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エリオット・シュルツが接戦を制し、劇的連勝でJプロツアー新リーダーに!|東日本ロードクラシックDay2

4月27日、全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)主催の「第59回 JBCF 東日本ロードクラシック DAY2」が、群馬県利根郡みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで開催された。前日の厳しい北風と寒さから一転、この日は朝から青空が広がり、気温も20度を超える夏日に迫る陽気となった。穏やかな南風の中、国内最高峰カテゴリーのJプロツアー(JPT)では、昨日にも増して白熱したレースが展開された。前週の西日本ロードクラシックを制したエリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)が、最終局面での壮絶な写真判定にまで持ち込まれたスプリント勝負を制し、劇的な2連勝を達成。同時にプロリーダージャージも獲得した。

長丁場の消耗戦、序盤からアタック止まらず

大会2日目のメインレース、Jプロツアー(JPT)は午前9時45分にスタート。1周6kmのコースを25周する150kmの長丁場には、145名がエントリーし、実際に131名の選手たちがスタートを切った。

スタート前のセレモニーでは、前週の西日本ロードクラシックで史上初めて大学生(アンダーカテゴリー)としてプロリーダージャージ(赤)とネクストリーダージャージ(白)を同時に着用することになった渡辺一気(京都産業大学)が紹介され、会場から大きな拍手が送られた。対するは、僅差でジャージを明け渡したホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン)や、前週デビューウィンを飾ったエリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)、そしてチームランキングトップを走る宇都宮ブリッツェン勢。プロの意地とプライドがぶつかり合う、激しいレースが予想された。

レースはスタート直後からアタック合戦となる。天野壮悠(シマノレーシング)や床井亮太(レバンテフジ静岡)らが口火を切ると、これに有力チームが次々と反応。解説として登場した畑中勇介監督(キナンレーシングチーム)も「序盤からみんなガンガン行きますね。休む間がない」と語るほど、逃げと吸収が繰り返され、集団は序盤から縦に長く伸び、ハイペースな展開が続いた。特にヴィクトワール広島や宇都宮ブリッツェン、マトリックスパワータグなどが積極的に動き、レースを活性化させた。

解説席の野寺秀徳監督(シマノレーシング)は「群馬のコースは流れていくと、後半まで集団が崩れないこともよくある」としながらも、「レース開始1時間半あたりから、疲労回復力の差が出てくる。そこが勝負の分かれ目になるかもしれない」と分析。その言葉通り、レースは1時間半を経過しても決定的な逃げが決まらない消耗戦の様相を呈してきた。

落車発生で集団分裂、再合流後の新たな動き

レース中盤、10周目に入るフィードゾーン付近で複数選手を巻き込む落車が発生。これにより集団が大きく2つに分裂するアクシデントに見舞われた。この分裂で、チームブリヂストンサイクリングなど、有力チームの選手も後方に取り残される形となった。

先頭集団は約23名、後方集団は約50名弱となり、タイム差は一時30秒近くまで開いた。宮崎景涼監督(チームブリヂストンサイクリング)は「急に動きが出た。我々も選手が巻き込まれ、厳しい展開」と語ったが、「後ろの人数も多いので、追いついて振り出しに戻る可能性も十分ある」と冷静に分析。その言葉通り、後方集団ではシマノレーシングなどが中心となり猛烈な追走を開始。驚異的なスピードで差を詰め、13周目には集団は再び一つになった。

しかし、この追走劇で多くの選手が脚を使ったことは間違いなく、レースは新たな局面へ。再統合後、今度は逃げの名手、阿部嵩之(ヴェロリアン松山)と、ここまでも力強い走りを見せていたレオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島、ベネズエラ)の2名がアタック。一時は40秒以上のリードを奪うが、プロトンはこれを容認せず。フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ、スペイン)らが追走の動きを見せ、15周目にはこれも吸収された。

12名の逃げ形成、シュルツ、トリビオら有力選手揃う

レースが残り10周を切った16周目、ついにこの日の決定的な動きが生まれる。宇都宮ブリッツェン勢が中心となり集団のペースを上げると、12名の選手が抜け出した。

メンバーは、宇都宮ブリッツェンから谷順成、ルーベン・アコスタ(コロンビア)、岡篤志の最多3名。ヴィクトワール広島からエリオット・シュルツ、孫崎大樹の2名。さらに、ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)、金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)、湯浅博貴(チームサイクラーズ・スネル)、床井亮太(レバンテフジ静岡)、内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム)、風間翔眞(シマノレーシング)、山本元喜(キナンレーシングチーム)という、各チームのエース級が顔を揃える強力な布陣となった。

この逃げに対し、後方集団はホセを前に送り込んだマトリックスパワータグがコントロールを開始。タイム差は見る見るうちに広がり、18周目には2分以上に達し、勝負はこの12名に絞られた。解説席の松村拓紀GM(チームサイクラーズ・スネル)も「かなり強力なメンバー。このまま決まる可能性が高い」と展開を予想した。

3名の先行、壮絶スプリント!シュルツが写真判定の僅差で連勝!

残り周回が少なくなるにつれ、先頭12名の中でもアタックの応酬が始まる。残り3周回、宇都宮ブリッツェンのアコスタのアタックに、シュルツと山本が反応。3名が先行する形となる。これを同じく宇都宮ブリッツェンの岡が単独で猛追。一時は背中が見える位置まで迫るが、追いつくには至らない。

最終周回、先行する3名は互いに牽制し合いながら最後の勝負所、心臓破りの坂へ。ここで山本がわずかに遅れるも、先頭が牽制してる隙に下りで驚異的な粘りを見せ先頭に復帰。勝負は3名でのゴールスプリントに持ち込まれた。

最終コーナーを抜け、ホームストレートへ。山本が先行する形でスプリントが開始されると、横からシュルツとアコスタが並びかける。最後はシュルツとアコスタが同時にハンドルを投げ合う壮絶な写真判定に。僅差でシュルツがアコスタを下し、JPTデビューから衝撃の2連勝を飾った。

「めちゃくちゃハードなレースだった。チームが素晴らしかったし、スプリントになると思っていた」と語ったエリオット。通訳を務めた西村大輝監督も「(宇都宮清原クリテリウムから)チームとして3連勝。目標を上方修正して、さらに上を目指したい」と喜びを語った。この勝利でシュルツはプロリーダージャージも獲得し、今後のレースでの活躍がますます期待される。惜しくも2位となったアコスタ、3位には最後まで食らいついた山本が入った。単独追走を見せた岡が4位、トリビオが5位となった。

また、後方集団から単独でアタックし、最後まで前を追い続けた山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)がその敢闘精神を称えられ、敢闘賞を受賞した。

東西クラシック終了、5月のUCIレースへ

2日間にわたって行われた東日本ロードクラシックは、両日ともに見応えのあるレースとなった。特にJPTでは、外国人選手の活躍と国内トップ選手の激しい攻防が印象的だった。シュルツの衝撃的な2連勝は、今後のJPTの勢力図を大きく変える可能性を秘めている。

トップ選手たちは息つく間もなく、ゴールデンウィーク後半からのツール・ド・熊野、そしてツアー・オブ・ジャパンへとUCIレース連戦に臨む。この東西クラシックで見せた熱気をそのままに、さらなるドラマが生まれることを期待したい。

リザルト

1位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア) 3h35m15s
2位 ルーベン・アコスタ(宇都宮ブリッツェン、コロンビア)
3位 山本元喜(キナンレーシングチーム) +3s
4位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +32s
5位 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ、スペイン) +33s
6位 谷順成(宇都宮ブリッツェン) +36s
7位 金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)
8位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島) +39s
9位 内田宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム)
10位 床井亮太(レバンテフジ静岡) +43s

個人総合リーダー(プロリーダー)

エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)

U23リーダー(ネクストリーダー)

渡辺一気(京都産業大学)

敢闘賞

山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)

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PROFILE

せいちゃん

せいちゃん

稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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