
進化し続けるMTBの祭典「第33回シマノバイカーズフェスティバル」今夏、富士見パノラマで開催へ

Bicycle Club編集部
- 2025年05月16日
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2025年7月26日(土)と27日(日)の2日間、長野県富士見町の雄大な自然を舞台に、国内最大級のマウンテンバイク(MTB)イベント「第33回シマノバイカーズフェスティバル」が開催される。30年以上の歴史を誇るこの祭典は、単なる競技会に留まらず、初心者からエリートライダー、そして家族連れまで、あらゆる自転車愛好家が心ゆくまで楽しめる総合的なサイクリングエンターテイメントとして進化を続けている。
八ヶ岳と南アルプスに抱かれた絶好のロケーション
来る7月26日(土)と27日(日)の2日間、フェスティバルのメインステージとなるのは、長野県諏訪郡富士見町に位置する「富士見パノラマリゾート」。標高1,000メートルを超えるこの地は、八ヶ岳連峰と南アルプスの壮大なパノラマを望む、まさにMTBの聖地とも言えるロケーションだ。夏でも比較的冷涼な気候と、変化に富んだ地形は、MTBの醍醐味を存分に味わうための最高の環境を提供する。
イベントの心臓部「バイカーズビレッジ」:乗る・観る・発見する体験が集約
会場の中心に設営される「バイカーズビレッジ」は、フェスティバルのあらゆる要素が集結する、まさに心臓部だ。ここには、クロスカントリー(XC)、グラベルクロス(GX)、そしてダウンヒル(DH)といった主要レースのスタートおよびフィニッシュ地点が設けられ、間近でトップライダーたちの熱戦を観戦できる。
それだけではない。「出展ブースゾーン」では、シマノをはじめとする国内外の自転車メーカーや関連企業が最新モデルのバイクやパーツ、アクセサリーを展示。試乗車も豊富に用意され、オフロードギアの“今”を実際に体験し、専門スタッフから直接話を聞ける貴重な機会となる。子どもから大人まで安全に楽しめる「パンプトラック」は、オフロードライディングの基本スキルを遊びながら身につけられると毎年人気だ。
また、地元富士見町や八ヶ岳エリアの特産品、グルメが集う「バイカーズマルシェ」では、ライドの合間に地元の味覚を堪能できる。さらに、神奈川トヨタ自動車が運営するアウトドアショップ「GOOD OPEN AIRS myX」プロデュースによる、自転車とクルマ、キャンプを融合させた「6Wheel&Campingゾーン」も展開。レース参加者だけでなく、応援に駆けつけた家族や友人、そしてイベントを訪れたすべての人々が、一日中飽きることなく過ごせる空間が創出される。大型LEDビジョンによるレース中継や、フード、音楽も提供され、祭りの賑わいを一層高める。そして初日の夕刻には、参加者同士の交流を深める恒例の「ウェルカムパーティー」もこのバイカーズビレッジで開催される予定だ。
各種目が大幅進化・新設:あらゆるレベルのライダーへ最高の体験を
「シマノバイカーズフェスティバル」の大きな魅力は、その種目の多様性と、年々進化を続けるプログラム内容にある。2025年大会でも、既存種目のブラッシュアップに加え、新たなカテゴリーが多数導入され、より多くのライダーが自分に合った楽しみ方を見つけられるよう工夫されている。
ダウンヒル(DH):100%オリジナルコースと手厚いサポート
スリルとテクニックが凝縮されたダウンヒルレースは、今年も非常設区間を大幅に導入し、バイカーズフェスティバルならではの100%オリジナルコースで展開される。これにより、継続参加のライダーにも新鮮な挑戦を提供。一方で、コース難度を抑え、スタート地点までリフトでアクセス可能な「DH Light」は、子どもから大人まで、ダウンヒル初体験のライダーでも安心して挑戦できる設計となっている。
さらに、プロライダーの井手川直樹(Bicycle Academy/STRIDER)や清水一輝(BLAZE A TRAIL)らから直接指導を受けられる「DH追走クリニック」も実施。実際のレースコースを使用し、少人数制で2周分のボリュームある個人レッスンが受けられるこのクリニックは、スキルアップを目指すライダーにとってまたとない機会だ(「DH Race」エントリー者限定の有料種目)。
クロスカントリー(XC)&グラベルクロス(GX):最高峰レースの進化と裾野拡大
MTBレースの華であるクロスカントリーは、最高峰カテゴリー「XC Race」が、短距離高速型のXCC(クロスカントリー・ショートトラック)と、よりテクニカルなセクションを含む本格的なXCO(クロスカントリー・オリンピック)に分化してグレードアップ。XCCは1周約1kmのコースを約20分間で競い、上位12名は翌日のXCOで有利なスタート位置を獲得できるという戦略性も加わる。
また、経験豊富なベテランライダー向けの「XC Masters」や、クロスカントリー初挑戦者に最適な「XC Beginner」が新設され、幅広い年齢層とスキルレベルのライダーが楽しめるラインナップとなった。
グラベルバイクやシクロクロスバイクで参加できるGXカテゴリーでは、数年前に人気を博した「GX Light」が復活。難易度を抑えたコース設定で、普段のサイクリングとは異なるオフロード体験を気軽に楽しめる。もちろん、本格的な40分間の「GX Race」も健在だ。
さらに、マウンテンバイクの安全な走り方や楽しみ方を学べる「MTB乗り方基本講座」(座学)や、試走時間を利用してコース攻略法を学ぶ「XCステップアップクリニック」(実践)も開催され、スキルアップをサポートする。
Trail Ride+(トレイルライドプラス):MTBの醍醐味を凝縮し、レースも新設
「心地よいフロー」を追求する「Trail Ride+」は、単なるトレイル走行に留まらない、バイカーズならではのプラス要素が満載の人気種目だ。“朝の会”から始まり、タイム計測、特別スペシャルコースのフリー走行時間、そしてプロライダーも交えた“メガトレイン”での一日締めくくりと、MTBの楽しさを丸一日かけて満喫できる。
2025年大会では、このフリー走行時間にオープンするスペシャルコースを利用した「Trail Ride Race」を初開催。富士見パノラマのポテンシャルを最大限に活かした、クライミングを含むエンデューロスタイルのレースとなる。さらに、E-BIKE限定の「Trail Ride Race-E」も同時開催され、ペダリングアシストを駆使した新たなレースの楽しみ方が提案される。
ツーリング:ジャンル拡大と地域密着型の魅力
レースだけでなく、雄大な自然を満喫できるツーリングプログラムも大幅に拡充される。
MTBツーリングでは、不動の人気を誇る「MTB Long Trail」、距離は短いがシングルトラックを凝縮した「MTB Short Trail」に加え、斜度が緩やかで走りやすいトレイルを繋いだ初心者向けの「MTB Beginner Trail」が新設。ガイドが同行し、参加者のペースに合わせてリードしてくれる。
人気のグラベルツーリングは全面リニューアル。八ヶ岳山麓の自然や富士見町の里山を巡るコースは、グラベル率の向上や下り基調の設定など、レベルや志向に応じて選べる多彩なバリエーションが用意される。日曜日には、グラベルの魅力を凝縮したショートコースも新設。
自転車と地図を手にポイントを探して巡るロゲイニング種目「BIKER’Sロゲイン」は、今年は入笠山をフィールドに大幅リニューアル。ゴンドラで山頂付近までアクセスし、涼しい高原で家族や仲間と宝探し感覚で楽しめる。
そして、シマノ直営の文化発信拠点「シマノスクエア」が提案する「Ride&Fish」も開催。自転車(Panasonic XEALT M5を使用)と釣りを組み合わせ、釣ったニジマスをその場で味わえるというユニークな体験は、今年も人気を集めそうだ。自転車、ヘルメット、グローブ、釣り竿など必要な道具は全て用意されるため、手ぶらで気軽に参加できるのも魅力だ。
さらに、シマノレーシングの現役選手やOB選手と八ヶ岳山麓を走る「サマーライド」も開催。近年の気候を考慮し、距離や獲得標高を調整しつつエイドステーションを増設するなど、より快適に楽しめるよう配慮されている。
プロライダーによる万全のサポート体制
各レースコースやツーリングコースの監修には、バイカーズパートナーであるプロライダーたちが深く関わっている。ダウンヒルは井手川直樹(Bicycle Academy/STRIDER)、Trail Ride+は永田隼也(TEAM A&F / OAKLEY)と清水一輝(BLAZE A TRAIL)、クロスカントリーは山本幸平(Asia Union TCS Racing Team)と松本駿(TEAM RIDE MASHUN)が担当。大会当日も、クロスカントリーの沢田時(宇都宮ブリッツェン)、松本一成(TEAM RIDE MASHUN)、鈴木来人(アヴニールサイクリング山梨)らが参加するほか、ツーリングではシマノレーシングの現役選手が同行し、参加者をサポート。コース上のアドバイスはもちろん、参加者との交流もフェスティバルの大きな魅力の一つだ。
テクノロジー活用:「バイカーズフェスティバル公式アプリ」
参加者の利便性向上と情報提供の円滑化のため、「シマノバイカーズフェスティバル公式アプリ」も活用される。このアプリでは、会場全体のマップ、各コースの詳細図、当日のレースやツーリング、イベントのタイムスケジュールが一元的に確認可能。さらに、自分が参加する種目を登録してパーソナルスケジュールを作成できる「マイスケジュール機能」も搭載する。
加えて、デジタル参加確認証もアプリから表示でき、受付でスマートフォンを提示するだけでゼッケンや計測チップの受け渡しがスムーズに行えるなど、ペーパーレス化と効率化にも貢献する。
参加者募集と詳細情報
参加者の募集期間は、2025年5月16日(金)12:00から6月30日(月)23:59まで。申し込みは、スポーツエントリーの専用サイトから行う。
公式ウェブサイトでは、各種目の詳細、参加資格、参加費、スケジュールなどが順次掲載される。
第33回シマノバイカーズフェスティバル
- 開催日:2025年7月26日(土)・27日(日)
- 会場:富士見パノラマリゾート (長野県諏訪郡富士見町富士見6666-703番地)
- 主催:株式会社シマノ
- 共催:一般社団法人 富士見パノラマリゾート
- 募集期間:2025年5月16日(金) 12:00 ~ 6月30日(月) 23:59
- 申込方法:スポーツエントリー専用サイトより申込み
自転車文化の未来を照らす祭典へ
「シマノバイカーズフェスティバル」は、単なる競技イベントの枠を超え、自転車を通じて自然と触れ合い、人と繋がり、新たな発見をする場として、多くのサイクリストに愛されてきた。2025年大会も、その伝統を受け継ぎつつ、時代のニーズに応じた新たな試みを積極的に取り入れ、さらなる進化を遂げようとしている。
初心者にとっては自転車の楽しさを知る入口となり、経験者にとっては自らの限界に挑戦し、スキルを磨く舞台となる。そして、家族や仲間にとっては、共通の趣味を通じて絆を深めるかけがえのない時間を提供する。
夏の富士見パノラマリゾートで繰り広げられる2日間の熱狂は、参加者一人ひとりの心に鮮やかな記憶を刻み込み、日本の自転車文化の未来を明るく照らし出すことだろう。その瞬間を、ぜひ現地で体感してほしい。
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