登場するのがちょっと早すぎた斬新な自転車パーツたち、編集部ニシヤマが選ぶトップ5
ニシヤマ
- 2021年01月27日
INDEX
自転車やロードバイクにまつわる、あれやこれやの事柄たち。記憶に残るトップ5を編集部のニシヤマが語る。
なかなかすばらしいアイデアながら、当時のサイクリストに認められるには登場が早かったパーツたち。時間を経て眺めてみれば、いまや普及しているスペックの元祖たちだった。
時代がまだそこまで必要としてなかった
今回私が選んだのは、ビンディングペダル、電動メカ、手元シフター、楕円チェーンリング、エアロデザインなどの元祖といえる5つのパーツたちだ。並べてみると、今ではごく普通のロードバイクスペック、もしくはよくあるカスタムパーツのひとつとなって普及しているのがわかる。
当初登場したときは、多少話題になっても、やがて消えていった。後に広く普及することになるのだとしても、まだ完成度が低かった、時代がまだそこまで必要としてなかったなどの理由で、消えていくものは少なくない。
自転車のパーツの歴史を見てみると、アイデア自体はわりとぐるぐると回り続けている。アヘッドステムやインテグラルヘッドは、戦前にもあったし、おそらく手元シフター的なものは、もっと前にも存在したと思われる。
電動メカのようなパーツは、テクノロジーの進化が、自転車を変えていったもののひとつだろう。近年は、電動アシストがスポーツバイクにも組み込まれて、これが自転車界の未来をどう変えていくのか気になるところだ。
とはいえ、広い目で見ると、ペダルをこいで進む2輪車というベーシックな部分は変わらない。電動でアシストしようが、近い将来に回生フル充電システムが加わろうが自転車は自転車だ。
この自転車という乗り物は、人類を夢中にさせる。自転車に魅了された一人として、お宝パーツを集め続けたい。
ビンディングの元祖「チネリ・クリップレスペダル」
チネリ・M71。ペダルとシューズの確実な固定に挑んだ初めての製品だった。しかしビンディングペダルが一般化するのは、後の1984年にルック・PP-65が登場してから。
シューズ固定に挑んだ
チネリというとフレーム&完成車メーカーとして有名だが、70年以上もの長い歴史では、プラスチックベースサドルなどエポックメイキングなパーツを数々生み出している。史上初のクリップレスペダルもチネリが1971年に発売したもので、これが今のビンディングペダルの原型といえる。トークリップのバンドを締め上げる必要がなく、シューズとペダルの固定力も高かったが、使い勝手はよくはなく数年で姿を消した。
プレートが入った状態。前部のノブを押すとプレートが開放され抜ける仕組み。とっさには開放しずらく、選手たちにあまり普及しなかった。
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