ツール・ド・フランス第2ステージ|アラフィリップが亡き父にマイヨジョーヌを捧げる
Bicycle Club編集部
- 2020年08月31日
フランス南部のニースで8月30日に行われたツール・ド・フランス2020第2ステージは、残り13kmでアタックを決め、最後は3人でのスプリント勝負を制したジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が勝利。個人総合成績でもトップに躍り出た。昨年14日間マイヨジョーヌを守ったフランス人ライダー、アラフィリップが再びマイヨジョーヌに袖を通した。
サガンも動いた! 序盤から熾烈な各賞ジャージ争いを展開
第2ステージは、1500mクラスの1級山岳2つ、2級山岳1つ、昨年から採用されたボーナスポイントがかかるキャトルシュマン峠を経て、プロムナード・デ・ザングレに戻る186km。大会2日目という早い段階から1500mクラスの1級山岳が登場するのは例がなく、今年のツールが“クライマーズツール(クライマーのためのツール)”と呼ばれることを物語っている。
この日スタートラインに立ったのは173人。フィリップ・ジルベール(ロット・スーダル)とラファエル・バルス(バーレーン・マクラーレン)は昨日のレース後に骨折が判明し、ジョン・デゲンコルプ(ロット・スーダル)は昨日のレースでタイムアウトとなってそれぞれリタイヤした。
レース開始直後からマイヨヴェールを着るポイント賞3位のペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)らが積極的に動き、サガンとマッテオ・トレンティン(CCCチーム)、ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)、ブノワ・コヌフロワ(AG2Rラモンディアール)、カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)、トムス・スクインシュ(トレック・セガフレード)、アントニー・ペレス(コフィディス)、ミヒャエル・ゴグル(NTTプロサイクリング)の8選手が先行する。この集団はそのまま16km地点のスプリントポイントにさしかかり、トレンティン、サガンの順で通過。トレンティンはその後パンクに見舞われ、先頭グループは7人に減った。UAEチームエミレーツ勢が牽引するメイン集団は、3分差で先頭集団を追走する。
最初の1級山岳ラ・コルミアーヌ峠(距離16.3km、平均勾配6.3%)はコヌフロワ(AG2Rラモンディアール)が先頭で通過、続く1級山岳トゥリーニ峠(距離14.9km、平均勾配7.4%)はゴグルとコヌフロワとの競り合いを制したペレスがトップ通過。この時点でコヌフロワとペレスが山岳賞ポイントで同点となり、フィニッシュの着順でこの日のマイヨアポア獲得が決まることになった。
最後の上りでアラフィリップがアタック。勝負は少人数スプリントで決着
ニースの町へのテクニカルな長い下りで、ユンボ・ヴィズマ勢が牽引するメイン集団がペースアップ。2級山岳エズ峠の上り口で逃げグループを吸収する。メイン集団はユンボ・ヴィズマ勢やドゥクーニンク・クイックステップ勢がハイペースで牽引し続け、メイン集団の人数をどんどん減らしていく。峠を先頭通過したのはニコラス・ロッシュ(サンウェブ)だった。
再びニースの町に下り、いったんフィニッシュラインを通過した後、集団はボーナスポイントのかかるキャトルシュマン峠の上りへ。残り13km地点でジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)が渾身の単独アタックを開始。これにマルク・ヒルシ(サンウェブ)が反応し、後にメイン集団から飛び出したアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)が合流。3人はイェーツ、アラフィリップ、ヒルシの順でボーナスポイントラインを通過し、メイン集団に20秒の差を付けて最後の下りにさしかかった。
プロムナード・デ・ザングレにさしかかると3人が牽制し合う場面も見られたが、残り200mでアラフィリップがアタック。追いすがるヒルシを振り切ってアラフィリップが先頭でフィニッシュラインを通過。ステージ優勝を決め、個人総合でもトップに躍り出た。
ステージ2位のヒルシは、マイヨブランを獲得。コヌフロワとペレスが同点で並んでいたマイヨアポア争いは、ステージ上位に入ったコヌフロアが獲得。コヌフロワはステージ敢闘賞にも輝いた。マイヨヴェールはアレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ)がキープしている。
動画 ダイジェスト版
リザルト ツール・ド・フランス第2ステージ
ステージ順位
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
2 マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)
3 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)+1秒
4 グレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー、CCCチーム)+2秒
5 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)
6 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
個人総合順位
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
2 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)+4秒
3 マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)+7秒
4 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFプロサイクリング)+17秒
5 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)
6 エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)
ポイント賞
アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、UAEチームエミレーツ)
山岳賞
ブノワ・コヌフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
新人賞
マルク・ヒルシ(スイス、サンウェブ)
チーム総合順位
トレック・セガフレード(アメリカ)
第2ステージ敢闘賞
ブノワ・コヌフロワ(AG2Rラモンディアール)
第2ステージのルート
大会WEBサイト
https://www.letour.fr/
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