自転車通勤だけじゃなく営業にもロードバイク!「マヴィック」の企業スタイル|MAVIC
山口
- 2020年09月12日
Withコロナの生活スタイルとして自転車通勤だけではなく、営業にも自転車が注目されている。さらに都心部では仕事でシェアサイクルを活用する件数も増えている。自転車を扱う業界、いわゆる「輪界」ではどんな自転車の利用法をしているのか? 今回は、フランスのサイクルブランド「マヴィック」を扱うマヴィックジャパンの例を見てみよう。
マヴィックといえばツール・ド・フランスなどで選手をサポートする黄色いクルマを走らせているブランドとして知られる。じつは映画「弱虫ペダル」の中でもその選手サポートの様子が見られる。
元プロの自転車選手も在籍するというマヴィックジャパンでは、自転車通勤の環境を整えるとともに、営業担当者はコロナウイルスがまん延する前から自宅をベースに営業先を回るスタイルだったため、週に数回の出社は自転車を使うこともあるという。なかには湘南から都内のオフィスまで50㎞近く通うこともあるというから驚きだ。
6月に移転したばかりというオフィスにはサイクルラックが設けられ、一般的な駐輪場に自転車を置かなくて済むので、自転車が盗まれたり、雨で汚れる心配がないのはうらやましい環境だ。
湘南から渋谷まで通う遠距離通勤も
自宅から多摩川まではおもに中原街道を走ることが多いという。多摩川を渡ってからは大通りを避けて走る。
湘南から都内まで通うという佐野友哉さん。元選手の経験を活かし、長年「輪界」で働いている。
「自宅をベースに得意先を回るスタイルなので、オフィスに通うのは週に数回です。交通費も定期券を買うわけではなく、その都度精算となるので交通手段は自由に選べます。あと、スポーツを自転車を扱う特殊な業種なので自転車で営業もしています。普通の企業では認められないですけど、この業界なのでありです」。
販売店の位置も駅から近いとは限らないので、自転車でまわるのも意外と効率的だという。
元プロ選手なだけに、佐野さんにとって50㎞もの自転車通勤はどうってことはないが、やはり都内へ向かうルート選びには正直、苦労するという。
「じつは、入社したてなんで、コロナを機会に自転車で通ってみようとおもったんですが、湘南から渋谷まで、まっすぐに来れるいい道はありません。なので、走りやすそうな道を試しながらつないで走っています。多摩川沿いも考えましたが、ちょっと遠回りになります。ただ、多少遠回りになってもあまりにも大きな幹線道路は避けるようにしています」
大型トラックがわきをすり抜けているルートは元プロ選手でもリスクを伴うので避けるようにしている。あと、佐野さんの場合、信号待ちで無理にクルマの脇を抜かないのがポイントだという。
ルートは県道45号を使って都内へ向かい、あとは道路をつないでいくことになる。このルートでざっと2時間半くらいというところだ。
唯一大きな道路を通るのは国道246号。ただし、ほんの1㎞ほどだ。
装備はザックを背負う以外はレースと変わらない
佐野さんのスタイルはほとんどレースと変わらない。
カバンの中身はざっとこ以下の感じだ。注目すべき点は出先でも仕事をするので、モバイルバッテリーを欠かさないことと、自転車のライト類の予備バッテリーをもっていることだ。「夜間、長時間走ることもあるので、キャットアイのボルトとその交換用バッテリーは欠かせません」と佐野さん。さらに雨対策も欠かせない。
オフィスで仕事をするときには、カジュアルなスタイルに着替えるが、営業先の多くはスポーツバイクショップなのでこのままのスタイルで商談することもある。
バッグの中には、PCや仕事で使う道具のほか、マスク、除菌シート、パンク修理道具などが入っている。
コンパクトに収まる。マヴィック・エッセンシャル SLインシュレーテッドジャケット。雨具と防寒具を兼ねて使っているのがコンパクトに収まるので便利だという。シューズはコスミック エリート SLを使っているが、雨の日にはホルメンコールの撥水スプレーで処理する。こうすることで多少の雨なら弾いてくれて快適に走れる。
MTBに子ども乗せキャリアをつけて通勤
オフィスでの仕事をメインにしている三瀧光誠さんの場合、自宅から会社まで7㎞ほどという近さもありMTBにキャリアを取り付けたバイクで自転車通勤している。
「子どもを保育園まで送ってから通勤するので、このスタイルです。キャリアの取り付けは車種ごと、キャリアの種類で違うのでむずかしいですよね」という。職種がメカニックという三瀧さんの場合、カジュアルなウエアのまま通勤し、そのまま仕事をすることも多いという。
自転車通勤でも使う自転車を、休日の遊び道具をそのまま実生活でも活用できるので、自転車を買うことに対して家族内でのコンセンサスも得やすいのもいいところだ。
オールロードジャージはメリノウール入りの素材で、MTBがグラベルライド向けに作られただが、普段着としても重宝する。
カジュアルなウエアでの仕事が許されるマヴィックの新オフィス。さすがにシャワーこそがないがこうした環境なら自転車通勤もしやすい。
問い合わせ:マヴィックジャパン
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PROFILE
バイシクルクラブ編集長。かつてはマウンテンサイクリングin乗鞍で入賞。ロード、シクロクロスで日本選手権出場経験をもつ。47歳を迎えた現在ではレースだけではなく、サイクリングを楽しむためために必要な走行環境やサイクルツーリズムなどの環境整備などにも取り組んでいる。