MTB全日本選手権と世界選の日程がWブッキング! UCIがMTBレースの新カレンダー発表
Bicycle Club編集部
- 2020年05月18日
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5月16日、UCI(世界自転車競技連合)がMTB(マウンテンバイク)のUCIワールドカップと世界選手権の新しいカレンダーも公開した。6月にドイツで予定していたクロスカントリーオリンピック(XCO)のUCI MTB世界選手権が10月に変更となり、当初秋田県田沢湖で予定していた全日本選手権の日程と重なることが判明した。さらに秋にワールドカップが過密スケジュールとなる。そこでオリンピアンの山本幸平選手、MTB日本代表チーム鈴木雷太監督に話を聞いた。
また、UCIでは同じオフロードのくくりになるシクロクロスについてもコメントを出しているが、スケジュールは未定のままになっている。
クロスカントリーの世界選手権は10月にダウンヒルと同時開催に
写真は伊豆の日本CSCで開催された五輪プレイベント
2020クロスカントリーUCI MTB世界選手権は当初6月26日~28日の期間ドイツ、アルプシュタットで開催予定だったがキャンセルとなった。そして代替スケジュールは2020年10月5日から11日にオーストリア、レオガングで開催される。
これはもともとレオガングで開催予定だったダウンヒル2020 UCIマウンテンバイク世界選手権とUCIパンプトラック世界選手権にクロスカントリー競技(XCO、クロスカントリーリレー、Eマウンテンバイク)を追加しての開催だ。
MTB関連競技のUCI世界選手権スケジュール
8月23日
2020 UCI MTBエリミネーター世界選手権 ルーベン(ベルギー)
9月10〜11日
2020UCI 4クロス世界選手権 ヴァルディソーレ(イタリア)
10月5日~11日
2020UCI MTBクロスカントリーMTB世界選手権
ダウンヒル2020 UCI MTB世界選手権
UCIパンプトラック世界選手権
オーストリア(レオガング)
10月24〜25日
2020 UCIMTBマラソン世界選手権 サカリヤ(トルコ)
2020年シーズンのUCIMTBワールドカップの日程
同時に2020年シーズンのUCI MTBワールドカップの日程も発表された。
当初シリーズは10ラウンドで構成されていたが(クロスカントリーオリンピック、クロスカントリーショートトラックは6ラウンド)、ダウンヒルでは8ラウンド)。パンデミックの影響で4大会が主催者によりキャンセルされた。9月から11月まで開催されるカレンダーでは6つの開催地で行われ、そのうち3つの大会では同開催地で2つのラウンドを連戦として開催することになる。
2020メルセデスベンツUCI MTBワールドカップカレンダー
9月5日~6日
スイス、レンツァーハイデ(XCO / DHI)
9月12〜13日
イタリア、ヴァルディソーレ(XCO / DHI)
9月19〜20日
フランス、レジェ(XCO / DHI)
9月29~10月4日
チェコ共和国、ノベメストナモラベ(XCO)2ラウンド
10月15~18日
スロベニア、マリボル(DHI)2ラウンド
10月1日〜11月1日
ポルトガル、ロウサ(DHI)– 2ラウンド
中止となる大会
ロシニ(クロアチア)、フォートウィリアム(イギリス)、ヴァルノードパルアリンサル(アンドラ)、モンサンタンヌ(カナダ)
「世界選手権前にレースが集中!」(山本幸平)
北京、ロンドン、リオと3回連続オリンピックに出場している山本幸平選手。 東京五輪のテストイベントでは日本勢唯一の完走を果たしている。PHOTO:Dream Seeker Racing Team
この新スケジュールについて山本幸平選手(Dream Seeker Racing Team)に聞くとこうだ。
「ワールドカップと世界選手権大会が5週間で6戦あると言うことで、今までにない濃厚なレース開催になるので考えただけでも興奮します! 全世界中のライダーが同じ状況で挑む特別なレース開催になると思うので、ベテランらしい味のあるタフなレース展開をしたいと思います」
世界中のトップ選手が9月5日から、毎週のようにレースと遠征をこなすことになる。まさにレースの前にレースが始まる展開だ。
「東京オリンピックまでは、1年延びましたが、準備期間が伸びたのは嬉しい事です。心身への影響はプラスでしょう。後はスポンサー達と、しっかりと活動計画を話し合い、力を出せる行動をとって挑みたいと思います}
と、山本選手は東京2020に向け、準備期間が増えたことを前向きに考えている。
動き出したことはいいこと、ただし懸念もあります
(MTB日本代表チーム鈴木雷太監督)
今回のカレンダー発表についてMTB日本代表チーム鈴木雷太監督に話を聞いた。
「まず、UCIのカレンダーが発表されて、再開へ向け希望が見えてきたのはうれしいことです。
ただ、懸念はいくつかあって、確かにいまのままでは全日本(選手権)と世界選の日程が重複しています。UCIのルール上、国内選手権と世界選手権の重複はないので日程調整の必要はでしょう。さらに、国内レースのカレンダーが出ていないので、世界選の代表選考をどうするか? といったことなど先が読めないこともあります。
このほか、コロナウイルス感染症がヨーロッパは収束に向かいはじめてますが、アフリカなど世界的な状況が読めないところがあります。UCIは世界全体をみて判断しているので、このまま進めるかどうか、わからない点もあります。ただ、我々がいまできることはカレンダーに合わせて調整をスタートし、事態が変わったらその都度対応ということになりそうです。
日本チームとしてはレースへ向け宿の手配や、予算の調整などやれる準備を始めています。そして、各選手はワールドカップのどのレースに出て、世界選手権へ向けてトレーニングを調整していくことになります」
各国の国内選手権は各国の自由に
いまのままでは世界選手権と全日本選手権の日程が重なる
UCIはMTBの国内選手権の日程について各国連盟が自由に決定できるとし、さらに各国選手権のポイントが2020年12月31日のUCIランキングに反映されることを明確にするという。
現在、日本の国内選手権10月9日~11日の日程で、ダウンヒルとクロカントリーオリンピックを秋田県・仙北市 田沢湖で、そして10月24日〜25日の日程でクロスカントリーエリミネーターとクロスカントリーサーキットレースが千葉県・千葉市 千葉公園が開催予定だ。しかしクロカントリーオリンピックでは世界選手権と全日本選手権の日程が重なっており、変更されることが予想される。
シクロクロスのスケジュールは未定
秋のフランダースクラシックスとのかぶりを調整中
写真はスイスで開催された世界選手権 PHOTO:Tanne MOMIKO
シクロクロスのカレンダーについては引き続き協議中だという。UCIは秋に開催されるフランダースクラシックス、そして各レースの主催者と協力して2020-2021シーズンのクロスワールドカップについて決めていくとしており、詳細は後日改めての発表となる。
UCI公式WEBサイト
https://www.uci.org/
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