ツール・ド・フランス第10ステージ|コロナ禍で混乱のなか、ログリッチがマイヨジョーヌで初レース!
Bicycle Club編集部
- 2020年09月09日
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ツール・ド・フランス2020第10ステージが休養日明けの2週目初日の9月8日、オレロン島からレ島に至る168.5kmのコースで行われた。第9ステージで初めて総合首位にたったプリモッシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィズマ)にとって初のマイヨジョーヌを着てのレースとなる。サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)が自身初のツール・ド・フランスのステージ優勝を挙げた。この結果、ポイント賞争いでもベネットがトップに立ち、マイヨヴェールも獲得した。
レースよりも怖い新型コロナウイルス感染テストでの撤退
最初の休養日が明け、2週目に突入したツール・ド・フランス2020。最下位1日目の第10ステージは、フランス西海岸のオレロン島からフランス本土の西海岸を経てレ島でフィニッシュする168.5kmのコースで、カテゴリー山岳がひとつもない平坦コースだ。
今大会では「チームから2人以上新型コロナウイルス感染者が出た場合はチームごと撤退する」というルールが設けられており、前日の休養日に選手やスタッフらのPCR検査が行われた。その結果、22チームすべての出場が許可され、165人の選手がオレロン島をスタートした。
しかし、4チームでスタッフに陽性者が出たほか、主催者であるA.S.O.のディレクタークリスティアン・プリュドムが陽性になったほか、一部の報道ではドゥクーニンク・クイックステップに陽性者が出た(のちに誤報と判明)という噂まで流れ、騒然としたなかでレースがスタートした。
幾度となく発生した集団落車にマルタンやポガチャルが巻き込まれる
スタート直後、シュテファン・キュング(グルパマFDJ)とミヒャエル・シェアー(CCCチーム)がアタックし、2人で飛び出した。集団はこれを容認し、33km地点のパルミルのビーチで2人と集団とのタイム差は2分になった。
その後メイン集団はカレブ・ユアンを擁するロット・スーダルやサム・ベネットを擁するドゥクーニンク・クイックステップなど、スプリンターのステージ優勝を狙うチームが中心となって牽引し、ペースアップを図って逃げグループとのタイム差を詰め始めると、69km地点で逃げ続けていた2人を吸収した。
先頭集団内では大規模な集団落車が何度か起こった。103km地点のロシュフォール付近で発生した落車には、個人総合3位のギヨーム・マルタン(コフィディス)や同7位タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)らが巻き込まれた。両者はメイン集団がペースを落としたことやチームメートのエスコートを受けて復帰した。
スプリントポイントはトレンティンが先頭通過
逃げグループの吸収以降、逃げが発生しないままレースは中間スプリントポイントへ。ポイント獲得を狙う選手たちが集団から飛び出し、マッテオ・トレンティン(CCCチーム)がペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)とサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)を抑えて先頭で通過した。
残り20km地点からは海沿いの強い風の影響を受けやすいエリアを通過することもあり、強風による集団の分断を恐れてユンボ・ヴィズマやイネオス・グレナディアスがペースアップを図った。これによって集団は3つに分裂し、集団内ではミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ)やジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、アレハンドロ・バルベルデ(モビスター)が落車に巻き込まれた。強い向かい風になった区間で先頭集団のペースが落ち着き、再び集団はひとつに戻り、個人総合上位陣には大きな影響はなかった。
💥 A crash has split the bunch. It will be very hard for the delayed riders to come back as the pace is still very high!
💥 Une chute a coupé le peloton en deux. Les coureurs retardés auront bien du mal à rentrer tant le rythme est élevé à l'avant. #TDF2020 #TDFunited pic.twitter.com/jB6nLiy3GP
— Tour de France™ (@LeTour) September 8, 2020
大会公式Twitterより
ベネットがユアンとサガンとのスプリント勝負を制して勝利
マイヨヴェールも手中に収める
動画 ラスト1㎞
フィニッシュ地点のレ島に向かう橋で、スタート直後に逃げを決めたキュングが再び単独で飛び出す動きを見せた。後にこの動きは集団に吸収されたものの、キュングはステージ敢闘賞を獲得した。
橋を渡って残り1kmのフラムルージュを通過すると、ゴールスプリントに向け集団の動きが活性化。この日もサンウェブがトレインを組んで集団前方に集まり、時速50kmのハイペースで集団を牽引。残り500mを切ったあたりでミケル・モルコフ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がベネットを引き連れて集団先頭に出て、この列車にカレブ・ユアン(ロット・スーダル)やペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)も乗った。フィニッシュラインが迫る中で満を持してベネットが放たれ、その後ろからユアンやサガンが猛追する。ベネットはそのままユアンとサガンを振り切り、自身初のツール・ド・フランスステージ優勝を果たした。
この結果、ベネットはポイント賞争いでも再びトップに立ち、マイヨヴェールに袖を通した。個人総合、ポイント賞、ヤングライダー賞に変動はなかった。ステージ敢闘賞には、序盤と終盤に集団から飛び出す果敢な走りを見せたキュングが選ばれている。
リザルト ツール・ド・フランス第10ステージ
ステージ順位
1 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
4 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、コフィディス)
5 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
6 アンドレ・グライペル(ドイツ、イスラエル・スタートアップネイション)
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)
2 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)+21秒
3 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)+28秒
4 ロマン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)+30秒
5 ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)+32秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)
マイヨヴェール(ポイント賞)
サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マイヨアポワ(山岳賞)
ブノワ・コヌフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)
チーム総合順位
モビスター
ステージ敢闘賞
シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
動画 ダイジェスト版
第10ステージのルート
ツール・ドフランス出場選手リストはコチラから。
大会WEBサイト
https://www.letour.fr/
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