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ミシュランから新タイヤパワーカップ・クリンチャー試乗レビュー|MICHELIN

ミシュランのロードバイク用タイヤNEW「パワーカップ」にラインアップが追加された。ここでは新たに登場したクリンチャータイヤの試乗レビューを管 洋介さんがお届けする。

時代を先取りしてきたミシュランのクリンチャータイヤ

1980年代、チューブラータイヤ主流のロードレース界にクリンチャータイヤを登場させたミシュラン。以降、ハイエンドのクリンチャータイヤ「Axial pro」の発表、2002年には「PRO RACE」をリリース、モチっとしたグリップが印象的であった初代から4世代かけてバランスの良い剛性・耐久性を持ち合わせるレースタイヤへ進化させてきた。そして2016年、転がり抵抗とグリップ、耐久性を大幅に向上させたPOWERシリーズのリリースが冠を変えて登場。強度、防弾・防刃性に優れ防弾チョッキの素材として知られるアラミド繊維シートを耐パンクベルトに採用。過酷なステージレースにも耐えうる信頼を確立したモデルとなった。

2022年に登場したPower CUPは2016年の発表以来3代目の進化を遂げた全天候型ハイエンドレースタイヤ。ラインアップはクリンチャー、チューブレスレディ、チューブラーの3種類、それぞれケーシングの層数をタイヤの特性に合わせて2~4層、耐パンクベルトの配置を変え異なるタイヤ構造で最適化している。また、同社MTBのコンパウンドとして採用しているGUM-Xテクノロジーを共通して組み入れているのが特徴だ。

今回試乗レビューをお届けする、POWER CUPクリンチャーは3層に重ねた120TPIのケーシングの下にアラミド繊維の耐パンクベルトを備えた構造。チューブラーやチューブレスに負けないしなやかさを再現したクリンチャーモデルとなっている。サイズのラインアップは700 x 23C (205g)、700 x 25C (215g)、700 x 28C (240g)の3種類で非常に軽量な仕上がりも魅力的だ。

ミシュラン・パワーカップ 25C クリンチャー

価格:8,690円

ケーシング:120TPI 3層、GUM-X TECHNOLOGY
カラー:ブラック
サイズと平均重量:700x23C(205g)・700x25C(215g)・700x28C(240g)

管 洋介がインプレッション「軽さと、適度な剛性のあるレーシーな印象」

テストはウェットとドライ、ソフトな路面と硬いアスファルト、立ち上がりのダッシュ 高速域のダッシュ、巡航、コーナーリング、ブレーキング あらゆる面でテストしてみた。

タイヤの剛性とグリップとのバランスが良く、トラクションを生かした駆動力に手応えを感じながらの走行は非常に力強い印象。走行音に耳を傾けるだけでこのタイヤの接地面のグリップに信頼をおけるのはコーナーに向かうライダーにとって大きな安心感を得ることができる。それでいて、グリップの抜けが軽いのはタイヤの変形が素早く戻るコンパウンドのレスポンスと剛性とによるもの、常にフレッシュな駆り心地がレースシーンでは大きなアドバンテージとなる。

今回は気圧を6barに設定して試乗した

バイクを振った際の立ち回りは、グッと路面にかみ込んだバネで素早く路面を蹴り返すエッジの効いた感触。攻撃的でアグレッシブな走りがこのタイヤを履くことで演出できる。当然コーナーリングでもこの性能は遺憾なく発揮され、ズバッと切り込むタイトなラインへの進入への立ち回りの軽さ、路面をかんで横Gに負けずにラインを保ち、立ち上がりの加速は軽量で足抜けが早くグリップの効いたトラクションを使って力強く注力をスピードに変えてくれる。そして、25Cで215gと超軽量な作りと剛性のマッチングで駆動の軽さを常に感じ得ることができ、高速巡航のパフォーマンスを大きく支えてくれる。

管 洋介

現役ロード選手でありながらチーム監督やフォトグラファーとしての顔ももつ。ホイールのインプレッション経験も豊富で、ローハイトの軽量モデルから、高ハイトのエアロモデルまで、使用条件を考慮しながら評価する。

問:日直商会
nichinao.jp

フカヤ
www.fukaya-nagoya.co.jp

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PROFILE

管洋介

Bicycle Club / 輪界屈指のナイスガイ

管洋介

アジア、アフリカ、スペインなど多くのレースを走ってきたベテランレーサー。アヴェントゥーラサイクリングの選手兼監督を務める傍ら、インプレやカメラマン、スクールコーチなどもこなす。

管洋介の記事一覧

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