FELT/AR FRD【日本バイシクル・オブ・ ザ・イヤー2021】
Bicycle Club編集部
- 2020年12月27日
「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2021」にノミネートされたFELT/AR FRDの概要と、選考委員によるインプレッションをレポートする。
最高レベルの空力テクノロジー全方位的に進化したAR FRD
ロードバイクで軽さが最大の正義とされていた時代に、空力を味方に付けることの正義を説き、エアロロードのARシリーズという形で2008年にそれをいち早く具現化したフェルト。2021年モデルとして登場した3代めのARシリーズは、2013年にデビューした先代モデルを超えることを生まれながらにして宿命づけられた。
走行中の9割以上は斜め10°未満の風の中を走ることに着目し、チューブ形状をCFD解析で10°未満のヨーアングルからの風に最適化。現在も最高レベルの空力性能を誇る先代モデルより9%も空気抵抗を削減することに成功した。また、シートポストに切れめを入れることで振動吸収性を高めたリーフスプリングシートポストを採用し、シートポストを受けるスリーブにも衝撃吸収性能を持たせることで乗り心地を向上させた。最上位モデルのFRDシリーズは、ノーマルグレードの2倍以上のカーボンシートをきめ細やかに積層することで、軽量化も実現。全方位的な進化をとげている。
Spec.
FELT・AR FRD
●価格:158万円(完成車/税抜)
●フレーム:UHCアルティメイト+テキストリームカーボン
●フォーク:UHCアルティメイト+テキストリームカーボン
●コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2
●ホイール:HEDヴァンキッシュRC6 プロシリーズ
●タイヤ:コンチネンタル・グランプリ5000TL
●サイズ:48、51、54、56、58
●実測重量(ペダルなし):7.66kg(54サイズ)
問:ライトウェイプロダクツジャパン www.riteway-jp.com
IMPRESSION
巡航スピードでの空力性能は今回の10台のなかでトップ|難波賢二
個人的には、今回のテストバイクのなかで巡航スピードでの空力性能はARがいちばんだと感じた。TTバイクのようなフォークとホイールの間を風がキレイに抜けていく気持ちよさに脱帽せざるをえない。長距離を一人で走るとなると空力のよさがやはり重要となる。フレーム剛性の出し方自体は、ヨーロッパ受けする作りのエアロロードで、チームマシーンやリアクトとも似ている。ダイヤモンドフレーム形状の美しさもやはり魅力だ。
エアロと快適さやユーザビリティの共存というステップに進んだ|山口博久
エアロロードの先がけとして誕生したARは、今回のモデルで単なるエアロの追求という初期段階から、エアロと快適さやユーザービリティを共存させるという次のステップへと進んでいる。とくにハンドル高調整のしやすさは高く評価したい点だ。どちらかといえばレースで勝ちたいライダー向けのバイクで、ヨーロッパでのレースを考えた高い直進安定性が特徴だ。そのいっぽうで路面からの衝撃はダンパーを備えたシートピラー固定方法を採用し、快適な乗り味も実現する。
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。