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岡篤志が劇的勝利!リーダージャージも獲得|ツアー・オブ・ジャパン JPF 京都ステージ

5月19日(月)、日本最大級のステージサイクルロードレース「NTN presents ツアー・オブ・ジャパン2025」は第2ステージ JPF京都ステージを迎えた。京都府京田辺市の普賢寺ふれあいの駅を発着点とし、精華町けいはんなプラザを周回する1周16.8kmのコースを6周する全103.6kmのレースは、最終周回にまさかのリーダージャージ落車、そしてリタイアという大波乱がありながらも、最後は岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が集団スプリントを制し、ステージ優勝と個人総合時間賞リーダージャージ(グリーンジャージ)を獲得した。

熱気と期待に包まれた京都ステージ、序盤から逃げの攻防

大会2日目、会場となった京田辺市には平日にも関わらず朝から多くの自転車ファンが駆けつけ、来場者数は46,000人を記録した。天候は晴れ、スタート時の気温は25℃と、レースが進むにつれて気温は上昇し、選手たちにとってはタフな戦いとなった。

前日の個人タイムトライアルを圧倒的なタイムで制したドゥシャン・ラヨビッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、セルビア)が、個人総合時間賞のグリーンジャージを着用。ポイント賞のブルージャージは2位のリアム・ウォルシュ(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)が代理着用。新人賞のホワイトジャージはカイエ・ソレン(ワンティ・NIPPO・リユーズ、オランダ)が身にまとい、6.6kmのパレード区間の後、レースは本格的にスタートした。

リアルスタートが切られると、早速テグシュバヤール・バッサイカン(ルージャイ・インシュランス、モンゴル)が単独でアタックを試みるが、これは集団に吸収される。

1周目の後半、本格的な逃げが形成される。沢田時(宇都宮ブリッツェン)、石原悠希(シマノレーシング)、そしてルーク・ブレナン(チームブッファーズ・ジェスチョンドパトリモワンヌ、イギリス)の3名が抜け出し、先頭グループを形成。ソリューションテック・ヴィーニファンティーニがコントロールするメイン集団はおよそ1分30秒差でレースを展開した。

逃げグループの3選手は協調してローテーションを回し、アドバンテージを維持。2周目終了時に設定された1回目の中間スプリントポイントでは、石原が先頭で通過し5ポイントとボーナスタイム3秒を獲得。ブレナンが2着、沢田が3着で続いた。

続く3周目に設定された今大会最初の山岳ポイントでは、沢田が力強い登りを見せて1位通過を果たし5ポイントを獲得。石原が2位、ブレナンが3位で通過し、それぞれ山岳ポイントを手にした。

プロトンの追撃と逃げの変化、そしてまさかのリーダージャージ落車・リタイア

レースが中盤に差し掛かると、個人総合首位のラヨビッチを擁するソリューションテック・ヴィーニファンティーニが集団のコントロールを開始。徐々に逃げグループとのタイム差を詰めていく。

4周目に入ると、逃げグループではブレナンが遅れ始め、集団に吸収。逃げは沢田と石原の日本人2名となる。この2名は粘りを見せ、4周目終了時の中間スプリントポイントも石原が先頭で通過し、再び5ポイントとボーナスタイム3秒を獲得。沢田が2着で続いた。

しかし、プロトンの追撃は止まらず、5周目の山岳ポイント手前でついに逃げていた2人を吸収。この2回目の山岳ポイントは、集団から飛び出したニコロ・ガリッポ(JCLチーム右京、イタリア)が1位で通過し、この日を終えての山岳賞を獲得した。

集団が一つとなり、勝負の最終周回へ。各チームがエースをアシストし、ゴールスプリントへ向けての位置取りが激しくなろうとした矢先、衝撃的なアクシデントが発生する。最終周回に入った集団で、グリーンジャージを着るドゥシャン・ラヨビッチを含む落車が発生。複数名が巻き込まれたこの落車によって、ラヨビッチはレースをリタイア。幸い骨折等はなかったものの、手のひらの裂傷がひどい状態で、すぐにヨーロッパに戻る予定とのことだ。

混沌の中から岡篤志が抜け出す!

総合リーダーで今日の絶対的優勝候補であるラヨビッチがレースを去ったことで、プロトンは一気に混沌とした状況に。JCLチーム右京などが集団のコントロールを試みるが、エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)やアラステア・クリスティージョンストン(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)らがアタックを仕掛けるなど、激しい攻防が繰り返される。

残り1kmを切り、いよいよゴールスプリントへ。各チームがスプリントトレインを組み、最終コーナーへ向けて激しい位置取り合戦が繰り広げられる。その中で、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が冷静に状況を見極め、絶好のポジションをキープ。最終コーナーを3、4番手で立ち上がると、残り200mを切ってから力強くスプリントを開始。先行する選手たちを鋭い加速で捉え、見事な逆転勝利でフィニッシュラインに飛び込んだ。

2着には、アンドレア・ダマト(JCLチーム右京、イタリア)が僅差で入り、3着にはキャメロン・スコット(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)が続いた。

岡篤志、ステージ優勝とリーダージャージ獲得のダブルの喜び

ステージ優勝を果たした岡は「今シーズン惜しいところでなかなか勝てず、やっと優勝することができて、本当に嬉しい。総合リーダーであり、スプリンターであるドゥシャン選手が遅れたことで、自分も勝てる可能性が高まったと思いながら最終周回を走っていた。最終コーナーは3、4番手ぐらいで入れたと思うが、残りの直線が長いのでしっかり待って、先行し過ぎないように気をつけ、自分のタイミングでスプリントを仕掛けた。まずはステージ1勝という目標を達成することができたのでひと安心というところではある。これで通算TOJ4勝目ということで、お陰様で歴代最多勝利数となったと聞いている。明日は総合リーダーチームとなって大変だとは思うが、あまり総合リーダーにこだわりすぎず、チーム一丸となってみんなでしっかり戦う。残りのステージも頑張りたい」と、喜びと今後のステージへの意気込みを語った。

このステージ優勝とボーナスタイム10秒により、岡は個人総合時間賞でもトップに浮上。前日の4位からジャンプアップし、グリーンジャージを獲得した。

各賞ジャージの行方と選手コメント

ポイント賞(ブルージャージ)もステージ優勝の岡が獲得し、2つのジャージを独占。山岳賞(レッドジャージ)は、2回目の山岳ポイントを制したガリッポが獲得した。ガリッポは「逃げていた選手が吸収されたので、山岳ポイントを狙って集団からペースを上げました。とはいえ、私たちの最大の目標は総合成績です。今は自分自身が総合を狙う立場ではありませんが、チーム一丸となって戦っていきたいと思います。明日のいなべステージとチーム拠点の近い相模原ステージは特に狙って走りたいです」とコメント。

新人賞(ホワイトジャージ)は、前日トップだったソレンがこのステージで遅れたため、ステージ12位に入ったウィリアム・へファナン(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)に移動した。へファナンは「昨日の結果から、自分を含むチームの何人かがU23の総合成績で上位にいることはわかっていたので、誰かがホワイトジャージを取れればいいと考えていました。キャメロン・スコットのサポートをしながら、自分自身もできる限りのスプリントをして、このジャージを獲得できたので嬉しく思います」と語った。

また、将来有望なU23日本人選手に贈られるRTA賞は、この日10位でフィニッシュした橋川丈(愛三工業レーシングチーム)が受賞した。プレゼンターの浅田顕氏は「今日はU23日本人選手の目立った活躍は少なかったが、その中で橋川選手が最上位でフィニッシュした。彼はベルギーで育ち、自転車の本場で経験を積んでいる。この賞を糧にさらに強くなってほしい」と期待を寄せた。

Photo: Miwa ARASHIRO

終始、集団の先頭でレースをコントロールしてきた新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)は、落車したチームメイトのラヨビッチの様子を確認し、67位でフィニッシュ。新城は「僕らにとって残念な1日となった。序盤〜中盤とチームは完璧にコントロールしてレースを進めたが、最終周回でリーダージャージのドゥシャンが落車し今日の目標が無くなった。ドゥシャンはリタイアし明日にはヨーロッパに戻る。これまで最高のパフォーマンスをしてくれていただけに残念な終わり方となってしまった。しかし、レースは続きます。熊野で総合優勝&ステージ優勝したマーク・スチュアートもいるし、TOJの為だけに呼んだヴァレリオ・コンティもいる。まだまだ勝てる選手が我がチームにはいるので、1人減ったがこれからも今まで通りに優勝目指して、頑張ります!」と、チームの再起を誓った。

熱戦は第3ステージいなべへ

リーダージャージのまさかのリタイアという大波乱に見舞われたJPF京都ステージ。その混沌の中から、岡篤志が勝負強さを見せつけ、ステージ優勝とリーダージャージ獲得という最高の結果を手にした。大会は早くも大きな転換点を迎え、翌20日には第3ステージいなべ(三重県いなべ市)へと戦いの舞台を移す。厳しいアップダウンが連続する山岳コースで、総合争いはさらに激化することが予想される。

第2ステージ リザルト

1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 2h38m50s
2位 アンドレア・ダマト(JCLチーム右京、イタリア)
3位 キャメロン・スコット(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)
4位 ジェラルド・レデスマ(VC福岡、スペイン)
5位 エリオット・シュルツ(ヴィクトワール広島、オーストラリア)
6位 レナルト・フェーゲ(レンベ・ラド・ネット、ドイツ)
7位 今村駿介(ワンティ・NIPPO・リユーズ)
8位 ベンジャミ・プラデス(VC福岡、スペイン)
9位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ・インシュアランス、オーストラリア)
10位 橋川丈(愛三工業レーシングチーム)

個人総合成績(第2ステージ)

1位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) 2h41m41s
2位 キャメロン・スコット(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア) +06s
3位 アンドレア・ダマト(JCLチーム右京、イタリア)
4位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCLチーム右京、イタリア) +12s
5位 山本哲央(日本ナショナルチーム)
6位 ベンジャミ・プラデス(VC福岡、スペイン) +13s
7位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ・インシュアランス、オーストラリア)
8位 金子宗平(日本ナショナルチーム) +14s
9位 マティアス・ブレンホイ(トレンガヌサイクリングチーム、デンマーク)
10位 レイン・タラマエ(キナンレーシングチーム、エストニア)

ポイント賞(ブルージャージ)

岡篤志(宇都宮ブリッツェン)

山岳賞(レッドジャージ)

ニコロ・ガリッポ(JCLチーム右京、イタリア)

新人賞(ホワイトジャージ)

ウィリアム・へファナン(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)

RTA賞

橋川丈(愛三工業レーシングチーム)

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せいちゃん

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稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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