欧州王者のキュングが開幕のTT勝利、リーダージャージに袖を通す|ツール・ド・スイス
Bicycle Club編集部
- 2021年06月07日
ロードレース最高峰のUCIワールドツアーの1つ、ツール・ド・スイスが現地6月6日に開幕。第1ステージは10.9kmの個人タイムトライアルで争われ、シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)が12分ちょうどでトップタイム。平均時速54.5kmで走破し、ステージ優勝と今大会最初のリーダージャージ着用者となった。
キュングが自宅近くを走る“ホームコース”で快勝
ツール・ド・スイスは同日閉幕のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと並んで、ツール・ド・フランス前哨戦に位置づけられる重要な大会。例年スイスアルプスをめぐるステージ構成で、山岳比重が高めだ。今大会も、ツール前の最終調整として実力者がエントリーした。
初日は顔見せの要素も込みの個人タイムトライアル。同国北部のフラウエンフェルトの市街地を行く平坦コースを走る。
まず基準タイムとなったのが、シュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・NIPPO、スイス)の12分4秒。地元期待の若きTTスペシャリストのタイムは水準としては高く、長く更新者が現れなかった。
この間、今大会が心身の休養からの復帰戦となるトム・デュムラン(ユンボ・ヴィスマ、オランダ)が12分32秒、優勝候補と目されたローハン・デニス(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)が12分23秒を記録。注目のマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)は12分38秒、総合で期待されるリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)は12分31秒で走り終えた。
ビッセガーを上回る快走を披露したのが、この種目のヨーロッパチャンピオンであるキュング。普段のトレーニングコースでもあり、自宅近くに設定されたコースで前半から飛ばして、テクニカルなコーナーもギリギリを攻める。そしてフィニッシュでは12分ちょうどをマーク。トップタイムを4秒更新して、ホットシートに就いた。
その後もジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)が19秒差、トム・スクーリー(EFエデュケーション・NIPPO、スイス)が15秒差、マッティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)が12秒差で3番時計を記録するが、キュングのタイムを脅かす選手は最後まで現れず。
この結果、キュングがステージ優勝を決め、リーダージャージを獲得。ビッセガーも2位と続き、地元スイス勢が上位を占めた。
総合系ライダーでは、マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)が29秒差の12位、カラパスが15位とまずまずの出足。リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)は46秒差の41位、ヤコブ・フルサン(アスタナ・プレミアテック、デンマーク)は53秒差の58位で、それぞれ今後のステージで追い上げを図る。
7日に行われる第2ステージはノイウハウゼン・アム・ラインファルからラーヘンまでの173km。3つある2級山岳のうち、フィニッシュ前2kmで頂上となる最後の上りが最重要に。ステージ優勝争いやリーダージャージの行方を左右するポイントとなる。
ステージ優勝、個人総合首位 シュテファン・キュング コメント
「プレッシャーはなかった。それよりはフォームを重視した。4月下旬以降休養していて、久々のレースだったのでどのように走れるかが見当つかなかった。今大会に向けてはシュテファン・ビッセガーと一緒にトレーニングができ、その成果を出すことができた」
ツール・ド・スイス2021 第1ステージ結果
ステージ結果
1 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)12’00”
2 シュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・NIPPO、スイス)+0’04”
3 マッティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)+0’12”
4 トム・スクーリー(EFエデュケーション・NIPPO、ニュージーランド)+0’15”
5 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)+0’19”
6 ヨナス・ルッチ(EFエデュケーション・NIPPO、ドイツ)+0’22”
7 ヤニック・シュタイムレ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ドイツ)ST
8 フロリアン・フェルメールス(ロット・スーダル、ベルギー)ST
9 セーアン・クラーウアナスン(チームDSM、デンマーク)ST
10 ローハン・デニス(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+0’23”
個人総合成績
1 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)12’00”
2 シュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・NIPPO、スイス)+0’04”
3 マッティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)+0’12”
4 トム・スクーリー(EFエデュケーション・NIPPO、ニュージーランド)+0’15”
5 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)+0’19”
6 ヨナス・ルッチ(EFエデュケーション・NIPPO、ドイツ)+0’22”
7 ヤニック・シュタイムレ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ドイツ)ST
8 フロリアン・フェルメールス(ロット・スーダル、ベルギー)ST
9 セーアン・クラーウアナスン(チームDSM、デンマーク)ST
10 ローハン・デニス(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)+0’23”
ポイント賞
シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)
ヤングライダー賞
シュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・NIPPO、スイス)
チーム総合成績
EFエデュケーション・NIPPO
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