CIPOLLINI(チッポリーニ)・ボンド2|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2019年12月30日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、オールラウンダーとして位置づけられるボンドがフルモデルチェンジした、CIPOLLINI・BOND2(チッポリーニ・ボンド2)を管洋介がテスト!
あらゆるサイクリストに対応するオールラウンダー、ボンド2
ツール・ド・フランスで通算12ものステージ優勝をあげたイタリアのスプリンター、マリオ・チポッリーニが2011年に立ち上げたのが自身の名を冠したバイクブランドだ。チポッリーニ自身のレースでの経験とイタリアの職人による技術を融合したバイクは、レーサーのみならず、情熱的なサイクリストに向けた製品として展開される。
オールラウンダーとして位置づけられるボンドがボンド2としてフルモデルチェンジを果たした。カーボン素材をT700からT800へとグレードアップして軽量化。リアバックの形状を大幅に変更することで、振動吸収性を従来比で12%高めた。
同時に剛性も向上させることで、チポッリーニバイク全体に共通した「ペダリング推進力を逃がさない」コンセプトにさらに磨きをかけている。
高弾性のT800カーボンを3Kカーボンで仕上げたフレームは積層を見直すとともに、各部のエアロ形状をさらに強めた。振動吸収性を増したリアセクションは、クロスボウファンクションと名付けられ、シートステーの接合部を下部にオフセットし、チェーンステーを含めて積極的に振動吸収性を発揮する形状へと進化。これによりチポッリーニの持ち味である高剛性を失うことなく、ライダーの疲労軽減と後輪の路面追従性を高めている。
最近はディスクブレーキ仕様のバイクのみで展開されるモデルも多いなか、リムブレーキ仕様もラインナップ。機械式、電動式、無線式コンポーネントのすべてに対応。専用のカーボンシートポストは15mmオフセットを標準とするが、0mmもオプションで用意することで、アタッチメントバーを取り付けてTTやトライアスロンに適したポジションも構築しやすくなった。
多様な趣向のサイクリストに向けたボンド2は、チポッリーニが追求したオールラウンダーの理想型といえる。
チッポリーニ
ボンド2
41万8000円(フレームセット/税抜)※リムブレーキフレームセットは39万8000円(税抜)
■フレーム:T800高弾性カーボン3K仕上げ ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル:ITM・アルコア80 ■ステム:プロ・LT ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:アスチュート・スターライト ■ホイール:マヴィック・キシリウムプロカーボンUST ■タイヤ:マヴィック・イクシオンプロUST 700×28C ■サイズ:XS、S、M、L、XL ■カラー:全5色(+6万円のアップチャージでカラーオーダー可能予定) ■試乗車重量:8.0kg(M /ペダルレス)
加速性能に優れた剛性とシルキーな乗り味が同居している
管洋介がインプレッション
マリオ・チポッリーニが手がけるだけあって、乗る前からレースバイクを操るワクワクした気持ちになるバイクだ。シッティングで踏み出せば、すぐに高い剛性による鋭い加速と直進力の伸びを感じることができる。BBまわりは剛性のなかに弾力のコシを生かしやすい69mmのBBドロップで構成され、踏んだトルクの反動を次のペダリングにつなげやすい印象だ。そして特徴的なのがダッシュやダンシングの瞬間に重心が捉えやすく、フォークに振りまわされずにスムーズにペダルに体重が乗っていくフィーリングだ。これは思わず加速したくなる走行感だ。
そしてT800カーボンのコシのある弾性と高剛性をパワー伝達にムダなく直結させる、ジオメトリーのバランスのよさが際立つバイクだといえる。オールラウンドのレースマシンではあるが、腰が張るような硬さもなく、長時間の走行にも優しい振動吸収の高さがある。スプリンターであるマリオ・チポッリーニのライディングスタイルやブランドのイメージからガチガチの硬い乗り味が先入観としてあったが、いい意味で裏切られた。それくらい振動吸収性の高さが確保されているのだ。
滑らかなシルエットを描くフレームは、優雅なロングライドのイメージも重ね合わせることができ、上質のバイクに仕上げられている。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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