LAPIERRE(ラピエール)・ゼリウスSLアルティメイトディスク|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2020年03月09日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は1月のツアー・ダウンアンダーでも活躍したディスクブレーキオールラウンダー、LAPIERRE・XELIUS SL ULTIMATE DISC(ラピエール・ゼリウスSLアルティメイトディスク)に管洋介が乗った!
プロツアーで活躍するディスクブレーキオールラウンダー
「ゼリウスSLアルティメイトディスク」
フランスのUCIワールドツアーチーム、グルパマ・エフデジにバイクを供給するラピエール。フランスを代表する総合バイクメーカーであり、トップレンジのレースバイクを開発する能力も非常に高い。
超級山岳をはじめとしたクライミングを含むステージで強さを発揮するのが、軽量バイクのカテゴリーでフラッグシップに君臨するゼリウスSLアルティメイトだ。ゼリウスシリーズの初代モデルが誕生したのが2010年、そこから3度のフルモデルチェンジを果たし、現行モデルは2019年にデビュー、2020年モデルでディスクブレーキ仕様が追加された。
ただ軽さを追求するだけでなく、エアロダイナミクスや快適性を盛り込んだレーシングバイクとして進化し、ツール・ド・フランスをはじめとしたレースでステージ優勝をあげるなど活躍してきた。
現在のゼリウス最大の特徴といえるのが、シートステーをシートチューブではなくトップチューブへと接続する、3Dチューブラーテクノロジーによる独特のフレーム形状だ。これによって振動吸収性や路面追従性を高めるとともに、横剛性を確保することでペダリングパワーをロスなく後輪へと伝達する。ディスクブレーキモデルにおいては、シートステーからブレーキブリッジが取り除かれたことで、その恩恵がさらに高められている。
昨年のツール・ド・フランスのタイミングでディスクブレーキモデルがチームに供給され、スイスナショナルチャンピオンのセバスチャン・ライヒェンバッハが使用。本格導入となる今シーズンは、1月のツアー・ダウンアンダーで圧倒的多数の選手がディスクブレーキを使用、すでにメイン機材となっている。さらに第3ステージでマイルズ・スコットソンが敢闘賞を獲得するなどの活躍をみせている。トッププロが使用するのと同じバイクが手に入るのがゼリウスSLアルティメイトディスクなのだ。
フロントフォークは中間部で横幅を広げて路面追従性を向上させるストレート形状。試乗車にはレバータイプが付属しているが、実際はレバーレスになる。
テーパードヘッドでフロントまわりの剛性を高めながら、トップチューブは湾曲させることで振動吸収性に優れた乗り味に貢献する。
ペダリングの力を効率的に受け止めるために、トップチューブからハンガー部、チェーンステーまでのボリュームは十二分に確保される。BBはプレスフィットを採用する。
3Dチューブラーテクノロジーによるフレーム形状は、シートステーがトップチューブに接続され、シートチューブから完全に独立する。これにより振動吸収性と路面追従性を生み出しながら横剛性も確保する。
ラピエール
ゼリウスSLアルティメイトディスク
36万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:ゼリウスSLアルティメイトカーボン ■フォーク:ゼリウスSLアルティメイト100%カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル:イーストン・EC90SLX ■ステム:イーストン・EA90 ■シートポスト:イーストン・EA90 ■サドル:セラロイヤル・セタ ■ホイール:イーストン・EC90 SLディスク■タイヤ:ドネリー・ストラーダLGGチューブラー 700×25C ■サイズ:46、49、52、55 ■カラー:FDJ ■試乗車重量:7.5kg(49 /ペダルレス)※パーツは試乗車のスペック
剛性と振動吸収性を高次元で両立したオールラウンダー
管洋介がインプレッション
ゼリウスの特徴である弓状のトップチューブのアーチは他を圧倒する美しさと振動吸収性、さらにペダリングに対する横剛性をもち合わせる。そしてシャープな切れ味かつ、ハブ軸をつかみ懐の深いステアリングを生み出すオーバル形状のフォークとの組み合わせは、駆動力をしっかりと支えるダウンチューブとチェーンステーの剛性に絶妙に噛み合っている。
このバイクが得意とするのは、ヒルクライムはもちろんのこと、絶え間ないアップダウンの連続とタイトなコーナーが続くタフなシチュエーションだ。ペダリングのパワーをしっかりと受け止めて駆動力へと変換するのが体感でき、トルクフルに踏み込んでいくライダーには、このバイクのサポート感がたまらない。さらに意のままに操れるコーナリング性能も武器にできる。ブレーキングのストレスを最大限に排除できるディスクブレーキとのマッチングもよく、どこまでもバイクを相棒に乗り越えられていけるようなポジティブなライディングシーンを思い浮かべてしまう乗り味だ。
軽量バイクならではの浮遊感とともに高い巡航性能を持ち合わせる。世界レベルのレースでの活躍がその性能を実証しているが、一般のライダーにおいても軽やかなライディングが楽しめる一台だといえる。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴23年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:東商会 www.eastwood.co.jp
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