いま注目の女子ロード選手・植竹海貴、自転車通勤がきっかけでショップ店員になった
Bicycle Club編集部
- 2021年04月12日
春の訪れとともに日本国内でもサイクルロードレースのシーズンが本格スタートした。女子の全国リーグであるJBCF(全日本実業団自転車競技連盟)のJフェミニンツアーも開幕から3戦を終えたが、ここで大きな異変が起こっている。昨年までツアー年間5連覇中の唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)を抑えて、植竹海貴(Y’s Road)が破竹の開幕3連勝を飾ったのだ。植竹はツアー参戦4年目の25歳。昨年のツアーランキングは11位だった。大躍進の秘密は?
強さの秘密はスマートトレーナーで実力を少しづつ伸ばしたこと
写真は2019年11月のJBCF 幕張新都心クリテリウム。すでに2019年シーズンにもJフェミニンツアーで4勝している。
「いきなり今年から強くなったとは思っていません。長いスパンで目標に向かって少しずつ強くなっていっていると感じています」
そう語る植竹は現在、ワイズロード新宿本館で働き、スポーツバイクやパーツの販売に携わる。スマートトレーナーSARISの販売担当でもあり、SARISを始めスマートトレーナーの販売やその魅力、自身のトレーニング日記を店舗のウェブで発信も行う。昨シーズンオフはSARIS H3スマートトレーナーとZwiftを使用し、心肺機能を高めるトレーニングに取り組んだという。
トレーニングは毎日の通勤と、仕事終わりのZwiftワークアウト。また仕事前に週1回パーソナルトレーニングに通い、ウエイトトレーニングと、ローラー台でのインターバルトレーニングに打ち込む。休日は100〜200kmのロングライドを行い、峠でのTTや、峠までのハイスピード巡航を行っているという。
じつは植竹が結果を残すのは今年が最初ではない。2019年シーズンにはJBCFのクリテリウム、ロードレース、ヒルクライムで計4勝を挙げ、年間ランキングでは3位に入っていた。しかし2020年はコロナとケガの影響で、ほとんどレースに出られず結果も残せなかった。今年は調子を戻して、現在のFTPは2019年の春先を上回っているという。
自転車好きからワイズロードで働らきはじめた
写真は社内イベントでのガイドを務めたときの様子。
スポーツ自転車を始めたきっかけは、保育士として働いていたときに通学用にクロスバイクを買ったこと。シティサイクルよりも楽に速く走ることが楽しくて、サイクリングをするようになった。
「もっと速く遠くに走りに行きたくなり、ロードバイクを購入しました」
そう語る植竹は、速さを追い求める天性のレーサー気質があるのかもしれない。練習では格上の男子選手と一緒に練習して闘争心や向上心を燃やす。またレースではフィジカルだけでなく頭脳も使い、より自分が勝ちやすいように作戦を考えて走ったり、スプリントで練習以上の力を発揮することに、楽しさを見いだしているという。
今年の目標はJBCFレースの勝利と、Jフェミニンツアー年間ランキング1位。全日本選手権でもなるべく高い順位で完走したいという。今の勢いがどこまで続くか、また海外組を相手にどれだけの力を見せられるか、彼女の2021年に注目だ。
愛車は2台、レース用と練習用
レースで使っているピナレロ・ドグマ F8
練習と通勤に使っているリドレー・フェニックスSL
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PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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