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1年に1回しか自転車で上れない山「岩木山」制覇|筧五郎が青森・白神を往く【番外編】

青森県にそびえる単独峰、岩木山。ここを上る道路「津軽岩木スカイライン」。普段は自動車専用道のため自転車で上ることはできないが、年に1回チャレンジヒルクライム岩木山のときだけ上ることが許される、幻のコースなのだ。ここではヒルクラマーでおなじみの筧五郎さんが、チャレンジヒルクライム岩木山実行委員会の協力を得て、特別に岩木山を上ってきた。その様子をお伝えする。

レース当日しか走れない特別なコース、ずーっと走りたかった

岩木山は僕がいつかは走ってみたいと思っていた山。

その理由は「走りたいと思ったらいつも走れる道とは違うから」。津軽岩木スカイラインは自動車専用道路で、しかも前日の試走もできないので、レースが行われる当日しか自転車で走ることが許されない。

「レース当日が来年への試走」と考えれば、レース直後にライダーが感じた失敗や改善点は、また来年もチャレンジしよう思わせる。だから毎年エントリーするライダーが多いんだろう、と勝手に納得している。

僕は毎年毎年、チャレンジヒルクライム岩木山のホームページが更新されるのを見てため息を漏らしていた。というのも、ロードの全日本選手権や長年で続けている長野県松本市で開催される美ヶ原ヒルクライムと日程が重なるからだ。エントリーを断念するしかなかったのである。

愛知からも飛行機でアクセスもよく、温泉も魅力

青森への遠征も 愛知県の小牧空港からFDAを使えば 青森空港まで1時間足らずで到着してしまうし、事前予約すれば自転車梱包する箱も貸し出しも可能なので 輪行袋が必要なく、名古屋市内の自宅から小牧空港まで自走で行って 前後輪の車輪を外して箱に入れればいいのである。

しかも、レースのスタート地点は嶽温泉なので、宿泊施設も充実しておりレース後にも入浴可能だ。じつはそこまでして下調べして走りたいと思っていたほどなのだ。

「あ~岩木山 岩木山・・・・・である」

歌でいえば、平井堅さんの「思いが重なるその前に」という具合にだろう。

僕が思う岩木山の魅力は、津軽富士と呼ばれる独立峰、さらに山岳信仰だ。岩木山の麓には岩木山神社があり、岩木山大神が祀られている。ようやく今回岩木山を上ることができ、岩木山神社を訪れたが、長い長い参道を歩いた先に大きな拝殿が待ってくれた。

さらに、秋には紅葉に染まった69個の九十九折れが有名で、その写真が新聞に掲載されるのをよく見たことがある。その写真は「走りに来い 走りに来い」と僕を煽ってくるのだ。その気持ちは「いつかいつか」と思わせてきたのだった。

富士あざみラインに並ぶキツさ

岩木山の美しい景観とは裏腹に、津軽岩木スカイラインのコースのプロフィールを見て驚愕してしまった。距離10㎞で、平均勾配9.2%、標高差928m。ツアー・オブ・ジャパンで使われる富士山あざみラインは距離11.5㎞、平均勾配10%、標高差1137mと比べても遜色ないキツさだ。

いざ、岩木山!日の出前からスタート

前日、嶽温泉に泊まり、レースではないにしろ岩木山をついに走る機会を得た。

初めて走るコースに心が躍るが、今回は特別に許されたテスト走行のため自動車道のオープン前に走り始める。時間は日の出前なので素晴らしい風景を見れない(笑)。

関係者の方から、「コーナーのたびにナンバーが書いてあります」と聞かされていたが、真っ暗なので見えるハズもなく陽が差してきたと思ったら、もう40番コーナー付近だった。

しかも、このコースはリズムが取りづらいのだ。九十九折なので一定のリズムで走れるかと思いきや、平坦部分で意外と休めてしまうのでついついコーナーの上りで頑張ってしまうので、かえって疲れてしまう。そのため直線の平坦部分では休んでしまうという悪循環が起きてしまう九十九折である。

ずーっと急こう配の九十九折れであれば一定のリズムで走りやすのだが……。

攻略法は平坦区間でペースを維持すること

さて、このコースの攻略法はといえば、コーナーでは頑張らず、コーナーとコーナーの繋ぎにある平坦基調部分でスピードを上げ、そのスピードを落さずにコーナーに入ることだ。つねにクランクの回転数、ケイデンスを変えず一定で走る、パワー(ワット)の変動を少なくするためにギアを少しづつ軽くして走ることだろう。

そして平坦部分でケイデンスを維持したまま、ギアを一枚一枚重たくしてスピードを上げて、またコーナーでギヤを落とすといった繰り返しを行うわけだ。

コーナーの数69回。なので休むところがない、ずーっと頑張り続けるしかない魔の九十九折れだ。しかし、上った後の景観の素晴らしさは胸が躍るはずだ。

練習ペースで走って39分台

今回、レースをイメージしてFTPを少し下回るくらいで気持ちよく走らせてもらった。平均パワーは270W。コースはレースとは違うのでタイムはあくまでも参考までに。

ご褒美の絶景は、今度来た時にぜひ見たい!

岩木山ヒルクライムが人気があるのは頑張ったご褒美に見られるこの景色。曇っていても納得の風景だっただけに、晴れたらどうなんだろう。いつかまた来たいと心に誓った。

残念ながら2021年は青森県内のみの参加受付だが コロナが収集し、全国のヒルクライマーが岩木山の素晴らしいコースに集まれるようになることを願うばかりだ。青森の皆さん、走れることが羨ましい!

チャレンジヒルクライム岩木山
http://iwakisan69.com/

※2021年は感染症対策のガイドラインに沿って、青森県内在住者限定・300名限定での開催となる。
4月27日からエントリー開始。

リンゴ・煮干しラーメン・そして太宰治
岩木山の麓、弘前には見どころがいっぱい

さらに青森といえばリンゴが有名。岩木山の玄関口である弘前市はアップルパイの街。弘前市内の至る所にアップルパイを販売するお店があった。しかも 安くて美味しいからたまらない。

さらに沢山の煮干しラーメン専門店がある。じつは自宅で煮干しから出汁を取る僕としては、煮干しに心が躍るのだ。地元の方がおススメするお店へと向かった。

煮干しの味がしっかりと残っており スープまでしっかりと飲み干した。カルシウムとビタミンミネラルが同時に摂取できる煮干しラーメンは最強だ。

そして弘前市内には僕の人生のバイブルであり、人間失格の著者である「太宰治」まなびの家がある。太宰治氏が官立弘前高校へ通うために下宿していた家が再建され、一般公開されている。しかも無料!!!

嫌なことがあると、僕は人間失格を読むことが多いのだが、太宰治氏がどのような人生を送っていたかは知らなかった。まなびの家の学芸員さんが丁寧に、しかも太宰治氏本人が使っていた部屋も案内してくれた。

僕にとって弘前は好きな岩木山、そして好きなアップルパイに煮干しラーメンに太宰治氏という、大好き満載な街だった。岩木山へは上れなくとも、また旅で行きたい街なのは間違いない。

筧五郎

全日本マウンテンサイクリングin乗鞍で優勝したほか、シクロクロスマスターズ元日本チャンピオン。酷道の旅を
ライフワークとする56サイクル店主。名古屋でメンテナンスやトレーニング指導を行う。
www.56cycle.com

 

筧五郎が青森・白神を往くはこちらから
筧五郎が往く青森・白神【前編】

青森のサイクリングに関する情報はこちら
青森県サイクル・ツーリズム推進協議会
https://aomori-cycling.com/

出典

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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