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宇田川塁、地元チーム愛三工業が掴んだ劇的初勝利!|ツアー・オブ・ジャパン 美濃ステージ

5月21日(水)、岐阜県美濃市で開催された「NTN presents ツアー・オブ・ジャパン2025」第4ステージ 美濃ステージは、5人の逃げ切りによるゴールスプリント勝負となり、宇田川塁(愛三工業レーシングチーム)が見事なスプリントでUCIレース初勝利を飾った。個人総合時間賞リーダージャージは、アレッサンドロ・ファンチェル(JCLチーム右京、イタリア)が堅守した。

うだつの上がる町並みからスタート、序盤から逃げの攻防

大会4日目の舞台は、うだつの上がる町並みが残る美濃市の旧今井家住宅前をスタートし、1周21.0kmの周回コースを6周、さらに11.3kmの導入路を加え、総距離137.3kmで争われた。この日は朝から日差しが強く、スタート時の気温は25℃、湿度60%。レースが進むにつれて気温は30℃を超える真夏のような暑さとなり、選手たちにとっては厳しいコンディションとなった。

前日のいなべステージでステージ優勝と個人総合時間賞リーダージャージを獲得したアレッサンドロ・ファンチェル(JCLチーム右京、イタリア)がグリーンジャージを着用。ポイント賞は繰り下がりで2位の岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が、山岳賞はニコロ・ガリッボ(JCLチーム右京、イタリア)、新人賞はマクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ、ベルギー)がそれぞれジャージを身にまとい、パレード走行の後、レースはスタートした。

リアルスタートが切られると、早速トレンガヌサイクリングチームや、この美濃ステージをホームステージとする愛三工業レーシングチームの選手らがアタックを試みる。しかし、集団はこれを許さず、なかなか決定的な逃げは決まらない。

1周目、KOM(山岳ポイント)である大矢田もみじトンネルへの登りで、ようやく5名の逃げグループが形成される。メンバーは、アイマン・チャヒヤディ(トレンガヌサイクリングチーム、インドネシア)、カーター・ベトルス(ルージャイ・インシュアランス、オーストラリア)、風間翔眞(シマノレーシング)、宇田川塁(愛三工業レーシングチーム)、そしてヨン・クノレ(レンベ・ラド・ネット、ドイツ)。

メイン集団はリーダーチームのJCLチーム右京がコントロールし、総合上位の選手が居ない逃げグループとのタイム差を容認。タイム差は徐々に広がり、最大で4分を超えた。

逃げ切り濃厚、5人のスプリント勝負へ

逃げグループの5選手は協調してローテーションを続け、安定したペースを維持。2周目と4周目に設定されたKOMポイントは、いずれもチャヒヤディが先頭で通過し、山岳ポイントを獲得。中間スプリントポイントは、1周目終了時と3周目、5周目終了時に設定されたが、逃げグループは特に争うことなく通過した。

レース後半に入ると、メイン集団ではシーキャッシュ・ボディラップやワンティ・NIPPO・リユーズも追走に加わり、タイム差を縮めにかかる。一時は1分台後半まで差が詰まる場面もあったが、逃げグループもペースを落とさず、再びタイム差は広がり始める。

最終周回に入ると、逃げグループの5選手は勝利を意識し始め、互いに牽制し合う場面も見られた。大矢田もみじトンネルへの登りでクノレがアタックを試みるが、これは決まらない。トンネルを抜けた後の下りでベトルスも揺さぶりをかけるが、これも決定的な動きとはならず、勝負は5人でのゴールスプリントに持ち込まれた。

残り1kmを切り、緊張感が高まる中、各選手がスプリントのタイミングをうかがう。そして、残り200mを切ったところで、クノレが先行してスプリントを開始。これに反応した宇田川が、後方から鋭い伸びを見せ、クノレを鮮やかにかわし、見事な逆転勝利でフィニッシュラインに飛び込んだ。2位にはチャヒヤディ、3位にはクノレが入った。

宇田川塁、ホームチームの期待に応え掴んだUCIレース初勝利に「人生で一番嬉しい」

ステージ優勝を果たした宇田川は、フィニッシュ後のインタビューで「ロードレースで初めて勝てたのが今日のこのコースだったので、もう人生で一番嬉しいです。チームには偉大な先輩たちがいて、今日はエースの岡本さんがスプリントする展開で、自分は逃げるプランだった。もし捕まっても後ろは絶対勝てると思っていたので、自分はもう出し切って逃げ切るだけだと思っていました。岡本さんのようなスプリンターを目指したいです」と、興奮冷めやらぬ様子で喜びを語った。また、「自転車競技を始めたきっかけは、中学3年生の時に東京都のオリンピック選手を発掘する事業にお母さんが応募してくれたこと。それに合格して自転車競技を始め、そのまま高校進学した」というエピソードも披露した。

東京都町田市出身の宇田川は現在22歳。八王子桑志高校時代には、同期に留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)や西本健三郎(127期競輪選手)といった才能豊かな仲間たちと切磋琢磨。法政大学に進学後は、トラックレースとロードレースの両方で活躍し、2024年には群馬グリフィンからJプロツアーにも参戦。同年はJプロツアーで2度の表彰台、学生選手権ではロードレースで5位、タイムトライアルで2位、インカレロードレースでは6位、U23全日本選手権ロードレースでは7位など、コンスタントに結果を残してきた。今年の春に大学を卒業し、愛三工業レーシングチームに今シーズンから加入した期待の若手だ。

各賞ジャージの行方と選手コメント、ファンチェルは総合首位堅守

個人総合時間賞リーダージャージは、メイン集団でフィニッシュしたファンチェルが堅守。ファンチェルは「逃げていた選手が総合成績で12分遅れだったので、チームとしては無理をして追いかける必要はありませんでした。昨日よりもイージーな一日でしたが、暑くて湿度も高く、ヨーロッパから来た身としては慣れていませんが、条件はどの選手も一緒ですので問題ありません。明日はハードなレースになるでしょうが、状況をコントールし、攻撃をすることになるでしょう。自信はあります」とコメント。

ポイント賞もファンチェルが保持。山岳賞はガリッボがジャージを守り、「今日は平穏に進んだ一日でした。チームとしては総合成績が重要ですから、集団の前方には位置しましたがタイム差をコントロールすることはありませんでした。明日は厳しいステージで、ファンチェルの総合成績、そしてもしチャンスが巡ってくれば自分も勝ちを狙って走りたいと思っています」と語った。

新人賞はプラスが引き続き着用。「チームにはスプリント力のあるシュン(今村駿介)がいるので、集団の前をキープしていましたが、リーダーチームが逃げの選手たちを行かせたので、私たちのチームがほぼ唯一集団牽引を担いました。残念ながら追いつくことができませんでした。明日はとても厳しいステージになるでしょうし、間違いなくアクティブなレースになるはずです。総合成績が決まるのは、この先2日です」と、今後の戦いを見据えた。

RTA賞(将来有望なU23日本人選手に贈られる賞)は、岩村元嗣(日本ナショナルチーム)が受賞。プレゼンターの浅田顕氏は、「今日のステージも、U23選手の大きな動きは少なかったが、昨日のステージで岩村選手が絞られた集団の中で健闘していた。彼はまだU23の1年目で、昨年のジュニア世界選手権でも25位と素晴らしい走りを見せている。とにかく練習熱心な選手なので、体をケアしながら、今後ヨーロッパでも活躍してほしい」と、その将来性に大きな期待を寄せた。

Photo: Miwa ARASHIRO

チームの戦略通りに体力を温存し、32位でフィニッシュした新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)は、「今日のレースプランはチームにはスプリントのリードアウト役のジョルジェ(・ジュリッチ)がスプリントになれば、1人で参加する、他の4人は今後のステージの為に温存。昨日とは異なり、今日の展開は緩い展開になり、逃げ切り。チームとしては明日の飯田ステージに向け体力温存することが出来た。明日の飯田ステージはリーダーチームの動き次第では厳しいステージになる。チームとして総合タイムを失わない走りが大事になるが、その中でもちろんステージ優勝も狙う。久し振りの戻って来た飯田、会場でお会いできる皆さん、楽しみにしています!」とコメントした。

熱戦は第5ステージ綿半 信州飯田へ

ホームチームの愛三工業レーシングチームに、宇田川の劇的なUCIレース初勝利という最高のプレゼントをもたらした美濃ステージ。そして、総合リーダーの座を堅守したファンチェル。大会は中盤戦を終え、翌22日には第5ステージ綿半 信州飯田(長野県飯田市)へと舞台を移す。アップダウンが連続する厳しいコースで、総合争いはさらにヒートアップすることが予想される。

第4ステージ リザルト

1位 宇田川塁(愛三工業レーシングチーム) 3h09m35s
2位 アイマン・チャヒヤディ(トレンガヌサイクリングチーム、インドネシア)
3位 ヨン・クノレ(レンベ・ラド・ネット、ドイツ)
4位 風間翔眞(シマノレーシング)
5位 カーター・ベトルス(ルージャイ インシュアランス、オーストラリア)
6位 窪木一茂(愛三工業レーシングチーム) +16s
7位 ジョルジェ・ジュリッチ(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、セルビア)
8位 孫崎大樹(ヴィクトワール広島)
9位 アンドレア・ダマト(JCLチーム右京、イタリア)
10位 石原悠希(シマノレーシング)

個人総合成績(第4ステージ)

1位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCLチーム右京、イタリア) 8h51m00s
2位 マティアス・ブレンホイ(トレンガヌサイクリングチーム、デンマーク) +16s
3位 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +33s
4位 ニコロ・ガリッポ(JCLチーム右京、イタリア) +35s
5位 アンドレア・ダマト(JCLチーム右京、イタリア) +39s
6位 マーク・スチュワート(ソリューションテック ヴィーニファンティーニ、イギリス) +44s
7位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ インシュアランス、オーストラリア) +45s
8位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(VC福岡、スペイン) +46s
9位 金子宗平(日本ナショナルチーム) +47s
10位 マクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ、ベルギー)

ポイント賞(ブルージャージ)

アレッサンドロ・ファンチェル(JCLチーム右京、イタリア)

山岳賞(レッドジャージ)

ニコロ・ガリッボ(JCLチーム右京、イタリア)

新人賞(ホワイトジャージ)

マクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ、ベルギー)

RTA賞

岩村元嗣(日本ナショナルチーム)

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せいちゃん

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稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている

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