【TEST ME】SACRA・カイル イグナイト38㎜ TLR
ハシケン
- 2018年11月28日
サクラが生み出す最新チューブレスホイール
機材へのこだわりが強いレーサーたちから注目を集めているホイールがある。日本人開発者による日本ブランド「SACRA(サクラ)」が新たに送り出すチューブレスホイールが「カイルイグナイト」だ。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)で風洞実験を重ねた最新の28㎜ワイドリムは、他社を上まわるエアロダイナミクス性能を実現。チューブレスによる路面抵抗の低減も相まってハイレベルな性能を獲得。そして、同社初のカーボンスポークを採用し、軽量化と剛性アップを果たしている点が同モデル最大の特長だ。ホイール実測重量は1243gの軽さを誇りつつ、カーボンスポーク専用のミスリルハブを採用することで、駆動時のスポークのたわみの軽減を実現している。
またカイルイグナイトシリーズは、リム高50㎜のTLRバージョン(ペア重量約1325g)も12月に発売予定。クリンチャーやチューブラーモデルも展開予定だ。
カーボンスポーク採用の超軽量モデル
カイルイグナイトには、1本わずか2.9gの軽さを実現するカーボンスポークを採用。従来型より全体で32%の軽量化を果たしつつ、剛性も向上
カーボンスポークをリアハブに対してほぼ垂直に配置し、75㎜の大径フレンジと2:1の組み合わせによって駆動剛性と横剛性を実現している
スポークの終端部結束を強化したカーボンスポークは、メンテナンス性を重視してニップル仕様を採用。軽さのみを追求したわけではない
リムは耐熱性を下げることなく軽量化を果たし、ワイド化によって剛性を確保。スタンダード化するチューブレス規格にも対応している
INFO
SACRA・カイル イグナイト38㎜ TLR
26万円(前後セット/税抜)
●対応:チューブレスレディー、クリンチャー ●リム高:38㎜ ●リム幅:28㎜ ●重量:1243g(前後セット) ●12月発売予定
TESTER’S IMPRESSION
圧倒的な転がりのよさとかかりのよさ
ロードノイズを収束し、まるでキメの細かいアスファルトの上を走っているかのようなチューブレスタイヤがもたらす圧倒的な転がりのよさ。トルクを高めれば、しっかりと横剛性に支えられた推進力をホイールに感じられた。
さらに、チューブレスタイヤとワイドリムによる圧倒的な安心感は特筆もので、高い巡航性能を生み出すエアロ性能によって、時速40㎞前後からパワーをセーブできる感覚を得られる。決して剛性過多ではなくバランスのよさを実感できる。
サクラ代表の田中氏は、今回のカーボンスポークの採用については、「ホイールの理想は、スポークの伸び剛性が高いことです。伸び方向に繊維をそろえて伸び剛性を高めつつ、軽さも実現できるカーボンスポークを採用しました」と説明する。今回はリム高38㎜の軽量モデルだったが、低速からのかかりにもたつきはなく、ダッシュをかけたときのトラクションのよさを引き出していた。ツール・ド・沖縄などのロードレースでポテンシャルを発揮するだろう。
TESTER
ハシケン
ロードバイクを専門にするサイクルジャーナリスト。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス総合優勝、ツールド宮古島優勝など、脚質はオールラウンダー。過去、数多くのホイールをインプレッションしてきた経験をもつ。身長170㎝、体重62㎏
問:サクラサイクリング http://sacra-cycling.com
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