PINARELLO(ピナレロ)・グレヴィルプラス|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2019年04月29日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! グラベルロードというピナレロの新境地を切り拓いた、PINARELLO・GREVIL+(ピナレロ・グレヴィルプラス)を管洋介がチェック!
ピナレロが新たな境地を切り開いた
グラベルロード「グレヴィルプラス」
グレヴィルプラスはドグマシリーズでロードレースの頂点を極めたピナレロが、新たに生み出したグラベルロードだ。
グラベルロードには、アスファルトからダートまで多様な路面状況に対応し、さらに長距離を走れる快適性など、ロードバイク以上に複雑な要素が求められる。
ピナレロはその特性を徹底的に分析。これまでドグマをはじめとしたロードバイクで培ってきたテクノロジーを盛り込むことで、随所にピナレロらしさが感じられるバイクに仕上げた。
ジオメトリーも含めて新たに設計したフレームにはドグマにも採用されるトレカ・T1100カーボンを採用。
優れた空力特性を生み出すコンケーヴデザインのダウンチューブや、フォークフラップ。さらにフレックスステーテクノロジー採用のチェーンステーなど、ドグマF 10やK 10のキーテクノロジーをグラベル向けに最適化して投入した。
グラフィックにおいてもレース向けのロードバイクとは異なるテイストで、ワイドタイヤを履いた外観ともマッチする。
無骨なイメージを演出しつつも正統派ブランドとしてのDNAを感じさせるデザインは、ライダーの所有欲をかき立てる。
グラベルロードというピナレロの新境地を切り拓いたグレヴィルプラス。弟分としてフレーム素材をT700に変更したグレヴィルも展開される。
フォークフラップは大型化し、空力性能向上だけでなくキャリパー保護もする。
チェーンステーは積極的に振動を吸収し路面追従性にも優れるフレックスステーを採用。
ドグマから受け継いだコンケーヴデザインのダウンチューブを採用しエアロダイナミクスも最適化した。シマノDi2で組んだ場合にはジャンクションも内蔵できる。
タイヤは700Cでは42mmまで、MTB用の27.5インチは2.1サイズまで対応する。
ピナレロ
グレヴィルプラス
54万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:トレカ・T1100 1Kカーボン ■フォーク:トレカ・T1100 1Kカーボン ■コンポーネント:スラム・フォース1 ■ハンドル:モスト・ジャガーウルトラGR ■ステム:モスト・タイガーALU ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:モスト・リンクス ■ホイール:フルクラム・レーシング7DB 650B ■タイヤ:WTB・バイウェイ47 ■サイズ:44、47、50、53、56、59 ■カラー:カーボン×ペトロール、BOB、カーボンバーティゴブルー ■試乗車重量:8.5kg(53)
加速、巡航、コントロールを高次元にまとめあげた
管洋介がインプレッション
グレヴィルプラスは、ロードレーシングモデルのドグマF10シリーズにも使用される、T1100Gナノアロイカーボンと同等の弾性率のカーボンを採用していることからもわかるとおり、ピナレロが本気でグラベルロードに取り組んだモデルだといえる。細部に至るまでロードバイクとは一線を画したもの作りが行われるなかで、ドグマでは空気抵抗を軽減するものであったフォークフラップが、ディスクブレーキキャリパーの保護にも転用されている部分もある。つまり、これまでにピナレロが培ってきたすべてをグレヴィルプラスに注ぎ込みながらも、新しいアプローチのバイクを作ろうとしていることがうかがい知れる。
乗り出してみると踏み出しから巡航へとつながる反応が非常に速く、ラフな路面での細かい踏み直しにストレスをためない推進力の高さが際立つ。巡航ペースに乗ると落ち着いて踏みやすいシートアングルでフォームが保ちやすく、フレックスステーとワイドタイヤの弾性でトラクションをフルに生かしたパワフルなライディングが演出される。ホイールベースは長く設計され、車輪の慣性モーメントとピナレロの流線型のエアロボディも相まってアスファルトでの走行も安定感に包まれている。コーナーリングでは吸い付くようにラインを決められる。
グラベルロードというカテゴリーをピナレロがしっかり消化したのちアウトプットして、加速と巡航、コントロールを高次元にまとめあげた一台だ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:ピナレロジャパン www.pinarello.jp
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