東京五輪代表候補橋本英也が力ととも戦略的な走りで男子オムニアムを制す!トラック全日本3日目
Bicycle Club編集部
- 2020年11月08日
INDEX
11月5日(木)から8日(日)にトラック競技の日本のチャンピオンを決定する「第89回全日本自転車競技選手権大会トラック・レース」が開催されている。3日目も各種目に東京オリンピック代表内定選手達が登場。
男子オムニアムには同種目アジアチャンピオンでもある橋本英也が、女子マディソンには梶原・中村ペア、スクラッチには梶原、男子ケイリンには脇本および新田が、女子ケイリンには小林が出場。
代表内定選手と惜しくも代表を座を逃した選手による熱いレースが繰り広げられた。
男子オムニアムでアジアチャンピオンが力を見せつける
昨日の女子オムニアムに続き、男子オムニアムが開催され、東京オリンピック代表内定選手で同種目のアジアチャンピオンでもある橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling)が圧巻の走りで優勝。
橋本は1種目目のスクラッチで2位と好スタートを切ると、続くテンポレース、エリミネーションでは1着となり、暫定1位で最終種目ポイントレースを迎える。
しかし、チームメイトの近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling)もスクラッチ3着、テンポレースおよびエリミネーション2着と橋本と6点差の暫定2位につけており、ポイントレースで十分逆転可能な位置につけていた。
最終種目ポイントレースでは序盤から4名の選手が先行し、さらに原田裕成(CIEL BLEU KANOYA)が単独で追いつき、5名の選手がポイント獲得を積み重ねていく。
ラスト2回のポイント周回までメイン集団の選手たちはほとんどポイントが取れず、最後のゴールポイントでも橋本・近谷の両名はポイントを獲得できなかったため、橋本が優勝、近谷が2位となった。
また、ポイントレースのゴールポイントで1着に入った岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が孫崎大樹TEAM BRIDGESTONE Cycling)を逆転し、3位となった。
橋本は「気づけば3年ぶりということで3年ぶり3回目の優勝をすることができ、本来であればオリンピックが開催されていた年でもあり、順調に仕上がってきていることが分かってうれしいです。人数の多いオムニアムでは最初の3種目が重要になってくるので、うまく走れたと思います。ポイントレースでは序盤できた4名の逃げをうまくコントロールすることで他の選手がポイントを取ることができなくなり、ポイントリーダーである自分がかなり有利になるなと思っていたので、そのレースが作ることができ、よかったと思います。(昨日は梶原選手同様パーフェクトなレースをコメントしましたがそれに対しては)8割ぐらいのレースはできたと思います。リオではいい経験ができたので、それがあって東京オリンピックに選ばれることもでき、リオからのプロセスが間違ってなかったことを証明することができました。東京オリンピックでメダルを獲得することによって自転車競技の発展や魅力をさらに広めていきたいと思っています。」とコメント
東京オリンピック代表チームが女子マディソンで優勝
女子マディソンでは東京オリンピック代表内定選手である梶原悠未・中村妃智組(チーム・ケイドリームス 3)が力を発揮。
序盤3回目のポイントまでは鈴木奈央・古山稀絵組(チーム・ケイドリームス 4)や吉川美穂・内野艶和(ライブガーデンBiciStelle/JIK)にポイントで先行を許したものの、4回目のポイント周回以降は梶原・中村組がすべてのポイント周回で1着を獲得し、優勝を飾った。
梶原は「優勝することができてほっとしています。序盤はポイント周回にうまく合わせることができなかったですが、落ち着いて修正し、4回目のポイント周回以降は思い通りのレース展開ができたと思います。東京オリンピックでの入賞に向けて、交代の技術や戦術に磨きをかけて準備をしていきたいと思います。明日も個人追い抜き、ポイントースで確実に優勝を達成し、6種目で完全優勝が達成できるように全力で準備していきます。」とコメント。
中村は「まずはとてもほっとした気持ちが大きいです。最初のスプリントに合わせるタイミングがうまくいかず、その時は冷や汗が止まらないぐらいでしたが、4回目以降はお互いで考えていた作戦通りに展開を運ぶことができ、よかったと思います。(東京オリンピックは)今回のレースとは全く違ったレースになると思います。スピードももちろんですが、交代の技術や場所取りがさらに重要になってくるので、そのあたりを1年しっかりと磨いていきたいと思います。」とコメント。
女子スクラッチで梶原が個人種目3勝目をあげる
終盤に古山が飛び出すと、梶原が追走。最終周回で古山をパスした梶原が、後続を引き離して優勝を飾った。
梶原は「今大会は出場する6種目すべてで優勝するという大きな目標を立てているので、その目標に1つ近づくことができ、とてもうれしい気持ちでいっぱいです。様々な戦略をもった選手が入り混じるレース展開でしたが、アタックする選手に対してしっかりマークして反応が遅れないように注意して走りました。最終的には残り2周回で古山選手が外から大きくアタックしてきたので、そこにしっかり飛びついて2番手を獲得し、そこから落ち着いてスプリントできたことが勝因につながったと思います。」とコメント。
男子ケイリンで深谷が東京オリンピック代表内定選手を抑えて優勝
男子ケイリンでは深谷知広(Dream Seeker Racing Team)が東京オリンピック代表内定選手を抑えて優勝を飾り、個人種目2冠を達成した。
東京オリンピック代表内定選手である新田祐大(Dream Seeker Racing Team)、脇本雄太(TEAM BRIDGESTONE Cycling)や昨日のスプリントで優勝した深谷知広(Dream Seeker Racing Team)らが決勝に勝ち上がる。
脇本が先行する中、深谷が最終バックストレートから4コーナーにかけて横に並び、ゴールラインでハンドルを投げて深谷が優勝を飾った。
深谷は「前回優勝した時はナショナルチームが不在でしたが、今回はフルメンバーの中で優勝できたのでうれしいです。決勝のメンバーは普段から一緒に練習をしているので強いのはわかっていましたし、その中でどういう走りができるかなというワクワク感がありました。ケイリンを走る中でスプリントに近い考え方で走れたことで変化があったと思います。事前に東京オリンピック代表内定選手から優勝者を出させないことを目標していて、代表内定選手とはいえ国内で簡単に勝てるわけではないということ示すことができ、次のオリンピックを目指す中で他の選手や世界に対してアピールできたことはとてもよかったと思います。」とコメント
女子ケイリンで全日本選手権初出場の梅川が優勝
東京オリンピック代表内定選手である小林優香(Dream Seeker Racing Team)や昨日のスプリントで優勝した太田りゆ(TEAM BRIDGESTONE Cycling)らが参加し、5名のエントリーだったため、一発決勝となった。
佐藤水菜(JPCA)が先行する中、3コーナーで小林がわずかに前に出ると、ホームストレートで小林より外から梅川が捲って優勝を飾った。
梅川は「自転車競技のルールでケイリンを走るのは初めてで、実際に走ってみないと分からないなと思っていました。本来なら予選からある中で、一発決勝だったこともあり、喜びは半分といったところです。レース前は色々考えていましたが、実際のレースではその通りに動くことはなかったです。ただいつでもいける準備はしていたので、その部分では冷静に走れたと思いまし、冷静に走れたことが勝因だと思います。」とコメント。
梶原が自転車競技で初めてスポーツ功労者顕彰を受賞
梶原悠未が世界選手権女子オムニアムでの優勝を評価され、自転車競技で初めてスポーツ庁のスポーツ功労者顕彰を受賞。
今年の世界選手権の女子オムニアムで優勝したことが評価され、自転車競技で初めての受賞に至った。
リザルト
男子オムニアム
1位:橋本英也(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 118ポイント
2位:近谷涼(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 112ポイント
3位:岡本隼(愛三工業レーシングチーム) 97ポイント
女子マディソン
1位:梶原悠未・中村妃智組(チーム・ケイドリームス 3) 41ポイント
2位:鈴木奈央・古山稀絵組(チーム・ケイドリームス 4) 34ポイント
3位:吉川美穂・内野艶和(ライブガーデンBiciStelle/JIK) 30ポイント
女子スクラッチ
1位:梶原悠未(筑波大学大学院)
2位:内野艶和(ライブガーデンBiciStelle/JIK)
3位:鈴木奈央(JPCA)
男子ケイリン
1位:深谷知広(Dream Seeker Racing Team)
2位:脇本雄太(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
3位:河端朋之(JPC)
女子ケイリン
1位:梅川風子(JPCA)
2位:小林優香(Dream Seeker Racing Team)
3位:太田りゆ(TEAM BRIDGESTONE Cycling)
【【基礎知識】大会3日目、トラックの種目を見ていこう】
大会3日目は男子オムニアム、女子マディソン、女子スクラッチ、男女ケイリンが開催された。
本日はケイリンについて解説する。
ケイリン
最大6名の選手で、5周回で競われる。残り2周半までは先頭でぺーサーと呼ばれる先導員がいて、ぺーサーを抜くと失格になってしまう。
日本自転車競技連盟
https://jcf.or.jp/
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。