四万十ヘブンズロード+周辺ルート|高知県・ジャパンバイシクルルート実走調査
Bicycle Club編集部
- 2021年06月26日
日本の道を知り尽くした「ジャパンバイシクルルート選考委員会」が選ぶ、日本が世界に誇れるベストサイクリングルート。日本三大清流の一つで、自然の魅力溢れる四万十川と、その周辺ルートを紹介していく!
INDEX
四国内最長の大河であり、日本三大清流の一つとされる四万十川。
この豊かな川は、ともに生きる人々の暮らしに寄り添ってきた。
雄大な流れと、豊かな自然環境は訪れる人々を強く魅了する。
澄んだ水の美しさだけにとどまらない、その魅力を確かめに行こう。
心に響く魅力を持つ「最後の清流」四万十川
四万十川のような川がほかにあるだろうか。エメラルドグリーンのおだやかな川面は、時に湖かと見紛うほど広く、高知らしい勢いのある緑と調和し、視界全面をキャンバスに、圧倒的な景観を描き出す。下り基調のルートで、周囲を見晴らせる自転車で行くからこそ、眼前の美景を色濃く堪能できるのだ。
不思議と、ここを走ると「帰ってきた」という郷愁のような感動で胸がいっぱいになる。川には人工物が少ない。増水時には水に沈み、自然に調和する沈下橋が象徴するように、いつの時代も変わらず人々は川を尊重し、共存し、この地域を守ってきた。不変で、万人をも受け入れる雄大さが、故郷のような感覚を沸き起こさせるのだろう。
温かく、まじめで、人なつっこい地域の人たちも高知の大きな財産。地元の方々との交流も忘れられない思い出になる。
地域最古の沈下橋で夏休みの少年たちに出会った。川に飛び込み深みを泳ぐ姿も、くっきりと見せてくれる驚きの透明度。手付かずの自然の中の橋に立つ少年たちのピンと伸びた背筋、媚びも小賢しさもない、強く真っすぐな眼差しを見て、ハッとする。「最後の清流」と呼ばれる四万十川には、日本人が古くから大切にしてきたものが、最後まで残されているのではないだろうか。何度走っても、強く心をひかれる理由は、そんなところにあるのかもしれない。
ジャパンバイシクルルートの詳細はこちらから。
四万十ヘブンズロードのココがいい!
お遍路さん用サービスを利用できる
八十八箇所巡りのお遍路さんをもてなす「お接待」文化が根付いている高知では、サイクリストも温かく受け入れてもらえる。各地に用意されたお遍路さん向けの休憩や着替え施設なども利用可能
道の駅の数も内容も充実している
「道の駅だけでいい」と言えるほど、品ぞろえやテナントの内容も充実した道の駅がルート上の使いやすい位置に並び、走るなかでエリアの名物やおいしいものを味わえる。路面標示もあり、ライドの指標にも
サイクリストフレンドリーな高知空港
自転車組立、輪行スペースがあり、工具やフロアポンプも利用可能。空港内には更衣室も。コインロッカーに飛行機輪行の袋を入れ、最寄りの「のいち駅」で輪行袋を借りれば、輪行の旅も機動的に!
レンタサイクルも充実
四万十町、四万十市、宿毛市の観光協会などがレンタサイクルを運営。とくに宿毛はロードやクロス、電動アシストに加え、Eバイクもラインナップ。五輪まではキャンペーンで半額の1日1000円で利用できる
鉄道の輪行袋無料貸出サービス
土佐くろしお鉄道の宿毛駅、中村駅、窪川駅(返却のみ)、のいち駅、安芸駅、奈半利駅、JR四国の高知駅で輪行袋の貸出サービスがあり、上記区間の列車利用者は輪行袋を無料で利用できる
サイクルトレインが常時運行
土佐くろしお鉄道中村・宿毛線では、対象の便にはスポーツバイクをそのまま積み込め、全駅乗降可能。料金100円(要事前予約・詳細は中村駅0880-35-4961)。JR予土線でも期間限定で運行中!
四万十川と太平洋、ビッグスケールを自分サイズで
清流、黒潮、豊かな森林と広がる田園風景。サービスや情報をうまく取り入れ、自分のベストルートを作り、楽しもう。
魅力いっぱいの土地ベストプランで楽しもう!
今回のエリアは広域だが、ほぼ幡は多たという地域に含まれ(四万十町以外)、探訪計画も練りやすい。
この地域は日本でもトップクラスの美しさを誇る四万十川や黒尊川などの清流、黒潮の流れる真っ青な太平洋と美しい浜、全国有数の林業地域が誇る緑深き山々と、ここにしかない自然環境に恵まれている。海や川、山や大地が育む良質の食材も豊富で、高知有数の米どころでもある美食の土地。
歴史ある名店に加え、新たな試みやおしゃれな店舗も多い。域内の公共交通も活用しながら、何をいかに楽しむのか、選び取って自分のベストプランで走りたい。
ルート1
「四万十ヘブンズロード」
太平洋側から上り、峠を越え、四万十川とともに下る。海、山、清流を楽しめる満足度大のメインコース
詳細はこちらから
ルート2
「足摺(あしずり)チャレンジングコース」
黒潮が流れる太平洋岸を中心に、四万十川河口付近や足摺岬、柏島など、水辺を巡る走り応えのある100マイル
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ルート3
「黒尊川絶景コース」
四万十川を近くに眺める西土佐、美しき渓流・黒尊川、海のまち宿毛と趣の異なる絶景をつなぐ濃厚なコース。黒尊渓谷は紅葉の美しさでも有名
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ルート4
「四万十下りコース」
窪川駅から四万十川とともに下る四万十を楽しむためのコース。下り基調で、車種や脚力に左右されず楽しめる
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ルート5
「宿毛(すくも)満喫ライド」
宿毛の海や山を楽しむショートコース。脚力や時間に合わせコースをアレンジしたい。レンタサイクルも利用可能
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地域の穴場情報も!? マップやサービスの活用を!
広大な幡多地域は自転車歓迎態勢! 鉄道の輪行袋の貸出やサイクルトレインを活用すれば、走破可能な距離に縛られず計画が練れる。ロングコースを駆け抜けるのも最高だが、地域ごとのレンタサイクルやサイクルマップを活用し、地元グルメを巡るショートライドや、Eバイクを借り、峠を攻めてみるのもいいだろう。楽しみ方は、無限大!
豊富な推奨ルートを組み合わせ、満足プランを練ろう
沈下橋は必ず訪問前に確認を
サイクルライフナビゲーター
絹代さん
イベントやレースのMCや執筆、健康/観光/町づくりなど自転車に関わる全般でマルチに活動中。茨城県内の自転車活用推進計画などの検討委員も務め、自転車環境の向上や魅力発掘・発信等の活動にも携わる。
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