S1NEO(S1ネオ)・CX02|ニューモデルインプレッション
山口
- 2019年12月19日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回はレース現場から得られたリアルなフィードバックを製品作りに反映しているS1NEOのシクロクロスバイク、S1NEO・CX02(S1ネオ・CX02)を編集部の山口がテスト!
レーサーの意見を反映した
フレンチシクロクロスバイク「CX02」
2019年11月で創業から10周年を迎えたフランスのS1ネオ。社名は唯一を意味する「S1」に革新的な新しさの「NEO」を組み合わせたものだ。ロードレースの競技経験をもつ創業者のジョアニー・デルマスによって、ロードやトラック、MTBにシクロクロスと、大規模ではないもののスポーツバイクの多くをカバーする総合ブランドとして成長してきた。
そのなかでもチームにバイクの供給を行うなど同社が力を入れているのがシクロクロスだ。11度のフランスナショナルチャンピオンを獲得し、ロードではグランツールでも活躍したレジェンドライダー、フランシス・ムレイを擁するS1ネオコネクトチームをサポート。レース現場から得られたリアルなフィードバックを製品作りに反映している。
S1ネオのシクロクロスバイクはCX01とCX02の2モデルをラインナップする。CX01はリムブレーキ仕様のレーシングバイクで、今回インプレッションを行うCX02はCX 01をさらに発展させてディスクブレーキ化したモデル。チームに供給されるのもディスクブレーキ仕様のCX02であり、デビュー当初のクイックリリース仕様から2019年モデルでスルーアクスル仕様へと変更されるなど、改良が施されている。フレーム素材には、剛性と弾性のバランスがシクロクロスバイクにマッチするT700のUDカーボンをメインに採用。フレームの各部に最適なレイアップが施される。
フレームの生産はアジア地域の工場で行われるが、製造の最終工程である塗装と確認作業をフランスの自社工場で行うことで優れたクオリティを保っている。塗装を自社で行うメリットを生かして展開するのが「マイS1ネオ」のカラーオーダープログラムだ。ユーザーは専用のウエブページから細かな仕様を視覚的に判断、決定してオーダーすることが可能で、世界でただひとつのバイクを手にすることができる。
S1ネオ
CX02
33万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:UD T700カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2 ■ハンドル:デダ・スーパーゼロ ■ステム:デダ・スーパーゼロ ■シートポスト:デダ・ゼロ100 ■サドル:サンマルコ・スクアドラノワール ■ホイール:マヴィック・コスミックプロカーボンSLチューブラーディスク ■タイヤ:チャレンジ・リムスチューブラーチームエディション、28″×33mm ■サイズ:XS、S、M、L、XL ■試乗車重量:7.8kg(S/ペダルレス) ※スペックは試乗車の仕様
細身のシートステーがサスペンション機能を果たす
副編・山口がインプレッション
路面からの突き上げを見事に吸収してくれるのが、CX02の特徴的な細身のシートステーだ。路面のきれいなロードとは異なり、サスペンションのないシクロクロスでは、路面からの衝撃によりバイクが跳ねてしまう。「跳ねる」ということは、その分の推進力が、前ではなく上方向に向かってしまうことを意味し、まさにロスにつながる。通常はライダーのテクニックで衝撃を逃がすが、CX02はそのぶんシートステーが働いてくれる。今回、弱虫ペダル幕張クロスに2日間出場したが、凸凹のある芝生も快適に走ることができた。
さらにトレーニング不足のため通常ならば腰に負担がかかるところを、セーブしてくれたのはまさにシートステーのおかげだといえる。忍者返しの激坂では、あきらめて担いで上っていたが、思っている以上にトラクションを稼いでくれたので、レース後半で乗って上れることに気がついた。
また、シートステーに対して、ダウンチューブからチェーンステーにかけては十分な剛性をもっており、パワーロスする感じはない。
ヘッドまわりの剛性も高く、さらにフォークは硬すぎず、柔らか過ぎずバランスがよく、ドロップオフでも臆することなく突っ込んでいける。ハンドリングも素直で、コントロールもしやすく、芝のスラロームもスムーズにこなせる。
インプレッションライダー
山口博久
かつてはロードではJプロツアーを走った経験をもつ編集者。シクロクロスではかろうじて、国内最高峰カテゴリーC1でブービー争いを展開する。
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問:S1ネオジャパン https://s1neo-japan.com
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PROFILE
バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。