S1NEO(S1ネオ)・599D|ニューモデルインプレッション
山口
- 2019年05月20日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! フランスの新興ブランドながら、品質に優れたプロダクトを送り出しているS1NEO・599D(S1ネオ・599D)を副編・山口がチェック!
ロングライドにも最適なディスクブレーキロード、599D
S1ネオはフランスの新興ブランドながら、トラック競技の世界記録保持者であるフランソワ・ペルビスを開発のメンバーに迎えるなど、品質に優れたプロダクトを送り出している。ロードバイクをはじめ、トラック、MTB、トライアスロン、シクロクロスと多岐にわたって製品を展開する総合メーカーだ。デザインと塗装はフランスで行うこだわりにより、高い品質を維持している。
新たに生まれ変わった599Dは、2018年の夏に同社の社長で創業者のジョアニー・デルマスがル・マン24時間ヴェロでテストしたモデルであり、ロードバイクのスタンダードとして位置付けられるモデルだ。理想の性能を引き出すまでに幾度となく金型を作り直し、見た目のシルエットとは裏腹にコンフォート性能も高められたディスクブレーキロードバイク。
従来モデルよりもダウンチューブのボリュームを確保し、チェーンステーも左右非対称形状に変更した。これにより剛性を向上するとともに、安定感の増した走りを手に入れた。
トップチューブにある「フォロー」はデザインの名称であり、599Dではこのほかに4種類のデザインパターンを用意する。さらにインターネット上で好みの仕様に仕上げられるマイS1ネオを使えば、より細かなカスタマイズが可能になるなど、自分だけのバイクを手にすることができる。
パワー伝達に重要なダウンチューブは幅を広げて横方向の剛性を確保。DI2のジャンクションはダウンチューブのBB近くに設ける。
トップチューブは剛性と柔軟性を巧みにコントロールする形状を採用。
細身で振動吸収性に優れるシートステーは、シートチューブの上端より下部に接続することでシートポストのフレックス性も高めた。
先端部で後方にオフセットしたフォークで振動吸収性を高めた。
S1ネオ
599D
33〜40万円(フレームセット/税抜)
※デザインにより異なる。フォローモデルは38万円(税抜)
■フレーム:TH800HMカーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2 ■ハンドル/ステム:S1ネオ・コックピットグラール ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:プロロゴ・ナゴ ■ホイール:マヴィック・コスミックエリートUSTディスク ■タイヤ:マヴィック・イクシオンプロUST ■サイズ:S-49、M-52、L-54、XL-57、2XL-60 ■デザイン:フォロー、アセント、ネクスト、バーサス、メタル ■編集部実測重量:8.1kg(Mサイズ/ペダルレス)
シルキーな乗り味の扱いやすいロングライドモデル
副編・山口がインプレッション
見た目のエアロなフレームボリューム。そして、S1ネオというトラックバイクの世界チャンピオンが乗るバイクブランドイメージに反して、この599Dはロングライドをターゲットとした、しっとりとした乗り味だ。
メインフレームはしっかりとした剛性をもちながらも、フロントフォーク、リア三角をしならせることでシルキーな乗り味を楽しむことができる。またこのしなやかさと、シートアングル73°(Mサイズ)という少し寝かせたフランス車らしいジオメトリーを生かすことで、平地を快適に巡航できる。さらに重心も低く、ハンドリングも安定志向なので、これから本格的にロングライドを楽しみたいというエントリー層にもお勧めしたいバイクだ。ヘッドチューブも試乗車のMサイズで155㎜と長いため、アップライトなポジションがとりやすい。
メインフレームは中身の詰まった感じで高い剛性があり、路面からの衝撃によってハンドルを取られることなく扱いやすい。いっぽう、フレームの剛性が横には硬めなので、ヒルクライムではバイクを横にこじらせながら進ませるよりも、左右にゆっくりと倒すように振ったほうが進むようだ。
また、オリジナルハンドルはヘッドスペーサーと形状がそろっており、統一感のあるデザインを採用。ハンドルは短めリーチのアナトミックシャロー形状になっており、万人受けするタイプだ。
インプレッションライダー
山口博久
バイシクルクラブ副編集長。35歳からレースを再開。誌面企画で乗鞍1時間切りにチャレンジし、2年めに58分台で走りきった。ロードレースやシクロクロスでも、国内トップカテゴリーでレース活動を行っている。
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問:S1ネオジャパン https://s1neo-japan.com
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PROFILE
バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。