SCOTT・ADDICT SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
ハシケン
- 2020年03月21日
長年培った軽量化のDNAを継承しつつ、エアロを融合
長らくスコットの軽量レーシングモデルとして活躍してきたアディクト。
初代、第2世代、そして第3世代までの進化をたどる
COMPARISON 新旧モデル徹底比較
スコットの軽量ロードの傑作はフレーム重量840gを実現したCR1に遡ることができる。当時、同社がいち早く軽量化の開発に着手していたことを物語る名車だ。
そのCR1で培った技術をベースに、各社の軽量化が熱を帯びる中で2007年に登場したのが初代アディクトだ。フレーム重量790g、フォーク重量330gは当時の最軽量フレームであり、軽量ロードのベンチマークになった。また、剛性レベルも高くレーシングバイクとして一時代を築いた。
5年後には、待望の第2世代へと生まれ変わり、トップモデルの素材には高弾性カーボンのHMX-SL(東レ製T1100G)を新たに採用。
さらなる軽量化を実現しつつ、エアロロードのフォイルに採用される「F-01」カムテールチューブを融合するなど空力性能を強化して、オールラウンダーとしての新たな方向性を示した。HMX-SLのフレーム重量は710gを実現。
2017モデルからはディスクブレーキ仕様が展開され、6年ぶりのフルモデルチェンジとなった2020モデル(第3世代)ではフレーム設計が一から見直され、ディスク専用設計として全方位に進化をとげている。
ADDICT R1
ADDICT SL
ADDICT RC PRO
SECOND GRADE [セカンドグレード]
全6モデルの完成車を展開するアディクトRCシリーズ。
そのなかでもっともコストを抑えたアディクトRC30のオススメ度と実力をチェックする
プロスペックのトラクション性能が手に入る実力派
どのブランドもミドルグレード以下のフレーム素材には廉価なカーボンを採用し、コストを抑える傾向にある。ところが、アディクトRC 30は、フレーム素材自体はミッチェルトン・スコットチームの乗るアディクトRCプロと同様のHMXカーボンを採用する。
素材だけでなくケーブル内装化をはじめ基本設計も同じため、非常にコストパフォーマンスが高い。その上で、完成車としての実力をチェックするとおもしろい。
ゼロスタートの初速には多少のパワーが必要で、トルクフルに踏み込むとエントリーレーサーは踏み負けてしまう可能性さえある。それほど高い剛性レベルにあり、初速だけは高めのケイデンスを意識するとスムーズに進み出せる。上位モデルとはやや踏み出しの性質が異なる。
一方、ひとたび加速すれば、スペック以上の軽さが感じられ、わずかにトルクを高めるだけでプロ仕様の完成車に限りなく近い加速力を得られる。
また、ダンシングでのリズムの取りやすさはアディクトの特長であり、けっして軽量な足まわりとはいえないなかでも剛性に支えられた高いトラクション性能は健在だった。これは登坂シーンに限らず、ダッシュがかかるようなレースシーンでアドバンテージを稼げるはずだ。
SCOTT ADDICT RC 30
INFO
スコット・アディクトRC 30
完成車価格:46万8000円(税抜)
■フレーム材質:HMXカーボン
■フォーク材質:HMXカーボン
■ハンドルバー:シンクロス・クリストン iC 1.5コンパクト アルミ
■ヘッドセット:シンクロス・アディクトRCインテグレーテッド
■シートポスト:シンクロス・ダンカン 1.0エアロ
■コンポーネント:シマノ・アルテグラR8000
■ホイール:シンクロス・RP2.0 ディスク
■タイヤ:シュワルベ・ワンRace-Guard Fold(28C)
■完成車実測重量:7.98kg(Sサイズ・ペダルなし)
問:スコットジャパン www.scott-japan.com
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