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スペインのプロ選手がサイクリングeスポーツへの転向⁉ その真相は?

「スペインのプロロードレース選手が引退し、サイクリングのeスポーツに転向する」というニュースが自転車業界を驚かせた。2020年の年末も押し迫った、12月28日にスペインの老舗自転車雑誌『シクリズモ・ア・フォンド (Ciclismo aFondo)』がモビスター所属のセルヒオ・サミティエル(Sergio Samitier)選手が現役を引退し、今後Zwiftを始めとするサイクリングeスポーツへの選手へ転向すると発表したのだ。※1

この記事の中でサンミティエル選手は、ロックダウン中に様々な国の人とレースを楽しむことができるZwift(ズイフト、インドアサイクリングゲーム)の魅力に取り憑かれ、寝食を忘れてZwiftに熱中。その結果、今後e サイクリングに専念することを決断した、と話している。

この決断に対し、所属チームのモビスターは当初サンミティエル選手のチーム離脱に難色も示すも、最終的に彼の決断を受け入れることに合意。万が一、サンミティエル選手がリアルのレースに戻りたいときには、同選手を優先的に受け入れることを明らかにしながらも、新しい世界へ旅立つサンミティエル選手の背中を力強く押す形で、彼の引退を受けいれることになった、とした声明を発表している。

というのは冗談
12月28日はスペインのエイプリルフール

2020年のスペイン選手権で力走するサンミティエル選手。ジロ・デ・イタリアでは総合13位の活躍を見せた注目選手。Photo by Yukari TSUSHIMA

じつはスペインの12月28日は「エル・ディア・デ・ロス・サントス・イノセンテス(El Día de los Santos Inocentes)」と呼ばれる特別な日。この日は、日本のエイプリルフールと同じように、他人に嘘をついても許されてしまう日である。つまり、上記のサンミティエル選手の記事は、この日のためのジョーク記事だったのだ。

翌12月29日にサンミティエル選手は自身のSNSに「昨日公開した記事は、12月28日のためのジョーク記事です。僕はすでに来年のモビスターとの契約にサインを済ませています」との公表し、心配していたごく一部のファンを安心させたのである。※2

記事の主役となったサンミティエル選手にインタビュー

写真はインドアサイクリングゲームZwiftを使ったUCIのeスポーツ世界選手権の様子

この記事の主役となったサンミティエル選手は、筆者のインタビューに対し、次のように話した。

「一番最初にあのジョーク記事を思いついたのは、『シクリズモ・ア・フォンド』側だったんです。僕は記事が公開される数日前に話を聞いたのですが、これはすごく面白いことになるだろうと思いましたね(笑)。チーム(モビスター)も喜んでOKを出してくれましたし。」

記事の内容について、前もってサンミティエル選手は大雑把な内容を聞いていたものの、「食事も取らないでZwiftでトレーニングしてた、って部分は大笑いしました」

ちなみに、このジョーク記事を読んだ友人、知人からの反応はどのようなものだったのだろうか。

筆者のこの質問に対し、「じつはあの記事を本当に信じてしまった人がかなりいたんです(笑)。なので、結構たくさんの友人から確認の連絡が来ました」とサンミティエル選手は笑った。

このジョーク記事を掲載したスペインの自転車雑誌『シクリズモ・ア・フォンド』は、毎年12月28日に非常に力の入ったジョーク記事を公表している。数年前には「ブエルタ・エスパーニャの最終週はカナリア諸島が舞台に」という記事を掲載したこともある。

こうした12月28日のジョーク記事はスペインのメディアではとても一般的なものではあるが、今回のサンミティエル選手eスポーツへの転向についての記事は、2020年の自宅隔離期間中多くのサイクリストが利用したZwiftブームを反映したものとして、多くの注目を集めだのだった。

※1 Ciclismo a fondo のTwitter

※2 セルヒオ・サミティエル選手のTwitter

 

著者紹介
對馬由佳理
スペイン在住。当地で10年以上ファンとして自転車レースを追いかけた後、ジャーナリストへ転向。スペインで開催される男子のレースはもちろん、女子のレースやパラサイクリングも取材経験あり。
Twitter: @TsushimaYukari
Instagram:yukaritsushima1

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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