GIANT・TCR ADVANCED SERIES【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】
ハシケン
- 2020年06月17日
伝統の機構を継承しつつ、過去のTCRを超えてみせた
4年ぶりのフルモデルチェンジにより性能を全方位に進化させた新型TCR。
ここでは歴代TCRの進化の過程を振り返りながら、最新モデルへと続くテクノロジーに注目する
COMPARISON 新旧モデル徹底比較
1997年に初代モデル誕生以来、今回で8回めのフルモデルチェンジとなるTCRの系譜において、過去に誕生し最新モデルにも採用され続ける機構がある。
ISPシートポストは2006モデルで初採用され、オーバードライブやパワーコアというジャイアントの代表的な機構が誕生したのは2009モデルのことだった。当時稀代のスプリンター、マーク・カヴェンディシュがツールでステージ4勝をあげるなど活躍。その後、時代の変化とともにディスクブレーキモデルとして初登場したのが2017モデルだ。
この第8世代から4年の歳月を経て生まれた今作。新型の開発にあたり、新たに4つのカーボンフレーム生産プロセスを導入することで、より軽さと高い剛性を突き詰めることに成功。
チューブ形状を従来のティアドロップ形状からカムテール形状に近いトランケイテッドエリプスチューブへと変更。軽量化も推し進め、前作比でフレーム単体53g、フレームセットでは140gの軽量化を達成している。
これらによって新型TCRは、史上最高の重量剛性比を獲得し第三者機関のテストにおいてもライバルメーカーを上まわる優れた剛性を証明している。
TCR ADVANCED SL1 DISC
TCR ADVANCED SL0 DISC
SECOND GRADE [セカンドグレード]
最上位アドバンスドSLグレードのテクノロジーを継承するアドバンスドプログレードのTCR。
カムテールチューブへと進化した新型TCRのミドルグレードをインプレッション
クラスの枠を超えるレーシング性能が手に入る
カムテールエアロチュービングなど、今作からフラッグシップ同様のフレームテクノロジーへと切り替わったアドバンスドプロ。振動吸収にすぐれる新形状のバリアントシートポストは、ポジションの微調整が容易でユーザーフレンドリーだ。
走り出せば、精悍なシルエットのイメージそのままに、非常にレーシーな性能を随所に感じさせる。パワフルに踏み込むと反応性の高さから、ダイレクトに推進力を得られる。そこには多くのミドルモデルでは損なわれがちな軽快な立ちまわり性能も感じられた。
とくに、トルクのかかる登坂シーンでのリズミカルなダンシング、山間部からの長いコーナーが連続するダウンヒルコーナーで挙動をつかみやすいステアリングの安定性。あきらかにクラスの枠を超えたハイレベルなものだった。
そして、満足度の高い完成車としてのパッケージも見逃せない。機械式アルテグラにはパワーメーター、パワープロが標準装備。高性能を誇るジャイアントのSLR142ディスクホイールは新型をアッセンブル。前作から128gもの軽量化を果たし、新型アドバンスドプロのフレーム性能を余すことなく引き出している。
なお、アドバンスドプログレードには、62万円(税抜)と40万円(税抜)のモデルも展開し、予算に応じて選べる点もうれしい。
GIANT・TCR ADVANCED PRO 1 DISC
INFO
ジャイアント・ティーシーアール アドバンスド プロワン ディスク
完成車価格:45万円(税抜)
■フレーム:アドバンスド カーボン
■フォーク:アドバンスド カーボン
■ハンドルバー:ジャイアント・コンタクトSL
■ハンドルステム:ジャイアント・コンタクトSL OD2
■サドル:ジャイアント・フリートSL
■ホイール:ジャイアント・SLR1 42 ディスクチューブレス
■タイヤ:ジャイアント・ガビアコース1(25C)
■コンポーネント:シマノ・アルテグラ(22速)
■サイズ:425(XS)、445(S)、470(M)、500(ML)
■カラー:マットローズウッド
■試乗車実測重量:7.4kg(サイズS・ペダルなし)
問:ジャイアント www.giant.co.jp
ハシケンのロードバイクエクスプローラーの記事はコチラから。
SHARE