SPECIALIZED/S-WORKS TARMAC SL7【日本バイシクル・オブ・ ザ・イヤー2021】
Bicycle Club編集部
- 2020年12月27日
「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2021」にノミネートされたSPECIALIZED/S-WORKS TARMAC SL7の概要と、選考委員によるインプレッションをレポートする。
ビッグレースで勝利を量産し続ける最強のレーシングロードバイク
ターマックといえば、世界選手権やグランツール総合優勝などの輝かしい実績を誇るスペシャライズドの軽量レーシングロード。2021年モデルの最新モデルSL7は「エアロ、軽さ、ライドクオリティ(剛性や快適性)を一台で兼ね備えたレーシングバイク」を目指して開発が進められた。
開発にあたっては2018年のヴェンジの開発時にスーパーコンピューターを使って剛性・空力性能の最適化を進めた際のデータを活用。それを軽量レーシングロードのターマックに融合させることで、ペテル・サガンのようなスプリンターにもジュリアン・アラフィリップのようなオールラウンダーにも対応できるバイクに仕上げた。
ジオメトリーは男女共通とし、ライダー・ファースト・エンジニアードによってどのサイズでも同じ乗り味を実現する。2020年の世界選手権は男女ともターマックを駆る選手が優勝し、3大ツールでもステージ優勝を量産するなど、当代最強のレーシングロードにふさわしい存在感を示すこととなった。
Spec.
スペシャライズド・Sワークス ターマックSL7 デュラエースDi2
●価格:145万2000円(完成車/税抜)
●フレーム:SワークスターマックSL7ファクト12rカーボン
●フォーク:Sワークスファクトカーボン
●コンポーネント:シマノ・デュラエースDI2
●ホイール:ロヴァール・ラピーデCLX
●タイヤ:スペシャライズド・ターボコットン
●サイズ:44、49、52、54、56、58
●実測重量(ペダルなしボトルケージ付き):6.87kg(54サイズ)
問:スペシャライズド・ジャパン www.specialized.com
IMPRESSION
ペダルへの入力に対し予想した以上に進んでしまうバイク|鈴木雷太
レーシングバイクでありながら、扱いやすい。シャープなハンドリングで俊敏性も高いが安定感もある。CLXホイールとのパッケージもよく、とくに前輪が勝手にスルスルと転がっていく感覚は、ほかでは感じたことがない。ペダリングはリズムを取りやすく調整されている感じで、ホイールの効果と相まって、入力したぶんより進んでしまう感じだ。快適性は振動伝達がはっきりしていて路面の状況をつかみやすい。しかしながら角が立った不快なフィーリングではない。
レースで勝つための機材であることをひしひしと感じる|岩田淳雄
走り出してすぐに感じるのは、そのレーシーさ。これはトップレーシング機材なのだということを、ヒシヒシと感じさせる。持ったときの軽さもトップクラスだが、走っても軽い。しかしそれだけではなく、精密感とも言える走りのデザインと軽さとのバランスが秀逸だ。30mほど先のポイントに向けて、まっしぐらに進んでいくその正確さは、以前ジャイアントのプロペルに感じたのと同じものだ。私のレベルでは、その実力の一端をかいま見ることしかできないバイク。
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PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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