ASTER(アスター)・007|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2020年01月27日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は人間工学に基づいた独自のジオメトリーにより設計されるアスターバイクのフラッグシップ、ASTER・007(アスター・007)に管洋介が乗ってみた!
ダブルチャンバーチューブを採用した
フラッグシップモデル「007」
アスターは2008年に台湾で誕生した亜仕大科技股?有限公司が手がけるスポーツバイクブランドだ。世界各国のバイクブランドのOEM生産を手がけてきた技術力をバックボーンとして、高性能なロードバイクを展開している。
レース活動にも積極的で、UCIアメリカツアーに参戦する、ボリビアを本拠地とするUCIコンチネンタルチームの、スターツサイクリングチームが使用。日本においてもアヴェントゥーラサイクリングがチームバイクとして採用している。
人間工学に基づいた独自のジオメトリーにより設計されるアスターのバイク。その頂点に君臨するのが、軽さと高剛性を追求したフラッグシップモデルの007だ。高出力のペダリングやステアリング操作にリニアに反応する特性をもつクライマー向けバイクとして、レースで勝利するために開発されたモデルだ。高剛性を実現するために用いられるのがダウンチューブとフォークに採用するダブルチャンバー構造だ。
これはチューブの垂直方向にIフレームリブと呼ばれる補強を設けた構造で、同社の高度なカーボン成型技術を裏付けるものだ。007は今回インプレッションを行ったリムブレーキモデルのほかに、ディスクブレーキモデルも15万円(フレームセット/税抜)で設定される。
アスターのバイクを語るうえで見逃せないのが価格面でのアドバンテージだろう。自社工場で生産しているからこそ実現できる価格設定は破格といえるものだ。もちろん愛車を選ぶ条件は人それぞれであり、歴史あるブランドストーリーをもつバイクや世界最高峰のグランツールで活躍するバイクには所有する喜びがあるので、相応の価格設定となるのも否定できない。
それと同様に高品質なバイクをなるべく低価格で手に入れたいというユーザーにとって、アスターのバイクはこのうえない選択肢となるのだ。
アスター
007
14万5000円(フレームセット/税抜)
■フレーム:カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・105 ■ハンドル:オリジナルカーボン ■ステム:オリジナルカーボン ■シートポスト:専用カーボン ■サドル:オリジナル ■ホイール:アスター・AS27エンデューロ ■タイヤ:コンチネンタル・ウルトラスポーツ 700×25C ■サイズ:XS、S、M、L、XL ■カラー:ブルー×ブラック ■試乗車重量:7.8kg(S/ペダルレス) ※パーツは試乗車のスペック
あらゆるレースに対応できる高剛性が魅力のバイク
管洋介がインプレッション
アスターは私が代表を務めるアヴェントゥーラサイクリングが採用するバイクだが、インプレッションはニュートラルな視点から評価することを最初にお伝えしたい。
007の特徴は、チューブの中にIフレームリブと呼ばれる独自開発したカーボンの間板を組み込んで、フォークの横剛性とダウンチューブの縦剛性を高めていることだ。トルクに機敏に反応する駆動性能に加えて、安定感のある63mm(Sサイズ)のトレイル量による効果でシャキッとシャープなハンドリングを生み出している。
フロントまわりの鋭く屈強なフィーリングは、BBウイップに明確なコシを作ってくれる。ポジショニングの自由が効くシートアングルと相まって、ハイケイデンスのペダリングでも非常にテンポがとりやすい。
振動吸収性に優れた横扁平のシートステーなど工夫も見られるが、全体的にホイールの性能を引き出しやすい剛性が際立つ。つまりホイールとタイヤのカスタム次第で、ハードに立ちまわるクリテリウムでも長距離ロードレースでも対応可能な汎用性の高さがある。
また鮮やかなグラデーションが施されたフレームデザインも注目すべきポイントの一つ。所有する満足感とレーシーな走行性能、そしてコストパフォーマンスに優れた一台だといえる。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:シックスコーポレーション www.asterbikes.jp
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