自転車筋トレする前に「柔軟性と筋力レベル」を自己診断!|自転車筋肉速成マニュアル
Bicycle Club編集部
- 2021年01月30日
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最近、筋トレに取り組むサイクリストが増えてきている。筋トレは競技パフォーマンスの向上だけでなく、ペダリング動作の最適化や痛み予防などにも効果があることが証明されている。これから長くサイクリングを楽しみたいサイクリストの身体づくりにも必要不可欠なトレーニングだ。
筋トレに取り組む前に、3つのアセスメント(チェックテスト)を行い、現在の筋力と柔軟性のレベルをチェックしよう。自分自身の課題を把握し、目標に向けて正しくアプローチすることが大切だ。
アセスメントテストから取り組むべき筋トレがわかる
筋トレは正しい動きで適正な負荷で行うことが大切だ。とくに、筋力向上を目的としたストレングストレーニングを行う際は、正しい動きが実現できるだけの十分な柔軟性が必要になる。柔軟性不足によって動きが制限されるなかで、ストレングストレーニングを行っても、その効果は狙ったものとはならない。
まずは、現状の自分自身の柔軟性と筋力のレベルを把握しよう。ここで実施する3つのアセスメントテストから、股関節や足関節の柔軟性や下肢の筋力レベルを知ることができる。そして不足しているフィットネスを明確にすることで、目標に向けて何を主目的にした筋トレに取り組むべきかを示してくれる。
今回は簡単な3つのアセスメントのやり方を、自転車専門のパーソナルトレーナー、伊藤透さんに教えてもらった。
【セスメントテスト その1】
スクワットテスト
下半身の筋力と股関節、足首の柔軟性レベルをチェックする。まず、両手を前方へまっすぐに伸ばして、基本の姿勢を作る。そこから、ヒザの軌道がつま先と重なるように沈み込んでいく。股関節から動かす意識で、おもに臀筋中心に動かすのがポイントになる。
太モモが地面と並行になるかをチェック!
太腿の骨が地面と並行になっているかチェック。そのとき、骨盤が後傾していないか確認すること。また、カカトが前に出たり、背中が丸まったりしないように注意したい。
【セスメントテスト その2】
前屈テスト
股関節とハムストリングの柔軟性をチェックするテスト。まず脚は肩幅ほどに開いて、腰に手を当てて、胸を張って直立姿勢をとる。その状態から上体を前傾させて、どこまでお辞儀ができるかをチェックしよう。脊柱は固定させて、あくまで股関節からの屈曲動作を確認すること。
上体を60度まで倒せるかをチェック!
上体が60度ほど傾けることができれば一定の柔軟性がある証拠。45度くらい(写真)の人が多い。深くお辞儀できていても脊柱が丸まっている場合はエラー動作になる。
【セスメントテスト その3】
しゃがみ込みテスト
足首の柔軟性をチェック。肩幅程度に脚を開き、胸の前で腕をクロスさせた姿勢からゆっくりとしゃがみ込んでいく。ヒジを前方へ突き出してバランスをとってもいい。和式トイレが使えるか使えないかくらいのイメージで行う。しっかり下までしゃがみ込めれば、十分な柔軟性がある証拠。
カカトからお尻までの距離をチェック!
しゃがみ込みの途中で止まってしまうようなら柔軟性不足だ。またカカトが浮き出しても柔軟性が足りていないので筋トレによる足首の柔軟性向上が必須になる。
セルフ診断の結果
伊藤コーチからアドバイス!
3つのテストがすべてできた!
基礎的な筋力と柔軟性はあるためパフォーマンス向上のためのさらなる筋力向上をメインにした筋トレに取り組みましょう。
スクワットテストが十分にできなかった
ハムストリングはじめ下肢の筋肉と股関節や足関節の柔軟性はあるものの、基礎的な筋力が不足。筋力向上を目的とした筋トレを中心に取り組みましょう。
前屈テストが十分にできなかった
股関節の可動域が不足しているため大臀筋やハムストリングの柔軟性向上を目的とした筋トレを中心に取り組みましょう。
しゃがみ込みテストが十分にできなかった
足関節の可動域が不足しているためスムーズなペダリングを阻害している可能性が高いです。下腿三頭筋(ふくらはぎ)の柔軟性を高められる筋トレを中心に取り組みましょう。
教えてくれた人
Personal & Cycle STUDIO i
伊藤透さん
自転車を専門にするパーソナルトレーナー。名古屋市内でトレーニングジムを運営するパーソナルサイクルスタジオアイ代表。最先端の知識をもとにした科学的アプローチには定評がある。自身も20代のころに海外ロードレース活動の経験をもつ。2020シーズンから、実業団ロードレースチーム「TEAM ORCA」を立ち上げJBCFに参戦。安全走行スキルを学べる星が丘サイクリングスクールも主催
ホームページ https://cyclestudioi.com
バイシクルクラブ3月号では目的別の筋トレ方法を詳しく解説
バイシクルクラブ3月号では、目的と自分自身のフィットネスレベルに合わせた効果的な筋トレ方法を詳しく紹介している。
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT&PHOTO:ハシケン
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