MULLER(ミューラー)・MSP|ニューモデルインプレッション
管洋介
- 2021年05月03日
注目の最新モデルを徹底インプレッション! 今回は、軽量化と剛性を両立しつつもクロモリらしいしなやかな乗り味を実現したメイド・イン・ジャパンのクロモリロード、MULLER(ミューラー)・MSPを管洋介がテスト!
メイド・イン・ジャパンのスパイラルクロモリロード
スチールからチタン、ステンレスなど金属製フレームにこだわるバイクを展開するミューラー。「日本の感性と技術を結集したバイクを創る」をコンセプトにメイド・イン・ジャパンプロジェクトをスタート。その第1弾モデルが今回モデルチェンジした、スパイラルクロモリチューブを採用したMSPだ。
チューブの外周部に6本のリブをらせん状に配置することで、路面からの振動を分散。軽量化と剛性を両立しつつもクロモリらしいしなやかな乗り味を実現した。初代モデルではカーボン製だったフォークも、あえてタンゲのクロモリに変更。細身のストレート形状で、よりスチールバイクらしさを演出する。
ミューラーではこのバイクの用途をロングライドやヒルクライムを得意とするオールラウンダーとして位置づけている。いわばスチールフレームの魅力を最大限に生かした正統派ロードバイクのあるべき姿といえるだろう。
トラディショナルなリムブレーキモデルのほかに、フラットマウントのディスクブレーキモデルも用意した(+5万5000円)。最先端のカーボンフレームとは一線を画しながらも、走りに一切の妥協を許さないユーザーに受け入れられるモデルへと仕上がった。
チューブ外周に6本のリブをらせん状に配置した「スパイラルクロモリチューブ」を採用。乗り味のよさに貢献している。
チューブはティグ溶接によって美しく組み上げられる。シートチューブには誇らしげにMADE in JAPANの文字が日の丸とともにあしらわれる。
細身のストレート形状クロモリフォークは、路面からの振動を吸収しつつも入力に対してはレスポンスよく反応する。
シートステーは伝統的なツインステーを採用。ペダリングのパワーを受け止め、クロモリの特性によって振動を吸収する。
ミューラー
MSP
21万7800円(フレームセット)
■フレーム:スパイラルクロモリチューブ、タンゲ・クロモリ(シートステー、チェーンステー) ■フォーク:タンゲ・クロモリ ■コンポーネント:シマノ・105 ■ハンドル:コントロールテック ■ステム:アルミ ■シートポスト:コントロールテック ■サドル:プロロゴ・スクラッチ ■ホイール:カンパニョーロ・シャマルミレ ■タイヤ:パナレーサー・レースAエボ3 ■カラー:CP ■試乗車重量9.0kg(編集部実測値サイズ/ペダルレス)※付属品以外はテストバイクのスペック
身体と一体となって加速するスチールバイクの心地よさを最大限に発揮
管洋介がインプレッション
細身のスチールパイプだからこそ引き立つ艶やかなメッキ仕上げに、らせん状のリブが作り出すきらめき。思わず見とれてしまう美しさだ。その踏み味はフレームの芯にトルクが響きながらも、つねに前にスッと抜けていく軽やかな印象だ。このバイクとの一体感は、長距離ライドのスタートラインに立ったときに感じる疲労への不安感を排除してくれる。
そしてこの軽量なトーンは平地のみならず、踏み込みの力が増す上り坂でも発揮。立ちまわりの軽いストレートフォークとBBウイップのリズムによって、驚くほど早く駆け抜けられる。シンプルな形状からは想像できないほどの走力の高さにつくづく驚かされた。ロングライドはもちろん、アップダウンが続くようなレースにも使用してみたい一台だ。
インプレッションライダー
管洋介
競技歴25年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。最新のカーボンロードからスチールバイクまで、長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168cm。
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問:ミューラージャパン
http://mullerjapan.com
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