WILIER TRIESTINA(ウィリエール・トリエスティーナ)・ゼロ SL|ニューモデルインプレッション
Bicycle Club編集部
- 2020年10月30日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回はウィリエールのオールラウンドシリーズ「ゼロ」に新たなミドルグレードモデルとした誕生したディスクブレーキモデル、WILIER TRIESTINA・ZERO SL(ウィリエール・トリエスティーナ・ゼロ SL)をMTB&シクロクロスなどでトップライダーとしての経験も豊富な鈴木祐一がチェック!
軽量オールラウンダー「ゼロシリーズ」の最新作が登場
ヒルクライムに最適なセカンドグレードモデル!
イタリアの商人ピエトロ・ダル・モリンが1906年に創業した自転車工房を起源とする、ウィリエール・トリエスティーナ。100年以上の歴史のなかで、数々のトッププロチームへバイクを供給し、現在ではアスタナプロチームとトタル・ディレクトエネルジーとともに進化を続けている。そんなウィリエールのオールラウンドシリーズ「ゼロ」に新たなミドルグレードモデルが生まれた。
今回試乗したゼロSLは、前身である「ゼロ9(ノヴェ)LTD」の正統な後継機であり、新たにディスクブレーキ化を果たしたモデルでもある。現在、オールラウンドモデルだということは「エアロ性能を持ち合わせていること」も必須条件であり、ゼロSLもその例に漏れない。
最先端のフレーム形状やオリジナルのハンドル&ステムのセットなど、ウィリエールならではのこだわりも随所にちりばめられる。
上位モデルの「ゼロSLR」とは採用されるカーボンこそ違えど、システムやエアロ性能など、多くのテクノロジーを継承。完成車で100万円近くのゼロSLRと比べると、より現実的な価格で厳しいレースが戦えるモデルといえる。
電動変速コンポを備え、完成車重量を7kg台前半に抑えたゼロSLなら、山岳、平地、アップダウンとあらゆる地形やレースを駆け抜けられる。
ほどよいボリュームをもったBB周辺。シマノのプレスフィットBBを採用している。
新型のアルミステム「ステンマSL」の下部からワイヤーを内側に通し、一体化したヘッドパーツ~フレームへとつながっていく。電動変速用コンポでの使用が推奨されている。
フラットマウントタイプのディスクブレーキを搭載。オリジナルのスルーアクスルを使用しているが、マヴィックのスピードリリースシステムとの共通規格でもある。
シートポストの固定はトップチューブ上の埋没式ボルトで行う。
ウィリエール・トリエスティーナ
ゼロSL
53万5000円(アルテグラDI2ディスク完成車/税抜)
■フレーム:HU-MODカーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラDI2ディスク ■ホイール:シマノ・RS171 ■ハンドル:リッチー・WCSカーブ ■ステム:オリジナル・ステンマSL ■サイズ:XS、S、M、L、XL ■カラー:マットブラック/レッド、グレー/ライトブルー ■試乗車重量:7.29kg(編集部実測Mサイズ/ペダルレス)
バイクを振りやすいヒルクライムバイクライダーが気持ちよくなるフィーリングをもつ
鈴木祐一がインプレッション
まさに「ヒルクライムバイク」というのが、このゼロSLの印象だ。ダンシングしたときに振りやすい。ただ軽いだけのバイクだとタイミングが合わせにくいこともあるが、このバイクは非常に扱いやすい。
アメリカンブランドと違って数値には表れないよさがある。つまり突出した性能や数値でのわかりやすさではなく、トータルでのバランスがいいバイクというイメージだ。ジオメトリー、剛性、重量配分などがよく作りこまれている。おそらくライダーがR&Dを繰り返していくなかで、作り込まれてきたのだろう。
たとえば上り坂での低速域ではハンドリングに軽快さがあり、反応がいい。逆に下り坂でスピードが上がり、時速30km以上の高速域を超えると直進安定性が高くなる。下りでの不安定さがなく、安心してコーナーも曲がりやすい。ひとつのとがった性能ではなく、ライダーが気持ちよく感じるフィーリングを大切にしている感じだ。
乗り心地は柔らかい感じで衝撃吸収性は高く、とくに低~中速域のペダリングに合わせた快適性の高さを感じる。いっぽうハイスピードで踏み込むと少し華奢な感じがするかもしれない。
このバイクの使い道を考えると、ヒルクライムやグランフォンドに向くと強く感じた。上りで軽く、下りでは安定する。まさに長時間の山岳グランフォンドのためのバイクというイメージだ。
インプレッションライダー
鈴木祐一
元MTB&シクロクロスのトップライダーでロードバイクのインプレッション経験も豊富。神奈川県相模原市のバイクショップ、ライズライドを拠点に自転車の魅力を伝えている。身長180cm。
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問:服部産業
www.wilier.jp
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