独走決めたペストルベルガー逃げ切り、マイヨジョーヌも|クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ
Bicycle Club編集部
- 2021年06月01日
フランスで開催されているクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの第2ステージが、現地5月31日に行われた。前日に続き逃げ切りが決まり、残り18kmで独走に持ち込んだルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)がステージ優勝。個人総合でも首位に立ち、マイヨジョーヌに袖を通している。
集団の追い上げかわしたペストルベルガーがマイヨジョーヌ
フランス南東部を舞台とする大会は、この日から少しずつ東へ針路をとってアルプス山脈へと近づいていく。ブリウドからソーギュまでの173kmは、1級を含むカテゴリー山岳を5つ上る。大小さまざまな変化がある中で、終盤に連続する2級と4級の上りがレース展開にどう影響を与えるかポイントと見られた。
5人の逃げで幕を開けたレースは、リーダーチームのロット・スーダルからマシュー・ホームズ(イギリス)が入り、前日勝者のブレント・ファンムール(ベルギー)に代わって山岳ポイントを稼いでいく。メイン集団はイネオス・グレナディアーズが主にコントロールし、その差を5分ほどまでは容認する。
フィニッシュまで50kmを切り、追撃ムードが本格化すると集団コントロールはバーレーン・ヴィクトリアスが引き受ける。順調に逃げる選手たちを射程圏に捉えたかに思われた。
そんな状況が変化したのは、残り35kmで逃げからペストルベルガーとシェーン・アーチボルド(ドゥクーニンク・クイックステップ、ニュージーランド)が抜け出したあたりから。スピードのある2人が下りと平坦で加速すると、再びタイム差は拡大傾向に。しばらく2人逃げの状態が続いたが、残り18kmでアーチボルドがついていけなくなるとペストルベルガーの独走態勢に。この間、メイン集団からいくつかアタックが見られたが、いずれも前線を追撃するきっかけにはならなかった。
残り10kmを切り、最後の上りが始まって再び集団のペースが上がったものの、独走を得意とするペストルベルガーを捕らえることはできず。前日の勝利でマイヨジョーヌを着てスタートしたファンムールや、クリストファー・フルーム(イスラエル・スタートアップネイション、イギリス)らが遅れ、約40人に絞られた集団は2位争いのスプリントに移るのが精いっぱいだった。
逃げ切ったペストルベルガーは、集団に11秒差をつけてのステージ優勝。前日はメイン集団でレースを終えており、ファンムールの脱落や中間・フィニッシュ双方でのボーナスタイムの獲得を合わせて個人総合でも首位に浮上。次のステージをマイヨジョーヌを着て迎えることになった。
なお、日本勢唯一の参戦となっている中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)は、集団内でのポジショニングや引き上げの仕事をこなしてステージを完了。Twitterを通じてチームメートから仕事ぶりを高く評価されたことを報告している。
今日はみんなから「Good job Naka!!」を言ってもらえる仕事が出来た。ツール前のWTカテゴリーのレースで、プロチームではなくWTチームで働く事は本当に難しい。正直、今日のアタック合戦も速過ぎてココで終わりかもしれないって思った(苦笑)もちろんキツいのだけど昨日より身体が動いてくれました。 https://t.co/d5q9yJZK3F
— Hideto Nakane 中根 英登 (@hideto_252) May 31, 2021
第3ステージはランジャックからサン=タオン=ル=ヴューまでの172.5km。無印の上りも含めて、主たる丘越えがレース前半に集中。後半は平坦基調となり、スプリンターにチャンスがめぐってくるか。最後の約2.5kmが上り基調とあり、最終局面はパワーが必要となりそうだ。
ステージ優勝、個人総合首位 ルーカス・ペストルベルガー コメント
「この大会までにトレーニングキャンプを行って、調子をうまく上げられていた。2週間前にレースのパフォーマンスプランを受け取ったのだけれど、今大会最初の2ステージでチャンスを生かしたいと考えていた。スプリンターの参戦が少ない分、逃げを得意とする選手には有利な大会だ。最後の6kmは本当に苦しかったが、何とか狙い通りの走りができた。実際にステージ優勝すると最高の気分だし、マイヨジョーヌを着られるなんて本当に信じられない気分。いまは楽しみでいっぱいで、キャリアにおける大成功の1つに数えられると思う」
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2021 第2ステージ 結果
ステージ結果
1 ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)4:25’20”
2 ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+0’11”
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)ST
4 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)ST
5 スヴェンエリック・ビストラム(UAEチームエミレーツ、ノルウェー)ST
6 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)ST
7 イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)ST
8 グレッグ・ファンアーヴェルマート(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)ST
9 アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック、スペイン)ST
10 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)ST
90 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+7’42”
個人総合成績
1 ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)8:38’32”
2 ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+0’12”
3 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)+0’20”
4 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)+0’24”
5 アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック、スペイン)ST
6 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)ST
7 ミケル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)ST
8 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)ST
9 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
10 イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)ST
131 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+19’30”
ポイント賞
ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
山岳賞
マシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)
ヤングライダー賞
イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)
チーム総合成績
ボーラ・ハンスグローエ
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- CREDIT :
- TEXT:福光俊介 PHOTO:A.S.O./ Fabien Boukla A.S.O. / Gautier Demouveaux
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