ツール・ド・フランス第11ステージ|ユアンが横並びのスプリント勝利!ワウトと絡んだサガンは降着
Bicycle Club編集部
- 2020年09月10日
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ツール・ド・フランス2020第11ステージが9月9日、大西洋岸のシャトライヨン=プラージュからポアティエに至る167.5kmのコースで行われ、横並びのスプリントを制したカレブ・ユアン(ロット・スーダル)がサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)やワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィズマ)、ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)を下して今大会2勝目を挙げた。サガンはスプリントでの危険行為によって降着となり、ポイント賞争いから大きく後退した。
ラダニュがレース序盤に単騎逃げを決める
大西洋岸のシャトライヨン=プラージュから一路東に向かい、ポアティエでフィニッシュするツール・ド・フランス2002第11ステージ。距離は167.5km、カテゴリー山岳は91km地点の4級山岳シェルヴー峠(距離1.1km、平均勾配4.4%)のみという比較的フラットなスプリンター向きのコースだ。
レーススタート直後、マチュー・ラダニュ(グルパマFDJ)が単独で飛び出した。集団はこれを容認し、ラダニュの単騎逃げが決まる。その後メイン集団のペースが上がらなかったこともあり、ラダニュは18km地点でメイン集団とのリードを5分に拡大した。
するとオリバー・ナーセン(AG2Rラモンディアール)、シュテファン・キュング(グルパマFDJ)、ジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード)、ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)、トム・ファンアスブロック(イスラエル・スタートアップネイション)、ミヒャエル・ゴグル(NTTプロサイクリング)の6人が追走グループを形成してラダニュを追う動きを見せる。この動きはメイン集団が動いてすぐに吸収された。
ポイントラインでドゥクーニンク・クイックステップが見事なチームプレイ
その後も逃げ続けたラダニュは、この日唯一のカテゴリー山脈4級山岳シェルヴー峠をトップで通過。さらにスプリントポイントも先頭で通過した。
一方、メイン集団はドゥクーニンク・クイックステップやロット・スーダルが中心となってじわじわとラダニュとのタイム差を詰めていく。108km地点のスプリントポイントでは、ドゥクーニンク・クイックステップがチームプレイを発揮。ミケル・モルコフがベネットを発射して集団先頭で通過させながら自身も集団の2番手で通過し、ポイント賞争いのライバルであるサガンの加点を最小限に抑えることに成功した。
ラダニュは残り43km地点でメイン集団に吸収されるまで実に120km近く単独で逃げ続けた。単騎逃げとしては今大会でこれまでで最長で、これが評価されてラダニュはステージ敢闘賞を獲得した。
ポイント賞を争う4人のゴールスプリントをユアンが制する
プロトンはラダニュを飲み込んだ後、フィニッシュ地点のポワティエに向かった。ドゥクーニンク・クイックステップをはじめスプリンターを擁するステージ優勝ねらいのチームとユンボ・ヴィズマをはじめとする個人総合の有力選手を擁するチームのトレインがハイペースを保ちながら併走。この動きで体調不良だったグレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)が遅れ、落車で負傷したヨン・イサギレ(アスタナ)とともにリタイアすることになった。
ポワティエの市街地に入ると、直角コーナーが連続し、中央分離帯でコースが狭まる箇所も現れるが、これを利用して残り6km地点でルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)が飛び出す。この動きに去年のデンマーク選手権個人TTチャンピオンのカスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ)と今年のルクセンブルク選手権個人TTチャンピオンのボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイックステップ)が合流し3人の逃げグループができた。メイン集団は独走力のあるこの逃げグループをつぶそうと、ペースを上げて残り2km地点で3人を吸収した。
フィニッシュまで残り1.5kmからは道幅の広い直線路。ステージ優勝は大集団でのゴールスプリントに委ねられることになった。残り300mを切ったあたりでファンアールトが仕掛け、向かって右側からマイヨヴェールを着るベネット、左側のフェンス沿いからサガンがそれぞれ横に並ぶ。さらにベネットの後ろにつけていたユアンがベネットの左側から横に並び、4人が一直線に並んでゴールスプリントを繰り広げる。最後はハンドルの投げ合いになったが、ユアンが車輪半分ほどの差で差しきってステージ優勝を果たした。
個人総合、ポイント賞、山岳賞、ヤングライダー賞のいずれも変動はなかったが、ポイント賞争いでは大きな動きもあった。2番手でフィニッシュラインを通過したポイント賞2位のサガンは、スプリント時にファンアールトと接触した際に危険行為があったと見なされ降着処分になり、スプリントポイントの減点と罰金が科された。これによりポイント賞争いトップのベネット243点に対し、サガンは175点となりその点差が大きく広がることになった。そもそもサガンが強引に抜いているともとれるが、いっぽうでは観客の自撮り棒をサガンがよけようとしていたことも映像に映っており、観客に対してのルールを含め議論になりそうだ。
動画 ラスト1㎞
リザルト ツール・ド・フランス第11ステージ
ステージ順位
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
2 サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)
3 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィズマ)
4 ブライアン・コカール(フランス、B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)
5 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、AG2Rラモンディアール)
6 マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード)
※ペテル・サガン(スロベニア、ボーラ・ハンスグローエ)は危険行為により降着で85位に
マイヨジョーヌ(個人総合成績)
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィズマ)
2 エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)+21秒
3 ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)+28秒
4 ロマン・バルデ(フランス、AG2Rラモンディアール)+30秒
5 ナイロ・キンタナ(コロンビア、アルケア・サムシック)+32秒
6 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFプロサイクリング)
マイヨヴェール(ポイント賞)
サム・ベネット(アイルランド、ドゥクーニンク・クイックステップ)
マイヨアポワ(山岳賞)
ブノワ・コヌフロワ(フランス、AG2Rラモンディアール)
マイヨブラン(ヤングライダー賞)
エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアス)
チーム総合順位
モビスター
ステージ敢闘賞
マチュー・ラダニュ(フランス、グルパマFDJ)
動画 ダイジェスト版
第11ステージのルート
ツール・ドフランス出場選手リストはコチラから。
大会WEBサイト
https://www.letour.fr/
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- CREDIT :
- PHOTO:A.S.O./Alex Broadway,Pauline Ballet,2019 NTT Pro Cycling TEXT:浅野真則
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