FUJI・TRANSONIC SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
ハシケン
- 2020年02月22日
最先端エアロコンセプトを凝縮した文句なしの正常進化
フジのエアロダイナミクス技術の結晶とも言うべきトランソニック。
初代2015モデルから5年のときを経て、
最新のディスクブレーキモデルへと進化を遂げた2020モデルへの変化をみていく
COMPARISON 新旧モデル徹底比較
2000年代に入ると、フジはレーシングバイクとしての成功の証であるグランツールでの数々の実績をあげていった。その第一歩となったモデルがフルカーボンモデルの「SST」と「アルタミラ」だ。
2011年のブエルタ・ア・エスパーニャでは個人総合優勝に貢献した。その後、本格的なエアロロードとして開発されたトランソニックは2014年に誕生。その年のツール・ド・フランスで個人総合7位の活躍をみせ、現在まで世界的なブランドへと成長を続けてきた。
トランソニックは、遷音速(高速の気流の速度)の名のとおり、空力性能を追求したエアロロードだ。新旧モデルで開発コンセプトはブレないが、5年の歳月を経て、翼断面からカムテールチューブへと刷新された。またエアロロードのスタンダードといえるエアロコクピットを新たに採用するなど空力性能の向上に成功。
またカーボン素材も、従来のC10からC15へとグレードを高め、より剛性と軽さを獲得している。そして、ブレーキシステムは油圧ディスクブレーキへ変更し、エアロロードとしての正常進化を遂げている。
TRANSONIC SL
TRANSONIC 1.1 DISC
SECOND GRADE [セカンドグレード]
旗艦モデル「トランソニック1.1ディスク」のテクノロジーを継承する
ミドルモデルの「トランソニック2.5」。ディスク仕様とリム仕様を用意し、
シマノ105完成車のハイパフォーマンスモデルとして注目される
懐が広く、心地よさを残した本格エアロロード
トランソニックのセカンドグレードに位置する2.5は、ディスクブレーキとリムブレーキの2つの仕様をラインナップする。今回は、完成車仕様で36万円(税抜)を実現した、より価格を抑えたリムブレーキ仕様をテストする。
強度に優れるC10カーボンを採用しつつ、エアロダイナミクスを追求したフレーム形状はトランソニック1.1ディスクのテクノロジーをぜいたくに踏襲。
しかし、1.1のようなスパルタンな剛性感は控えめで、エアロフレームでありつつも、心地のよいライドフィールを楽しめた。初速時にも踏み込みやすさがあり、リムブレーキならではのマイルドさがある。想像よりも懐の広さがあり驚かされた。
さらに、左右へのバイクの振りも軽快で、体重が60kg前後の軽量なライダーでもヒルクライムシーンでストレスなく加速を得やすいはずだ。
アッセンブルパーツを信頼性の高いオーバルコンセプトで統一し、スマートさを追求している点も評価できる。専用エアロステムの調整作業も容易で、好みに応じてエアロポジションを取りやすく、これからレースを目指すホビーレーサーにとって、パフォーマンスを引き出してくれる最良の相棒になるだろう。
FUJI TRANSONIC 2.5
INFO
フジ・トランソニック2.5
シマノ105・リムブレーキ仕様 完成車価格:36万円(税抜)
■フレーム材質:カーボン(C10 HMカーボン)
■コンポーネント:シマノ・105
■ハンドル:オーバルコンセプト・790エアロアルミ
■ステム:オーバルコンセプト・790エアロ
■ホイール:オーバルコンセプト・327
■カラー:マットレッド
■サイズ:46、49、52、54、56cm
■完成車実測重量:8.59kg(52サイズ・ペダルなし)
IMPRESSION RIDER
ハシケン
問:アキボウ www.fujibikes.jp
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