コルブレッリが上りスプリントを制して「三度目の正直」|クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ
Bicycle Club編集部
- 2021年06月02日
フランスで開催中のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの第3ステージが、現地6月1日に行われた。勝負は上り基調でのスプリントとなり、ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)が制した。コルブレッリは第1ステージから2日連続で2位に終わっており、「三度目の正直」で勝利を果たした。
ハイスピードで突入の上りスプリントでコルブレッリが違いを見せる
ランジャックからサン=タオン=ル=ヴューまでの172.5kmに設定されたステージは、無印の上りも含めて丘越えがコース前半に集中。後半からは平坦基調となるが、最後の約2.5kmが上りのためスプリントを狙う選手にとってはパワーを求められるレイアウトといえる。
オメル・ゴールドスタイン(イスラエル・スタートアップネイション、イスラエル)とロイック・ヴリーヘン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ベルギー)がスタートアタックからしばしのリード。最大で3分程度のリードを得るが、メイン集団はそれ以上のタイム差は許さず、徐々に2人を射程圏内へ。タイム差1分を切って集団が吸収するタイミングの調整に入ると、残り28kmでヴリーヘンが粘りのアタック。6kmほど1人で走り続けたが、スプリントに向けて勢いを増すメイン集団が労せずキャッチした。
プロトンが一団で進む中、総合成績に期待がかかるギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)やワレン・バルギル(アルケア・サムシック、フランス)らが絡むクラッシュが残り15kmで発生。マルタンはアシストの引き上げで集団に復帰したが、バルギルはダメージが大きく前線復帰は困難となる。
フィニッシュに近づくにつれてペースが上がる集団。残り7kmでは上りを利用してイネオス・グレナディアーズが絞り込みを狙うと、後方では中切れが発生。取り残された選手の一部が何とか集団に戻ったが、急激に激しさを増す流れに集団は縦長のまま最終局面を迎えた。
スプリント狙いのチームが主導権を争う中、残り1kmで2番手のポジションを確保したのがコルブレッリ。上りスプリントへの態勢を整えると、先に仕掛けたアレクサンデル・アランブル(アスタナ・プレミアテック、スペイン)の動きも冷静に対処。残り100mでアランブルをかわして先頭に立つと、そのまま一番にフィニッシュラインを駆け抜けた。
第1・第2ステージと逃げ切りを許し2位に終わっていたコルブレッリにとっては、雪辱となるステージ勝利。ポイント賞のマイヨヴェール争いでは2位以下に大差をつけて独走態勢に入っている。
タフな最終局面を乗り切った53選手がトップと同タイム扱いに。前日勝利しマイヨジョーヌを着るルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)もこの中で終えて、個人総合首位をキープしている。
日本勢唯一の参戦となっている中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)は、レース後半にチームのトレイン牽引で先頭付近まで引き上げる好アシストを披露。次のステージへも前向きなコメントをTwitterへアップしている。
ドーフィネ 第3 Stage
ラスト10km前後のとこで落車があり、マイケルも足止めを食らってしまい残念だったけど誰も怪我を負わずにゴール。明日も頑張ってきます🚵♂️ https://t.co/WlXctikqhd— Hideto Nakane 中根 英登 (@hideto_252) June 1, 2021
2日に行われる第4ステージは、この大会では2年ぶりとなる個人タイムトライアル。16.4kmのルートはわずかに上り基調だが、主役はタイムトライアルを得意とする選手たちか。この先の山岳ステージへ向けて、総合系ライダーとしてはうまく走り切って上位への足掛かりとしたいところだ。
ステージ優勝、ポイント賞首位 ソンニ・コルブレッリ コメント
「この勝利を心から望んでいた。チームが完璧な仕事をしてくれたことに感謝している。最後の1kmは本当にハードで、ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ、ポーランド)の牽引がとても力強かった。アランブルのスプリントも強烈で、彼についていかなければと必死だったが、それが功を奏した」
個人総合首位 ルーカス・ペストルベルガー コメント
「昨日の疲れがあって大変な1日だった。スタート前にローラーでウォーミングアップした際には大丈夫だと感じていたが、いざスタートしてみるとすぐに状態がよくないことに気が付いた。それでもチームはうまくレースをコントロールし、スプリントに向けたお膳立てもしてくれた。ただ疲れてしまって何もできず、タイムを失わなかったことがせめてもの救いだった。明日はどうなるか分からないが、脚の調子を見ながらトライをしようと思う」
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2021 第3ステージ 結果
ステージ結果
1 ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)3:56’36”
2 アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック、スペイン)ST
3 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)ST
4 ジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード、ベルギー)ST
5 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)ST
6 クレモン・ヴァントゥリーニ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)ST
7 カルロス・バルベロ(チーム クベカ・アソス、スペイン)ST
8 クレモン・ルッソ(チーム アルケア・サムシック、フランス)ST
9 ティム・ウェレンス(ロット・スーダル、ベルギー)ST
10 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)ST
95 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+1’49”
個人総合成績
1 ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)12:35’08”
2 ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)+0’02”
3 アレックス・アランブル(アスタナ・プレミアテック、スペイン)+0’18”
4 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)+0’20”
5 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)+0’23”
6 カンタン・パシェ(B&Bホテルズ KTM、フランス)+0’24”
7 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)ST
8 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
9 イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)ST
10 ステフェン・クライスヴァイク(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)ST
131 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+19’30”
ポイント賞
ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
山岳賞
マシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)
ヤングライダー賞
イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)
チーム総合成績
ボーラ・ハンスグローエ
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PROFILE
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