
【バイシクルオブザイヤー2020】WILIER TRIESTINA・ZERO SLR

Bicycle Club編集部
- 2019年11月25日
今年も始まった「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2020」!
栄えある栄冠はどのバイクに!? 選考委員会による10台のインプレッションをレポートする。
勝利をつかみ取るためのスペックが随所にちりばめられた純レーシングバイク
100年以上の歴史をもつイタリアの老舗ブランド、ウィリエールが手がけるディスクブレーキフラッグシップモデルがゼロSLRだ。フレーム単体重量で780gの軽さを実現し、電動コンポーネント専用とすることでケーブルを完全に内装するなど、旗艦モデルにふさわしいレーシングスペックが与えられた。素材も日本企業3社のカーボンを独自にブレンドしたハスモッドカーボンを用いて、リキッドクリスタルポリマーを併用することで、耐衝撃性や振動吸収性、ねじり剛性を向上。その効果は絶大で、従来モデルのゼロ7(セッテ)より重量剛性比を24%アップさせることに成功している。フレームだけでなく335gの超軽量を実現したステム一体のゼロインテグレーテッドハンドルバーを同時開発。前述したケーブルの内装化や、軽量化に大きく貢献している。また素早いホイール交換を可能とするマヴィックのスピードリリースを採用。レースバイクとして勝利をつかみ取るためのスペックが随所にちりばめられるのがゼロSLRなのだ。
ウィリエール・ゼロSLR
Spec.
●84万円(完成車/税抜)
●フレーム:HUS-MODカーボン、三菱65Tカーボン、L.C.P
●フォーク:カーボン
●コンポーネント:シマノ・アルテグラDI2
●ホイール:シマノ・RS770
●タイヤ:アリスン・ビテスC2ウルトラ
●サイズ:XS、S、M、L、XL
●実測重量(ペダルレス):7.24kg(S)
官能性能を極めるのもバイクの正義
【IMPRESSION RIDER】浅野真則
見た目の印象はオーソドックス。しかし、ひとたび走り出すとピュアレーサーと呼ぶにふさわしい軽快な走りが味わえ、コーナリングでは足まわりのスタビリティの高さがもたらす切れ味の鋭さも堪能できる。アメリカンブランドのバイクのように革新的な機構を備えているわけではないが、そのシンプルさが軽快な走りにつながっていると感じさせる。理詰めで性能を極めたバイクとは対極にあるが、官能性能を極めたバイクもまた正義だと思う。そのよさは乗らなければわからない。
頼もしい安定感でつねに攻めの姿勢でいられる
【IMPRESSION RIDER】松尾修作
特筆すべきはその軽さ。パワーをかけるとしっかりと受け止め、飛ぶように加速する。アッセンブルされたホイールスペックが高くないだけに、その走りは驚異的。乗っていて笑みがこぼれるほどだ。軽量バイクにありがちな腰砕け感はまったくない。新素材とディスクブレーキが効いているのだろう、頼もしい安定感でスプリントから高速の下りまで、つねに攻めの姿勢でいられる。扱いやすく、誰もが享受できるクセのなさも評価のポイントだ。
問:服部産業
www.wilier.jp
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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