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上り基調のTTはルツェンコが最速、総合はペストルベルガーが守る|クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ

フランス南東部で開催中のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネは、現地62日第4ステージを実施。16.4kmの個人タイムトライアルで争われ、アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)がトップタイムをマーク。今季初勝利となるステージ優勝を挙げた。個人総合首位のルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)はステージ9位とまとめ、マイヨジョーヌを守ることに成功している。

後半にペース上げたルツェンコが2位以下に大差

ドーフィネでは2年ぶりの採用となる個人タイムトライアルステージ。16.4kmと距離は短めだが、スタートして5kmほど進んだところからは緩やかに上り基調。フィニッシュ前にかけては10%近い勾配も控え、タイムトライアルを得意とする選手に限らず、パワー系のライダーにもチャンスがあると見られた。

まず好タイムを出したのが、24番スタートのハリー・スウェニー(ロット・スーダル、オーストラリア)。2228秒で走破し、これが基準タイムとなった。

これを上回ったのが、ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)。スウェニーのタイムを35秒更新し、新たにホットシートに座る。そこからしばらくはヴィンゲゴーを脅かす選手が現れなかったが、出走順が後半に入ってリッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)が持ち前の走力を発揮。7.5km地点の中間計測ポイントでヴィンゲゴーを2秒上回ると、フィニッシュでも1秒更新して暫定トップへ。これをきっかけに、続々と好タイムがマークされることとなる。

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

ポートの7人後ろでスタートしたヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)が後半のセクションを飛ばして、ポートのタイムを6秒上回ると、さらに7人後ろでスタートしたルツェンコが快走。中間計測ポイントでトップから2秒遅れにとどめると、上り基調の後半でペースアップ。数分前にコースへと出ていた選手たちを次々と抜き去り、イサギレのタイムを一気に8秒更新する2136秒をマーク。

残る数人で上位進出が期待された選手の中では、ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)が中間計測ではトップを6秒上回ったが、後半で失速。ルツェンコから23秒遅れ。カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)は9秒遅れでルツェンコまでは届かない。

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

そして最終走者、マイヨジョーヌのペストルベルガー。序盤からまずまずのペースで進むと、後半苦しんだもののルツェンコから23秒差でフィニッシュ。ステージ9位とまとめた。

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

これにより、ステージ優勝はルツェンコに決まり、個人総合でも2位へ急浮上。また、ペストルベルガーがルツェンコに1秒差まで迫られながらもマイヨジョーヌを守ってみせた。

日本勢で唯一参戦中の中根英登(EFエデュケーション・NIPPO)は、このステージを118位で完了。次のステージへと進んでいる。

大会は折り返しを過ぎ、後半戦へ。3日に行われる第5ステージは、主催者設定では平坦ステージにカテゴライズされる175.4km。後半に4つのカテゴリー山岳が集中しており、なかでもフィニッシュ前約12kmで頂上を迎える2級山岳コート・ド・モンルビュは平均勾配12%、中腹で最大15%に到達。この急坂での流れが、そのままステージ結果に反映されることが考えられる。

ステージ優勝 アレクセイ・ルツェンコ コメント

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

「全力を尽くした結果がステージ優勝になったので本当にうれしい。今大会の前にはスペイン・カナリア諸島で高地トレーニングを行って、タイムトライアルバイクも試していた。何時間もTTバイクでトレーニングしたのでその成果が出たと思う。

コースも私にピッタリで、最初の6kmは力を温存し、最後の67kmで全力を出した。フィニッシュでは200%の力を出すことができた。マイヨジョーヌに1秒届かなかったことは残念だが、ドーフィネはまだ終わっていないので明日以降チャレンジしていきたい」

個人総合首位 ルーカス・ペストルベルガー コメント

©︎ A.S.O./ Fabien Boukla

「このタイムトライアルにすべてを賭けた。マイヨジョーヌが翼を与えてくれた。今朝のコース試走でテクニカルな箇所と、力を使うべき上りセクション、同時にフラットな局面がないことを確認していた。コースレイアウト的に自分向きだったし、上りでしっかり力を出せるよう、下りではリスクを冒しながらも脚を残すよう努めた。終盤の横風区間でも大きなギアでプッシュし続けられたことが今日のキーポイントだったと思う。とにかくマイヨジョーヌを守ったことに驚いている。明日は中間スプリントやフィニッシュでのボーナスタイムが重要になると思うが、マイヨジョーヌを守れる可能性は十分あるはずだ」

クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2021 第4ステージ 結果

ステージ結果

1 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)21’36”
2 ヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)+0’08”
3 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)+0’09”
4 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)+0’12”
5 イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)+0’13”
6 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+0’15”
7 ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)+0’15”
8 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)+0’21”
9 ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)+0’23”
10 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)ST
118 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+2’46”

個人総合成績

1 ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)12:57’07”
2 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)+0’01”
3 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)+0’09”
4 ヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)ST
5 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)+0’13”
6 イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)+0’14”
7 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+0’16”
8 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)+0’24”
9 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)+0’32”
10 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)+0’34”
127 中根英登(EFエデュケーション・NIPPO、日本)+23’42”

ポイント賞

ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)

山岳賞

マシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)

ヤングライダー賞

イラン・ファンワイルダー(チームDSM、ベルギー)

チーム総合成績

ボーラ・ハンスグローエ

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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