DE ROSA(デローザ)・アイドル|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2020年01月07日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、トップレンジの技術をミドルレンジに落としこんだだけではなく、デローザの哲学と情熱を具現化したモデルに、DE ROSA・IDOL(デローザ・アイドル)管洋介が乗ってみた!
ディスクロードのアイドルが第4世代へ
デローザといえばイタリアで60年以上続くバイクブランド。輝かしい栄光とともにその歴史を積み重ねてきた。日本においても常にロードバイクの憧れとして認知され続けてきた。そんなデローザが2020年モデルにおいて掲げたのがリブランディング。
次の時代へとデローザを継承するため、ブランドロゴを一新。さらに3つのカーボンバイクをデビューさせた。そのなかで重要なポジションに位置するのが、今回インプレッションを行うアイドルだ。
イタリアのクライマーであるステファノ・ガルゼッリとともに時代を牽引した初代を原点とするアイドル。第3世代までカーボンバイクのミドルレンジとして、流麗な曲線美を生かしたフレームワークで多くのライダーを虜にしてきた。ピニンファリーナが手がけたロゴをまとった新作も、最新のテクノロジーを用いながら、脈々と受け継がれた「アイドルらしさ」を感じさせるモデルとして誕生。
上位モデルのメラクでも用いられる、ケーブル類の露出を最小限にしたシルエットは、機能的でありながら洗練された印象を強烈に印象づけるものだ。さらにディスクブレーキを採用する。
ミドルレンジでのディスクブレーキ採用となると、トップモデルからのフィードバックととらえられがちだが、じつはデローザにおいてアイドルはその部分で先駆者となるモデルだ。
デローザで初めてディスクブレーキバイクとして開発されたのが第3世代のアイドルであり、その経験と技術は上位モデルへと継承された。つまりアイドルは単にトップレンジの技術をミドルレンジに落としこんだバイクではなく、デローザの哲学と情熱を具現化したモデルだ。
その立ち位置はトップレンジがフォーカスするレーシングではなく、より裾野を広げ、多くのライダーにデローザらしさを伝える礎的存在といっていい。デローザの踏み出した新たなステージへ向けて象徴となるバイクだ。
デローザ
アイドル
43万円(完成車/税抜)、29万8000円(フレームセット/税抜)
■フレーム:カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・105 ■ハンドル:FSA・エナジーコンパクト ■ステム:FSA・ACRシステム ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:セライタリア・SLR ■ホイール:シマノ・WH-RS170 ■タイヤ:ヴィットリア・ルビノプロ700×25C ■サイズ:43、46、48、51、53、56 ■カラー:レッドルビー、ホワイト、グレーマット ■試乗車重量:9.0kg(48 /ペダルレス)
ロードバイクらしい走行性能と所有欲を満たす外観が同居する
管洋介がインプレッション
高級感のあるルビーレッドの艶やかなカラーリングと、トップチューブからシートチューブへのラインが非常に美しいアーチを描くバイク。とてもミドルレンジとは思えない。その造形美をひと目見ただけで、バイクと一体となって風を切る走行シーンが想像できてしまうほど、高級感あふれるシルエットだ。
その乗り味は直感的なシャープなステアリングを支える、高剛性のフロントまわりがキーとなる。ミドルレンジでありながらデローザがロードバイクに求める性能が惜しみなく実現されており、路面環境を正確に把握し、コントロールを楽しめる軽快なステアリングが印象的だ。また73.9度のシート角と70㎜のBBドロップは腰を落ち着かせてペダリングすることで、どの位置でも踏みやすい。フロントまわりの剛性から細かなバネを利かせたヌケの軽いペダリングフィールを得ることができる。骨盤を寝かせて高回転でペダルを踏んでいくと、軽量高剛性のバイクの持ち味を走りの軽さにつなげられるだろう。
FSAのACRシステムを採用したケーブルレスの外観も所有欲をかき立て、アイドルの醸し出す雰囲気とマッチする。性能面においてもオールラウンダーながらエアロダイナミクスに優れ、あらゆる走りをこなせる相棒として迎え入れたい一台に仕上がっている。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:日直商会 www.derosa.jp
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