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梅雨が明けたら夏本番!医師が教えるサイクリストのための熱中症対策

長い梅雨が明け、ようやく夏がやってきました。急に暑くなると身体の準備もできていないため、熱中症にかかる可能性も高くなります。また、コロナウイルス感染対策としてマスクの着用の気になるところです。ここでは強豪ホビーライダーとして知られる医師、本田母映先生、そして救急救命士として現場で活動してきた本田竜介さンが教える「熱中症の予防と対策」を紹介します。

サイクリストのための熱中症予防と対策について

はじめに

ようやく梅雨が明け、外でサイクリングをしようと思う方がたくさんいると思います。この夏からまたサイクリングライフを楽しんでいきたいですね。
さて、本格的な夏を迎えるにあたって注意したいのが「熱中症」です。熱中症は高温多湿の環境下で起こりやすい症状です。特に今年はインドアサイクリングを中心に取り組んでいたサイクリストが、気温が高く強い日差しの下へ急に出ると熱中症のリスクが高まります。今一度、熱中症について再確認して、予防と対策をしっかり行ってサイクリングへ出かけましょう。

熱中症の概要

熱中症が増える時期とは?

熱中症は、梅雨が明けた7月中旬から8月上旬の時期が最も多いです。その理由は、梅雨明けにより気温が上昇することと、暑熱順化(身体が暑さに慣れること)が出来ていないことが重なるためです。特に今年は新型コロナウイルスの影響でインドアサイクリングを中心に取り組んできたサイクリストが多いと思いますので、まさにこれからの季節、梅雨明けの熱中症に要注意です。

気温、暑さ指数(WBGT)と熱中症の関係

気温が高くなると熱中症のリスクは当然高まりますが、気温より更に熱中症と相関性があると言われているのが暑さ指数(WBGT)です。

暑さ指数(WBGT:湿球黒球温度)とは、人間の熱バランスに影響の大きい

  1. 気温
  2. 湿度
  3. 輻射熱

の3つを取り入れた温度の指標です。

※熱中症の危険度を判断する数値として、環境省では平成18年から情報提供しています。
暑さ指数(WBGT)は乾球温度計、湿球温度計、黒球温度計を使って計算されます。

引用:環境省熱中症予防対策サイト

暑さ指数(WBGT)が28℃を超えると熱中症が著しく増加するとされていて、運動に関する暑さ指数(WBGT)の指針としては、28~31℃で厳重警戒(激しい運動は中止)、31℃以上で運動は原則中止となります。サイクリングへ出かける前に、暑さ指数(WBGT)についても気にかけてみてくださいね。
こちらで確認できます。
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php

熱中症の症状と身体の冷やし方

症状

軽度から中程度な症状として、大量の発汗・めまい・立ちくらみ・筋肉の硬直(こむら返り)・頭痛・吐き気・全身のだるさ・集中力や判断力の低下などが挙げられます。このような症状があれば涼しい日陰や冷房の効いた屋内へ避難し身体を冷やすとともに、スポーツドリンクを飲むなど水分・塩分・ミネラルの補給をしてください。症状が改善しない場合は医療機関を受診してください。
重度な症状として意識障害というものがあります。意識を失ったり、意識があっても今日の日付や今いる場所が分からない・自分の名前や生年月日が言えないなどは意識障害と言います。また、熱中症は重症になると汗が出なくなり、より熱がこもるようになります。意識障害を伴う熱中症は重症で、酷い場合は脳に障害(後遺症)が起きたり最悪の場合は死に至ります。意識障害のある場合は直ちに救急車を呼んでください。

身体の冷やし方

  • 可能であれば涼しい日陰や冷房の効いた屋内へ避難する
    まずは高温多湿の環境から移動しましょう。移動が不可能な場合は救急車を呼んでください。
  • 首筋・脇の下・股の間に冷たいものを挟む
    それぞれ大きな血管が通っているため、冷たいものを挟むことで身体中を流れる血液が冷やされます。
  • 肌に水で濡らした布をかけて風を送る
    例えば上半身を裸にしたところに薄手のタオルを1枚かけて、水で濡らし、風を送ります。そうすると気化熱(水分が蒸発する時に熱を奪うこと)により身体の冷却効果が高まります。

サイクリングにおける熱中症の予防と対策

徐々に暑熱順化をしていく

熱中症を防ぐには、少しずつ身体を暑さに慣らしていくことが大切です(暑熱順化)。暑い日に身体が慣れていないのに、いきなりロングライドへ出かけると熱中症のリスクが高まります。まずは短時間の走行で身体を暑さに慣らしていき、様子を見ながら走行時間を延ばしていきましょう。

暑さ指数が高い日は無理しない

どうしてもロングライドへ行きたい日でも、暑さ指数が28℃を超えるような日は決して無理はしないでくださいね。また、イベントやレースを運営する方も暑さ指数に注意して頂いて、当日の暑さ指数が高い場合はより充分な対策を取るなどしてください。

日陰・湧き水・水道などの休憩ポイントを設ける

暑い日は休憩ポイントを多く設けましょう。特に熱中症を予防するには身体を冷やすことが大切なので、日陰・湧き水・水道などのポイントを予めルートに入れておき、休憩のたびに身体を冷やすように工夫しましょう。新型コロナウイルスの影響でコンビニや飲食店で密になるような休憩はまだ避けたいところですので、自然にある休憩ポイントを見つけるようにしましょう。

小まめな水分・塩分補給

大量に汗をかいて身体中の水分が減ると熱中症のリスクが高まります。ただの水ではなく、スポーツドリンクや経口補水液など塩分とミネラルを含んだものを飲むようにしましょう。梅・昆布や味噌汁なども塩分とミネラルが豊富で熱中症の予防に有効とのこと!梅や昆布のおにぎりとお味噌汁、良いですね(笑)。

マスクをつけると熱中症のリスクが高まるのか?

日本救急医学会などが令和2年6月1日に発表した「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」では、
「現時点ではマスクをつけて運動しているから必ず熱中症になりやすいとも言えないですが、マスクをつけることで体に負担がかかると考えられます。作業や運動には十分注意し、強い負荷の運動は避け、口の渇き方によらずこまめに水分補給を心掛けてください。また、フィジカルディスタンシング(身体的・物理的距離)を守りつつ咳エチケットを徹底しながら、適宜マスクをはずして、休憩することも必要です。(一部抜粋、補足)」
とされています。
マスクを着用しながらサイクリングをしていると当然呼吸が苦しいですし、汗で濡れたマスクが顔に密着して酸欠状態にもなりやすいです。適宜、マスクを外して身体への負担を減らしましょう。

熱中症予防に有効なアイテム

速乾吸収性や冷感性に優れたウェア、通気性の良いヘルメットなど、身体の熱を逃がしてくれるようなアイテムが重宝します。そういったウェアやヘルメットを使うかどうかで、熱中症のリスクも変わります。熱中症予防に適したものを選びましょう。
また、日焼け対策も重要です。日焼けをすると身体に熱がこもるため、熱中症のリスクが高まります。日焼け対策兼熱中症予防に有効なアイテムの一つとしてアームカバーをおすすめします。アームカバーは腕を覆うため日焼け対策にも有効ですが、腕に水をかけた時の冷却効果も期待できます。水を地肌に直接かけるより、アームカバーをしている腕にかけた方がより気化熱が働きやすく、冷却効果が高まります。ぜひ日焼け対策と併せて使用してみてください。

まとめ

全国的に梅雨入りをして、梅雨が明ければいよいよ本格的な夏の到来です。今まで我慢してきた分、梅雨明けに思いっきり外を走りたいというサイクリストは多いと思います。はやる気持ちを少し抑えて熱中症には充分に気を付けてくださいね。そして、熱中症の予防と対策をしっかりとして快適なサイクリングライフを楽しんでいきましょう!また、新型コロナウイルスが落ち着きつつあるとは言え、引き続き感染予防・感染拡大防止に注意しましょう。少しずつレースやイベントが再開されて自転車業界がまた盛り上がっていくと良いなと思います。最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

医師 本田母映

2015年に自転車漫画「弱虫ペダル」に影響を受けてロードバイクに乗り始め、2016年からはトラックレーサーにも乗る。現在は勤務医として働きながら、国体や実業団レースに参加する。日本初のインターナショナル女子チーム、High Ambition 2020 jpに所属。主な戦績:ツールド沖縄市民レース 優勝(2017年)、Mt. 富士ヒルクライム 3位入賞(2017年)、国民体育大会新潟県代表(2019, 2018, 2016年)、Zwift national championship 優勝(2018年)など。ブログメディカルサイクリストでは、救急救命士の夫と情報発信を行っている。

救急救命士 本田竜介

2013年から自転車を始めて、2015年からF(t)麒麟山Racingに所属し実業団レース等に参戦している。一時レースを休止していたが、2020年は自転車競技を再開するとともに、サイクルファーストエイド(自転車事故における応急手当)を全国に普及啓発している。「全てのサイクリストが応急手当の知識を持ち、実践出来る」ことを目指し活動中。主な成績:2017 ツールドおきなわ市民100kmU39 7位、2018 新潟ヒルクライム 総合優勝、2018 Zwift National Championships 5位

 

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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