【欧州鉄道輪行の旅】副編・山口のGF世界選手権チャレンジ

今回、ポーランド、副編・山口はポズナンで開催されたUCIグランフォンド世界選手権に参加してきた。
ニセコクラシックでかろうじて予選を通過した副編・山口。予選を通ったならできれば世界選手権に参加したかった。さらに日本からは高岡亮寛さん、さらに紺野元汰、小橋勇利さん、岡泰誠さんといって強豪選手が参加するとあってその活躍も楽しみもあり、これはもう無理をしてでもいくしかないということで挑戦させていただいた。その活躍はすでにお聞きのとおりで、高岡亮寛さんが40-44歳カテゴリーで3位、紺野元汰さんが19-34歳カテゴリーで3位という大活躍だったので、その現場を見れたのはうれしかった。

今回はその世界選手権、そのあとに続くユーロバイクショーまでの道中を紹介していく。

40-43歳カテゴリーで3位入賞した高岡亮寛さん(中央)。チームメイトの福田昌弘さん(右)と長島純郎さん(左)とともに日本からの直行便でドイツ(長島さんのみウイーン経由で電車を使って)、ミュンヘンまで移動し、レンタカーで現地入りした。「空路では乗り換えを少なくすることもロストバゲッジ対策になります」と海外遠征経験豊富な長島さん

ポズナンまで自転車をもっていくのが戦いだった⁉

日本から参加した各選手にとって、ポーランド、それもポズナンまで飛行機で自転車を持っていくというのがちょっとしたハードルになっていた。

というのもポズナン空港が小さく、世界中から自転車を持ってくるライダーが殺到した。そこで、ポズナン空港を利用した選手たちは飛行機の日程を調整したり、中には自転車をフレームとパーツ、そしてホイールに細かく分解し、通常荷物にして預けなんとかポズナンまでバイクを持ち込むなど、なんらかの工夫が必要だった。

副編・山口は比較的余裕のあるドイツ、ベルリン空港まで空路を利用し、無事ロストバゲッジすることなく輪行袋を受け取ることができた

こんな事態を予想して、副編・山口はあえてドイツ、ベルリンまで空路で移動し、そこから鉄道による輪行旅をすることにした。ポーランドはドイツの隣国、さらにベルリンからポズナンまでは240㎞ほどと、鉄道を使っても3時間ほどで移動できる距離なのだ。

ヨーロッパで鉄道を使うなら便利なユーレイルパス

ベルリンからポズナンまでは座席指定の必要なEC(ユーロシティの略)を利用した。

ベルリン中央駅は立体になっており、地上2階から地下まで線路がクロスしている驚きの構造だ。で、列車を間違わないように案内看板に従いホームへ向かい、ベルリン中央駅発5時43分発のワルシャワ行きの列車に乗り込む。

駅にある電光掲示板には列車の行き先、さらにホームのどの位置に停車するかが表示される。今回はポーランド、ワルシャワ行きに乗ってポズナンへ向かった

ベルリンを出ると早々に車掌さんが検札にやってきた。

今回は通常のチケットではなくはじめてヨーロッパで最大31か国で、1日ごとに乗り放題になるユーロレイルバスを使ってみた。というもの副編・山口の場合、世界選手権のあとにドイツ国内で開催されるユーロバイクショーへ取材に行く予定もあり、3日分鉄道での移動を予定していたからだ。

上がユーレイルパス。正確にはユーレイルパスには種類があり、今回利用したのはユーレイル・グローバル・パス・フレキシーの3日を利用した。これは1カ月間有効で、その中で好みの3日間、一等車が乗り放題になる。さらに写真下にあるのが座席指定券。予約の必要のない列車なら上のユーレイルパスのみで利用できるが、予約の必要な列車では予約券が必要。通常の列車であれば5から10ユーロほどになる。

副編・山口使ったパスは3日間有効で3万4700円ほど(価格はレートにより変動。3日間連続でなくてもよく、日程を選べる)。ポズナンからベルリンの往復が120~140ユーロ(一等)さらに、チューリッヒまで約250ユーロかかることを考えると割安だ。それ以外の特典として、ドイツはレンタサイクル、シティカード、ホップオンホップオフバス、フェリー、ホテルの割引があり、ポーランドもフェリーの割引(おもにスウェーデン方面行きの国際線)などがある。

例) 副編・山口の今回の旅程

1日目 BELRINーPOZNAN 約60~70ユーロ

2日目 POZNANーBELRIN 約60~70ユーロ 

     BERLINーZURICH 約250ユーロ

3日目 ZURICHーKREUZLINGEG 約25ユーロ

合計 395~435ユーロ(約4万7000~5万2000円)

(1ユーロ=120円、1等で計算。時期により異なるのであくまでも参考までに)

車掌にユーレイルパスと、列車によっては必要になる予約券両方を提出するとスタンプを押して戻してくれた。この列車の場合は自転車をそのまま載せることはできないので、輪行袋に入れて持ち込むことにした。

6人掛けの1等席のコンパートメント。朝5時発の列車はさすがに空いていた。車掌によると、「どうやら本来ならば専用のスペースに置くことになるが、座席に余裕があるから席の近くに置いておいてもいいよ」許してくれた。

 

列車によってはコーヒーのサービスがあるほか、車内販売や食堂車での食事も可能だ。途中ドイツからポーランドへ、国境を超えると、パスポートの確認があり、車掌さんが交代する。同じEU内でもこうしたチェックがある。ポーランドでは通貨がユーロではなく、ズロチが使われている

ユーレイルパスについて詳しくはこちらへ

レイルヨーロッパ: www.raileurope.jp

ヨーロッパ鉄道公式ガイド: www.railguide.jp

無事にポズナンへ到着あとはレース準備

ひたすら草原の続くベルリンからポズナンまでの旅。グランフォンド世界選手権のコースはまさにこの草原で行われ、驚くほどまっ平なコースだった。こうして3時間ほどの鉄道の旅は終わり、無事ポズナンへたどりつくことができた。

会場ではライセンスを提出し、ゼッケンやパンフレットのほかボトルなどの協賛品を受け取る。日本とほぼ同じ流れだ

イベント会場は駅の目の前。会場でバイクを組み立てるが、飛行機でのトラブルもなく無傷で準備することができた。トルクスレンチを忘れるという失敗をし、現地でシマノのメカニックサポートの助けをお借りした。

シマノのニュートラルサポートを利用する日本人ライダー。空輸で預けた際にエンドが曲がり、DI2の変速がおかしくなっていたという

飛行機輪行のポイント

今回、飛行機へ乗せ、さらに鉄道輪行ということで、オーストリッチ・OS500(バイシクルクラブバージョン)を使用した。テクニックはいろいろある。「ポジションを絶対いじりたくないです。だから、シーコンでしょ」という高岡さんの意見もあるが、自分のように旅を楽しみながら移動する場合には、最悪ザックに括り付けて持ち運べるOS500のメリットが魅力だった。

OS500はこのサイズに折りたためるので、旅しながら使うには便利。バイクはバッソ・ディアマンテディスクでの参加。油圧ブレーキ仕様だが空路でも問題なかった。

ディレイラーハンガーを外し、カンパニョーロ・EPSのコードごと抜いておいた。飛行機輪行の場合、エンドやシフトレバーなど角が当たっても大丈夫なようにするのがポイントだ

ディスクブレーキ仕様の場合はローターも外しておく。フレームに当たって傷づけるほか、ローター自体が曲がることも防げる

(続く)

さらにグランフォンド世界選手権の内容はバイシクルクラブ11月号でお伝えする

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PROFILE

山口博久

BiCYCLE CLUB編集部

山口博久

バイシクルクラブ副編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で 入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。ただ、44歳を迎えた現在では体力の衰えをカバーしつつも、ロードレースやグランフォンドを楽しむため機材や身体のケアを研究している

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