RIDLEY(リドレー)・カンゾスピード|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2020年01月14日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、未舗装路を求めるリアルグラベルレーサーにオススメのグラベルロード、RIDLEY・KANZO SPEED(リドレー・カンゾスピード)を管洋介がテスト!
速さを追求したベルギーのグラベルレースバイク
「カンゾスピード」
近年盛り上がりをみせるグラベルロードのカテゴリー。オンロードとオフロードを問わない走行性能によって、これまで舗装路一辺倒だったロードバイクのフィールドを広げ、自由度の高い楽しみかたを提供するのが人気の理由といえる。
このカテゴリーが成熟するなかで、バイクの性能も細分化されているのが最近の傾向だ。バイクパッキングに代表される、ツーリング的な楽しさを追求したものと、速く走れることに主眼を置いたものに分けられ、リドレーのカンゾスピードは後者に当てはまる。
リドレーといえばロードバイクのカテゴリーにおいて、ヘリウムやノアなど、ツール・ド・フランスで勝利を狙うバイクを得意とするベルギーのブランドだ。カンゾスピードもその例に漏れず、フィールドをオフロードにまで拡張しながら、レーシングのテイストをもつバイクとして誕生した。
ターゲットとするのが、アメリカのカンザス州で行われる200マイルを走るダーティカンザに代表されるグラベルレースだ。未舗装路での走行性能とレーススピードを両立するため、マッドガードが取り付け可能ながら、許容するタイヤ幅を36㎜にあえて制限。あらゆる条件において速く走るためのスペックが与えられた。「グラベルながらレーシング」のカテゴリーは、ニッチなセグメントと思われがちだが、じつのところ多くのライダーを受け入れるものだ。長距離であってもキャンプを前提としないワンデイライドであれば、走りに速さやバイクのレスポンスのよさを求めるユーザーは多い。
グラベルレースと聞くとハードな印象がつきまとうが、路面を問わずにロードバイク的に乗れるバイクととらえれば、ターゲットのど真ん中にいるサイクリストは多いはずだ。
未舗装路を求めるリアルグラベルレーサーや、速さを爽快感と感じるライダーに最適なのが、このカンゾスピードだ。
リドレー
カンゾスピード
24万3000円(フレームセット/税抜)
■フレーム:30、24ハイモジュラスカーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル:フィジーク・シラノR3 ■ステム:3T・ARXⅡチーム ■シートポスト:フォルツァ・ストラトス ■サドル:サンマルコ・コンコール ■ホイール:FFWD・F4D-FCC DT350 ■タイヤ:マキシス・レイズ 700×33C ■サイズ:XXS、XS、S、M ■カラー:JP20-07As ■試乗車重量:8.0kg(XS /ペダルレス)
上質な走行性能で拡張性も高いグラベルロード
管洋介がインプレッション
オンオフ問わず、まさにオールラウンドに最高のスピード感でライドを楽しませてくれる一台だ。ボリュームのあるヘッドまわりとストレートフォークは、ディスクブレーキの制動性能を引き立て、あらゆる路面環境において直感的で素早いバイクコントロールを可能にしてくれる。
トルクキャッチはクランク1時あたりから明快になり、後輪の飛びつきの速さが際立つ高剛性だ。シビアなトラクションコントロールが求められるオフロードにおいても、メリハリのある推進力を感じられる。また、扁平形状のシートステーが振動を減衰。長めのホイールベースと低重心を確保するBBドロップによって、直進性の高い巡航性能を確保しており、スピードの伸びを感じながらの気持ちいいペダリングフィールを演出する。
コーナーリングでは路面に吸い付くようにタイヤがグリップする安定感があり、長距離ライドでもノンストレスで走破できる。そして、太めの湾曲したチェーンステーは、後輪追従性を最適化しながら36Cまで対応した十分なタイヤクリアランスを確保している。
グラベルロードとしてブロックパターンのタイヤを履くほかに、エアボリュームの大きいスリックやロードタイヤにカスタマイズしても楽しめる。まさにバイクライフの幅を広げてくれるモデルだ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
ニューモデルインプレッション
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問:ジェイピースポーツグループ www.jpsg.co.jp/ridley
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