GIANT(ジャイアント)・TCRアドバンスド 1 SE|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2019年01月28日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 昨年発表され話題となった、パワーメータ標準搭載のGIANT・TCR ADVANCED1 SE(ジャイアント・TCRアドバンスド 1 SE)。28万円という驚きのコストパフォーマンス、その実力とは?
パワーメーター標準装備の戦略的モデル
TCRアドバンスド 1 SE
エンデュランスレーシングモデルのディファイ。そのフルモデルチェンジが2019年最大のトピックであるジャイアント。そのほかのモデルについても大小の改良がなされるなか、TCRに注目のモデルが登場した。その一台こそがパワーメーターを標準装備しながらも28万円という驚異的な価格を実現したTCRアドバンスド1SEだ。
ジャイアントみずから戦略的特別モデルと位置付けるこのバイクは、上位グレードと同様の剛性と軽さをもつカーボンフレームにアルテグラをアッセンブル。性能と信頼性、さらにコスト面でも妥協しない、レース志向のヘビーユーザーが求める理想像を、具現化したモデルといえよう。
ジャイアントが独自開発したクランク一体型のパワーメーター、パワープロはアルテグラクランクの左右にセンサーが取り付けられる。出力をモニターするサイクルコンピューターは別売りとなるが、同社のネオストラックをはじめとしたアントプラス対応モデルが使用できる。
かつてトップ選手だけのものであったパワーメーターは、効率的なトレーニングを可能とするだけでなく、レースやロングライドでのペース配分に役立つものだ。多くのライダーが恩恵を受けられるものであり、ネックとなる価格面のハードルをジャイアントが大幅に下げたといえよう。
パワーを表示するサイクルコンピューターは別売りだが、ジャイアントのネオストラックは、GPSも搭載して2万2千円と購入しやすい価格。
フレームは上位モデルのアドバンスドプロシリーズと同様で軽量化と剛性を両立した。
フォークはストレート形状。コラムはアルミ製で汎用性も高いオーバードライブ規格として、剛性も最適化した。
振動吸収性とエアロ性能を両立したバリアントシートポスト。
ジャイアント
TCRアドバンスド 1 SE
28万円(アルテグラ完成車/税抜)
■フレーム:アドバンスドグレードコンポジット ■フォーク:アドバンスドグレードコンポジット、アルミオーバードライブコラム ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル/ステム:ジャイアント・コンタクト ■シートポスト:ジャイアント・バリアントコンポジット ■サドル:ジャイアント・コンタクトフォワード ■ホイール:ジャイアント・P-R2 DBL ■タイヤ:ジャイアント・ガヴィアAC 1 ■サイズ:425(XS)、445(S)、470(M)、500(ML) ■カラー:カーボン ■試乗車重量:7.8kg(445)
軽快な走りのレースバイクでパワートレーニング入門にも◎
管洋介がインプレッション
乗りはじめてまず感じられるのが、キレのよさと絶妙なウイップを両立した剛性バランスの高さだ。ペダリングをバイクがまとめてくれる印象だ。少し高めのBBハイトとチューブの剛性バランスが絶妙にマッチしていて、立ち上がりのコントロール性とかかりのよさは絶品だ。ある程度キツい上りを越えた直後の平地の踏み出しなどでは、抜けのいい軽さを感じることができるだろう。
軽快なリズムを生み出してくれるステアリングは、抜群に振りが軽い。こうしたメリハリのきいた走行感が長年に渡ってイノベーションを続けてきた、TCRアドバンスドシリーズの集大成だと感じる。
やはり注目は標準搭載されたオリジナルのパワーメーターであるパワープロだ。アントプラス規格のため、すでに対応したサイクルコンピューターを所有していればそれを使えばいいと思うが、まったくの新規であれば試乗車にも取り付けられていたネオストラックがオススメだ。初めて操作したが、表示もわかりやすく直感的に使うことができた。またGPSやトレーニングサポート機能、さらにPCやスマートフォンとの連携もできるなど、充実のスペックが魅力といえる。
レースバイクとして位置づけられるが、路面からの衝撃も良好に吸収するため、多彩な使用ができる。レースはもちろんのこと、ロングライドやグランフォンドまで広がるオールラウンドな一台だ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴21年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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