leftyフォークの独特なフォルムを引き立てる効果がある。
付属品としては、Large StashBagダウンチューブストレージバッグ、Reserveブランドのチューブレスバルブ、SRAM AXS充電器が同梱される。
Topstone Carbon 2 AXS
価格:685,000円(税込)

- フレーム:Topstone Carbon, Kingpin suspension system, 12x142mm thru-axle, 27.2 dropperpost ready, UDH
- フォーク:Topstone Carbon, 1-1/8″ to 1.5″ steerer, 55mm OutFront offset, 12×100 thru-axle
- ホイール:WTB KOM Team i25 TCS, 28h, tubeless ready
- コンポーネント:SRAM Apex AXS
- ハンドル:Cannondale 2 ShortDrop, 7050 alloy, 12 deg flare drop
- サイズ:47, 51, 54
- カラー:Spruce Green w/ Raw Carbon and Meteor Gray (SGR)
- 付属品:Large StashBag downtube storage bag, Reserve Fillmore tubeless valve stems, SRAM AXS charger
中価格帯のこのモデルは、SRAM Apex AXSワイヤレス電動コンポーネントを採用。上位グレードのRival AXSと比較すると若干重量は増すものの、同様の操作感と信頼性を備えている。
フォークはTopstone Carbonリジッドフォークとなり、55mmの「アウトフロントジオメトリー」を実現。12x100mmスルーアクスル規格を採用し、高い剛性を確保している。
ホイールにはWTB KOM Team i25 TCSを採用。アルミリムながら、チューブレスレディ仕様で実用性は十分。ハンドルバーはCannondale 2 ShortDropアルミハンドルで、12度のフレア(開き)が特徴だ。これにより、下ハンドル走行時の手首の角度がより自然になり、長距離ライドでの快適性が向上する。
カラーリングはスプルースグリーン/ロウカーボン/メテオグレーという落ち着いたグリーンを基調とした配色で、森林地帯でのグラベルライドをイメージさせるデザインとなっている。
付属品としては、Large StashBagダウンチューブストレージバッグ、チューブレスバルブ、SRAM AXS充電器が同梱される。
Topstone Carbon 2 GRX
価格:660,000円(税込)


- フレーム:Topstone Carbon, Kingpin suspension system, 12x142mm thru-axle, 27.2 dropperpost ready, UDH
- フォーク:Topstone Carbon, 1-1/8″ to 1.5″ steerer, 55mm OutFront offset, 12×100 thru-axle
- ホイール:WTB KOM Team i25 TCS, 28h, tubeless ready
- コンポーネント:Shimano GRX 820
- ハンドル:Cannondale 2 ShortDrop, 7050 alloy, 12 deg flare drop
- サイズ:47, 51, 54
- カラー:Tigershark w/ Jade and Orange Slice (TSK), Obsidian w/ Charcoal Gray (OBS)
- 付属品:Large StashBag downtube storage bag, tubeless valve stems
Shimano GRX 820コンポーネントを採用したモデルで、機械式ながら高い信頼性と操作性を備えたシフティングが特徴。GRXシリーズはグラベル専用に開発されたコンポーネントで、オフロード走行時の安定したブレーキング性能やシフト操作を実現している。
フォークや基本仕様はTopstone Carbon 2 AXSと共通で、ホイールもWTB KOM Team i25 TCSを採用。ハンドルバーはCannondale 2 ShortDropとなっている。
カラーリングは2色展開で、Tigershark w/ Jade and Orange Slice (TSK)という個性的な配色と、Obsidian w/ Charcoal Gray (OBS)という落ち着いた配色から選択可能だ。
付属品としては、Large StashBagダウンチューブストレージバッグとチューブレスバルブが同梱される。
Topstone Carbon 3 GRX
価格:570,000円(税込)



エントリーグレードとなるこのモデルは、Shimano GRX 820、610、400をミックスしたコンポーネント構成となっている。コストを抑えつつも、GRXシリーズの基本性能を確保したモデルだ。
ホイールはWTB ST i25 TCSとなり、エントリーグレードながらチューブレスレディ仕様を維持。ハンドルバーはCannondale 3 バテッド6061アロイで、16度のフレアを持つドロップハンドルとなっている。
カラーリングは3色展開で、Chalk w/ Meteor Gray (CHK)、Smoke Black w/ Jet Black (SBK)、Orange Slice w/ Stealth Gray (ORS)という多彩な選択肢が用意されている。
付属品としては、Large StashBagダウンチューブストレージバッグとチューブレスバルブが同梱される。
進化したグラベルバイクの可能性
新型Topstone Carbonは、単なるモデルチェンジを超えた大幅な進化を遂げている。KingPinサスペンションの動作性改善、Lefty Oliverフォークのトラベル拡大、StashPortの標準装備、タイヤクリアランスの拡大など、グラベルバイクとしての性能と実用性を高める改良が随所に施されている。
特筆すべきは、これらの改良が「グラベルライドの多様化」に応えるものとなっている点だ。舗装路から林道、シングルトラックまで、様々な路面を自在に走破できる走行性能と、バイクパッキングやツーリングにも対応できる実用性を兼ね備えたバイクとなっている。
キャノンデールの新型Topstone Carbonは、「どこでも行ける、なんでも積める、速さと情熱に満ちた究極のグラベルマシン」というコンセプト通り、グラベルライドの楽しさと可能性を広げる一台となるだろう。
問:インターテック https://www.cannondale.com/ja-jp
- BRAND :
- Bicycle Club
SHARE
PROFILE

Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。