BRAND

  • FUNQ
  • ランドネ
  • PEAKS
  • フィールドライフ
  • SALT WORLD
  • EVEN
  • Bicycle Club
  • RUNNING style
  • FUNQ NALU
  • BLADES(ブレード)
  • flick!
  • じゆけんTV
  • buono
  • eBikeLife
  • HATSUDO
  • Kyoto in Tokyo

STORE

  • FUNQTEN ファンクテン

MEMBER

  • EVEN BOX
  • PEAKS BOX
  • Mt.ランドネ
  • Bicycle Club BOX

ロード用チューブレスタイヤの空気圧7barは高すぎ! 適正空気圧を検証してみた

いままでロードバイクの空気圧は7気圧(≒7bar)が常識とされてきたが、より低圧がスターンダードになりつつある。というのも、タイヤ幅が25C、チューブレス化、リムがワイド化、さらにフックレスリムが登場したことで、より低圧が推奨されているからだ。

例えば今回紹介するジャイアントのチューブレスレディタイヤ。ガビア・コース1(700×25C)の場合、5.5bar(ライダーの体重が60-70㎏、タイヤサイズ25C、リムの内幅が19.4㎜の場合)となる。クリンチャータイヤの空気圧「とりあえず7bar」という常識が通じなくなっているのだ。

そこでベテランライダーには信じられない新常識を検証するため、元シクロクロス日本チャンピオンで前田公平さんによるタイヤの空気圧の検証テストを行った。

前田さんが教える空気圧セッティング
「圧が高いとバイクは跳ねてしまい、スピードに乗せられない」

編集部:

空気圧をセッティングするときに、どんなところをみるんですか?

前田:

バイクが跳ねすぎないことですかね。どれだけ転がりが軽くてもバイクが跳ねてしまうとスピードに乗せられないですから。逆に空気圧を下げすぎると路面抵抗が増えてしまうので、そのバランスがいいところを探るという感じです。重くなりすぎず、バイクが跳ねすぎないところを探していく感じです。

編集部:

どんな走行シーンで空気圧の違い感じますか?

前田:

コーナーでもさすがにロードだとタイヤのヨレまでは感じられません。ただ、空気圧が高いとコーナーでバイクが跳ねてしまったり、接地感が弱くなって路面から弾かれてしまい、安定して速く走ることは難しいと思います。

推奨空気圧を基準に4つの空気圧を試してみた

テストホイールはジャイアント・SLR 1 42 DISC。フックレスシステムを採用している。

今回のテストでは以下の4つの空気圧をテストしてみた。改めて前田さんにチューブレスで空気圧を変えてテストしてもらったが、7barはもはや高すぎてしまい、乗った瞬間から前田さんからNGが出てしまうほどだった。さらに空気圧を下げた6.5barでも空気圧としては高すぎるという。

テスト気圧

  1. 一般的な「チューブド」で使われる空気圧・・・・・・7気圧(bar)
  2. 前田さんが通常「チューブド」で好む空気圧・・・・・6.5気圧(bar)
  3. 前田さんがチューブレスで好む空気圧・・・・・・・・5.6気圧(bar)
  4. ジャイアントがフックレスタイヤで推奨する空気圧・・5.5気圧(bar)

テスト条件

  • ライダー:前田公平 体重63㎏
  • バイク:ジャイアント・TCRアドバンスド プロ1ディスク
  • ホイール:ジャイアント・SLR 1 42 DISC
  • タイヤ:ジャイアント・ガビア・コース1(700×25C)

6.5気圧(6bar)以上では気圧が高すぎて跳ねてしまう

編集部:

空気圧6.5barだとどんな感じですか?

前田:

タイヤが硬くなってしまい、跳ねてしまうためコーナーでもグリップ感がかなり失われてしまった。そうなると乗りにくいし、怖さを感じます」という。

編集部:

ジャイアントが推奨する5.5barの場合いかがでしたか?

前田:

バイクが暴れなくなり、タイヤがグリップがよくなります。転がり、グリップ、そして振動吸収性が高いレベルでバランスがとれた状態になります

結論からいえばジャイアントの推奨空気圧が基準になる

じつは前田さん今回初めてジャイアントに推奨空気圧があることを知ったという。で、その

  1. リム、タイヤ、およびリムテープに表示されている最大空気圧を絶対に超えないでください。
  2. GIANTとCADEXタイヤの最小空気圧は、23Cと25Cタイヤで70psi(4.8bar)、28Cタイヤで50psi(3.4bar)、32Cタイヤで45psi(3.1bar)です。これを下回る空気圧で使用しないでください。
  3. 上記の数値は、最適な空気圧を見つけるための、「最初の空気圧」を表示しています。

https://www.giant.co.jp/giant21/showcase/tire-pressure/ より引用

安全のためにタイヤには最小空気圧が設けられているのでこれを確認しよう。ちょっと紛らわしいのだが、ジャイアントの場合、タイヤに印字された空気圧の範囲は5.9~8.6barとなっているが、上の表にあるようにメーカーのWEBサイトにはチューブレス運輸時の推奨最小空気圧は23C、25Cでは4.8barと書いてあり、こちらが優先される。タイヤサイドに記載している工業規格とメーカー推奨最小空気圧が違うこともあるので、メーカーの公式WEBサイトなどで情報を確認しよう。

5.5barと5.6barの違いは分かるのか?

ところでジャイアントの推奨空気圧の5.5bar。いっぽう前田さんがテストを繰り返して経験的に求めてきた空気圧は5.6bar。たった0.1barの違いがわかるのか? 前田さんに聞いてみた。

編集部

5.5barと5.6barの違いはありますか?

前田:

実際に5.5barと5.6barとでは違いはわかりますが、明確な差ではありません。強いていえば前輪のほうがわかりやすいですかね。5.5barのほうがちょっとだけ路面を掴む感触が強くて、ソフトな感じがします。微調整をどう考えるかといえば、あとは乗っているバイクの性質にもよりますが、振動吸収性が高ければ少し空気圧を高めにするといった具合に調整していきます。

さらに空気圧を下げすぎるとどうなるの?

編集部:

今回参考までにさらに低圧な5.0barも試してもらいましたが、いかがでしたか?

前田:

今回5.0barまで下げて乗ったんですが、ソフトになり乗り心地自体は快適なんですが、転がり抵抗は大きくなり、ハンドリングや加速のもたつきも感じるようになります。

ジャイアントではチューブレス運用時の推奨最小空気圧は23C、25Cでは4.8barとしている。これより低いと事故のもとになるので気をつけよう。

前田公平

MTBクロスカントリーやシクロクロス、ロードレースまで幅広いジャンルのトップ選手として活躍し、2020年で現役を引退。機材への造詣も深く、選手経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。

フックレスリム=ワイドリムでさらに低圧が推奨される傾向に

今回テストしたホイールはジャイアント・SLR 1 42 DISC、このフックレスリムシステムの利点として「軽量性」「リムの耐久性」「ハンドリング性」「エアロ性」の4つが高まることが上げられる。今回のテーマ「空気圧」とフックレスリムシステムの関係を見ていこう。

リムをフックレスにすることはワイド化と同じ効果がある

フックレスリムではフックを排除した分、同じ外幅のリムでフック付きとの比較でビードとリムの接点が広くなり、その分ワイドリム化と同様に実際のタイヤ幅は太くなる。上の図のようにフックレスリムにするだけで23Cタイヤの幅が実質25mmへ広がり、25Cタイヤとフック付きリムの場合と同じタイヤ幅となる。

さらにジャイアントの場合でフック付きリムとフックレスリムを比較すると、2020モデルまで採用していたフック付きリム「SLR 0 42 DISC」で外幅23mm、リムの内幅17mmとなる。いっぽう2021モデルのフックレス「SLR 1 42 DISC」だと外幅は同じ23mmで内幅19.4mmとなり、リム幅が変わらないのにワイド化したのと同じ効果が得られる。

コーナーでも安定するので低圧が可能

フックレスリムの場合、フック付きリムに比べてタイヤ幅が広がる分、タイヤサイドウォールの剛性が高まりタイヤが安定するため、グリップを高めるための低圧が可能になる。さらにコーナーではフック付きリムの場合、フックの分だけタイヤの首が小さくなるため、フックレスに比べてサイドウォールが変形しやすく、低圧での運用は限界がある。こうした理由から、フックレスリムの場合、フック付きリムに比べ適性空気圧がより低圧となる。

低圧にすると転がり抵抗が低くなる理由は?

チューブレスタイヤの登場やタイヤの研究が進んだ結果、タイヤのベスト空気圧がより細かくわかるようになってきた。そこで各社が推奨している空気圧がいままで以上に参考になる。これは速く快適に、そして安全に走る上で欠かせない情報だ。「なぜロードバイクのタイヤでは低圧が高圧よりよいのか?」そのメカニズムについてはバイシクルクラブ4月号「ふじいのりあきのロードバイク研究所」をぜひ参考にしてほしい。

 

バイシクルクラブ4月号
amazon

 

出典

SHARE

PROFILE

Bicycle Club編集部

Bicycle Club編集部

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

Bicycle Club編集部の記事一覧

No more pages to load