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Wilier Triestina・FILANTE SLR【ハシケンのロードバイクエクスプローラー】

走れるスポーツバイクジャーナリスト、ハシケンによる100kmインプレッション連載。
気になる最新のトップモデル1台を徹底的に掘り下げて紹介。
今月は、イタリア老舗ブランドから新たに誕生した注目モデル「フィランテSLR」の全貌を明らかにする

軽さとエアロをまとった老舗イタリアンブランドのニューフェイス

群雄割拠のイタリアンバイクにおいて、いぶし銀の輝きで変わらぬ存在感を示すブランドがある。イタリア北東部のアドリア海に面したトリエステ市の紋章に由来する三叉の槍をマークとするウィリエール・トリエスティーナだ。

バッサーノの商人ピエトロ・ダル・モリン氏が始めた自転車工房「スチールホース」の設立まで含めると、その歴史は1906年にさかのぼる。コルナゴ、ピナレロ、デローザという名門ブランドが相次いで誕生した1950年代より、はるか半世紀前に始まった老舗ブランドだ。

1940年代には、ジロやツールを制覇しイタリア随一のレーシングブランドとして躍進。かつては伝説のクライマー、マルコ・パンターニがラルプ・デュエズを駆け上がり、近年はランプレなどUCIプロチームのサポートを積極的に行ってきた。

2020年のツール・ド・フランスでは、アスタナプロチームとトタル・ディレクトエネルジーの2チームが活躍。軽量モデル「ゼロSLR」に乗ったアスタナによってステージ2勝をあげたことは記憶に新しい。

そんな躍進を続けるウィリエールから2021モデルとして新たに登場したモデルがフィランテSLRだ。エアロロードのチェントシリーズと軽量ロードのゼロシリーズを融合させたような、まったく新しい軽量エアロロードだ。

ケーブルフル内装を実現し、電動変速&ディスクブレーキ専用設計のフレームは、エアロチュービングながらフレーム重量880g(マットブラック)の軽さを実現しているという。

今月は、この最新の注目モデルのテクノロジーからライドフィールまでを徹底的に紹介していくことにする。

 

TECHNOLOGY

軽さと空力性能を融合して誕生したフィランテSLR。ウィリエール初となる
ディスクブレーキ専用設計のエアロロードを構築するテクノロジーに迫る

エアフローを最適化する意欲的な設計と軽さを融合

フィランテSLRはやや角のとれたカムテール形状を特徴とするエアロチューブを採用し、電動変速専用、ディスクブレーキ専用設計により、最先端のトレンドをくんだ軽量エアロロードらしいフレームに仕上がっている。

フレーム素材には、軽量モデルのゼロSLRで初めて採用された独自開発のハスモッドカーボンを使用。そこにL.C.P(リキッド・クリスタル・ポリマー)こと液晶ポリマー技術を投入し、軽さと振動吸収性を高めている。フレーム重量は880g、フォーク重量335gとなりエアロロードとしての軽さも高レベルにある。

前方からのエアフローについては、フォーククリアランスをチェント10プロよりも13.6%も拡張し、タイヤクリアランス自体は7mmも広がる。これにより空気の抜けのよさを実現。さらに、横風に対する整流効果を追求し、かつてなく高いエアロダイナミクス性能を獲得している。

ハンドルバーは専用設計のフィランテバーを新たに開発。コラム形状はチェント10プロがD型断面だったのに対して、真円に変わり、メンテナンス性と剛性面でもプラスに働く。

このほか、フィランテのフォークエンドは片側にスリットがあり、ホイールの脱着がスムーズなマヴィックのスピードリリース機構を採用している点も魅力だ。

01 幅広いヨーアングルに対応するラウンドカムテールチューブの採用

フォーク、ダウンチューブはじめ各所にヨー角がある風に対して最適化するため、カムテール形状の角が取れたラウンド形状のチューブを開発。フォーククラウンもフレーム側にインテグレートされ空力性能を追求する

02 ローターサイドの剛性を高めた左右非対称フロントフォーク

ローターサイドのフォークレッグを太く設計した左右非対称フォーク。ローター側はブレーキ時のねじれを防ぐ。超ワイドスタンスのフォークレッグを実現し、フォークとホイールを抜ける前方からのエアフローを最適化

03 13.6%も拡張したワイドクリアランス設計

タイヤクリアランスは大幅に拡張し、30Cタイヤまで装着できる新設計。シートステーはシートチューブの低い位置に設計し、昨今のエアロフレームのトレンドをくむ。フロントフォークと同一の形状でエアフローを向上させた

04 新設計のシートチューブと内蔵型シートクランプの採用

独自のラウンド型カムテールチューブを特徴とするシートチューブは、トップチューブとシートステーを美しく融合させる新スタイル。内装型シートクランプの固定には臼式を採用し、安定感のある固定を約束する。重量165gの軽量シートポストは0mmと15mmオフセットの2種類を用意しセッティング幅を確保する

05 適性サイズを選択可能なケーブル内装ゼロSLRハンドルバー

専用の「フィランテバー」の設定もあるが、日本人好みのステム長100mm・幅400mのサイズ展開がないため、サイズのあるゼロSLRに付属する一体型ハンドル「ゼロバー」が標準仕様となっている。いずれのハンドルもケーブルの完全内装化を実現している

06 ホイール脱着がスムーズなスピードリリース機構を採用

スルーアクスルを完全に抜かずにホイールを容易に脱着できるマヴィックのスピードリリース機構を採用。このため、非ローター側のフォークエンドはスラック構造で、スルーアクスル側にはシャフト径を細くした溝がある。レース現場の声を反映するウィリエールらしいこだわり

 

100km IMPRESSION

軽さと空力性能を融合させたウィリエール渾身の新型エアロロード・フィランテSLR。
実走派ライター、ハシケンが年末年始で100kmインプレッションを実施した

次世代をになう中身をともなった軽量エアロロードを本気で作ってきた

2020年の最後の日は、凍てつく寒さも忘れるほど新たな相棒とのコミュニケーションに夢中になっていた。お相手は軽量エアロロードとして誕生したフィランテSLRだ。この数日前には、茨城県の霞ヶ浦で100kmのロングライドを走っていた。つまり、この日はフィランテSLRによる2度めの100kmだ。

さて、数々の2021モデルを乗り継いできた2020年。最後のバイクとなったフィランテS LRは、相対的に見て軽量エアロロードとして間違いなく成功を収めたと感じた。

近年、各社のエアロロードは、ただ平地が速いだけでは評価されにくくなっており、起伏や速度変化にも強いバイクこそ真のエアロロードとなっている。その回答が軽量エアロロードだ。

しかし、「山岳も上れる万能エアロロード」というような謳い文句と、実際の性能がかけ離れているモデルが多いことも事実だ。

ここは個人的な主観にはなるが、ロードバイクたるものペダリングの踏み込みやすさ、反応性のよさ、推進力の得やすさこそ優先したい性能だ。さらに、それらの性能が発揮されるのが平地のみなど、シーンが限定されてはいけないと思っている。その点、フィランテSLRは、文字どおり軽量エアロロードとしての性能を有していた。しかも高次元で。

ペダルに力を込めれば、レーシングバイクらしいダイレクトな感覚が返ってくる。決してネガティブな硬さを感じることはなく、クランクの1〜3時の位置で最大トルクをかけながら5時あたりまでスッと踏み抜ける印象だ。

ゼロスタートから時速30km台の低中速域でのレスポンスも高く、ロードレーサーらしい軽快さを楽しめる。そこから、もう一段トルクをかけても、リズムが崩れることなく時速40kmを超える速度域へもスムーズに移行できた。

30Cのタイヤに対応していてもクルマのSUV的な重厚感のあるバイクではない。その分、トラクション性能の高さや切れ味がしっかり伝わってくるタイプだ。

印象的だったのが、ダンシングシーンでのフロントフォークの存在感だ。フォークが倒れた瞬間にグッと路面をつかんだかと思えば、リアのトラクションを受けながらフォークが滑らかにリードアウトしてくれるのだ。

ナイフで切り裂くようなシャープなフロントフォーク性能を確認できた。エアロロードにありがちなフロントが重めの印象もなく扱いやすい。これは山岳のクライミングでも期待できそうだと筑波山へ向かった。

ヒルクライムバイクといえばゼロSLRの存在があるが、ゼロSLRは入力に対してトラクションが1回ごとにしっかりかかるドライなクライミングバイクだ。一方でフィランテSLRは1回ごとのトラクションが持続するイメージで、上り坂でも常に加速が続く印象だ。

どちらにも登坂の気持ちよさはあり、この点は好みの問題でもある。とにかく、筑波山で獲得標高1000mほど上った結果、フィランテSLRは、軽量エアロロードとして確かな性能を有していた。山岳も行けるエアロロードだと約束できる。

没個性の時代にワイドスタンスなフォークにより整流効果を高める構造など個性を持ちつつ、ケーブル完全内装化など定番化しつつあるトレンドはしっかり組み込んだフィランテSLR。

また、専用ハンドルのフィランテバーが開発されたにもかかわらず、国内代理店が日本人向けのサイズ展開のあるゼロバーハンドルを用意するなどユーザーを大事にしてくれている点もありがたい。

今回、新しいネーミングで登場したフィランテSLRは、ゼロシリーズとチェントシリーズのいいとこ取りをした意欲作であり、ウィリエールのエアロロードに対する意気込みを感じる。

ここまで完成度を高めてしまい次期後継モデルはどうするのか!?そんな心配をしてしまうほどフィランテSLRは高次元な軽量エアロロードであることを、今回のトータル200kmライドのなかで示してくれた。

 

SPECIFICATION

Wilier Triestina/FILANTE SLR

デュラエース完成車価格:120万円(税抜)、アルテグラ完成車価格:84万円(税抜)
フレームセット価格:59万円(ハンドルバー付属・税抜)
■フレーム:ハスモッドカーボン+L.C.P(880g)
■フォーク:ハスモッドカーボン+L.C.P(335g)
■ハンドル:ウィリエール・ゼロバー
■サイズ:XS、S、M、L、XL
■カラー:レッド、マットブラック/レッド(受注発注)
■試乗車参考重量:7.19kg(Mサイズ・ペダルなし)
※フレームセットのみ、グレー/グリーンカラーあり(69万円・税抜)
※試乗車と実際に販売されるパーツ仕様は異なる

GEOMETRY

問:服部産業 スポーツ事業部  www.wilier.jp

 

ハシケンのロードバイクエクスプローラーの記事はコチラから。

「ハシケンのロードバイクエクスプローラー」一覧

出典

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PROFILE

ハシケン

BiCYCLE CLUB / スポーツジャーナリスト

ハシケン

ロードバイクに造詣が深いスポーツジャーナリスト。国内外のレースやロングライドイベントを数多く経験。Mt.富士ヒルクライムの一般クラス優勝、ツールド宮古島優勝。UCIグランフォンド世界大会への出場経験あり。

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