ファンデルプールが圧倒的スプリントで2連勝、総合でも首位に|ツール・ド・スイス
Bicycle Club編集部
- 2021年06月09日
ツール・ド・スイスの第3ステージが、現地6月8日に行われた。ステージ優勝争いはスプリント決着となり、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)がライバルを圧倒。2日連続の勝利を挙げて、個人総合でも首位に浮上している。
上りスプリントでスピードの違いを見せたファンデルプール
このステージはラーヘンからプフナウまでの182.1kmに設定され、終始細かな変化があるコースレイアウト。後半に2つの3級山岳を越えて、フィニッシュラインを目指す。
リアルスタート直後のアタックで4人がリード。長くこの逃げが続いたが、残り30kmを切ってレミ・ロシャス(コフィディス、フランス)が他を引き離して独走態勢に持ち込む。
一方、メイン集団では2つ目の3級山岳の上りでファンデルプールがアタック。残り25kmでのアクションで、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)やリチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)らが反応し、7人がメイン集団に対しリードを図る。さすがにメイン集団もこれを許さず、頂上通過後の下りで追いつくが、同時にアラフィリップがカウンターアタック。逃げていたロシャスをパスして、1人逃げを試みる。
ただ、これも10秒程度のリードが精いっぱい。アラフィリップがメイン集団に引き戻されると、今度はアントニー・テュルジス(トタル・ディレクトエネルジー、フランス)とアムントグレンダール・ヤンセン(チーム バイクエクスチェンジ、ノルウェー)が先頭へ。さらに、フィニッシュ前11kmの地点に置かれた中間スプリントポイントをめがけて次々と選手たちが集団からアタック。この動きから、先頭まで上がったマティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)が中間スプリントポイントを1位通過。
このあとアタッカーが全員集団へと戻るが、残り10kmでイヴァン・ガルシア(モビスター チーム、スペイン)が単独でアタック。集団に対して20秒ほどのリードを得る。集団はスプリントを狙うドゥクーニンク・クイックステップ、チーム バイクエクスチェンジ、アルペシン・フェニックスといったチームが牽引。残り5kmを切って少しずつガルシアとの差を縮めていく。さらに、上り基調になる最後の2kmでその差は一気に縮小し、残り500mでついにガルシアをキャッチ。そこからは、スプリント勝負にゆだねられた。
集団先頭を押さえたのはドゥクーニンク・クイックステップ。アラフィリップをベストポジションに引き上げる。しかし、この日冴えに冴えたのはファンデルプールだった。アラフィリップの番手を確保すると、残り250mで猛然と加速。上りスプリントでパワーとスピードの違いを見せつけ、アラフィリップや後方から追ったクリストフ・ラポルト(コフィディス、フランス)をまったく寄せ付けず。
ライバルを圧倒したファンデルプールが前日に続くステージ2連勝。総合タイム差6秒でこのステージを迎えており、ステージボーナス10秒を獲得して個人総合首位に浮上。シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)からリーダージャージを奪取している。合わせて、ポイント賞でもトップに立った。
9日に行われる第4ステージは、ザンクト・ウルバンからグシュタードまでの171km。このステージ唯一となる2級山岳が残り10kmで頂上に達する。レース後半が長く上り基調であることや、頂上からの残り距離を考えると、この2級山岳にすべてが集約されると考えても良さそう。リーダージャージを着て臨むファンデルプールや個人総合上位陣がどう対応するかが見ものだ。
ステージ優勝、個人総合首位 マチュー・ファンデルプール コメント
「難しいステージだったが、最終局面は自分にピッタリだった。それでも、チームみんなで力を合わせないと攻略できなかった。仲間たちの働きは印象的だったし、心から感謝している。本当に誇らしい。彼らのおかげで素晴らしい1日にできた」
ツール・ド・スイス2021 第3ステージ結果
ステージ結果
1 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)4:24’26”
2 クリストフ・ラポルト(コフィディス、フランス)ST
3 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)ST
4 マイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)ST
5 マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)ST
6 アレクサンダー・カンプ(トレック・セガフレード、デンマーク)ST
7 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)ST
8 オマール・フライレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)ST
9 アントニー・テュルジス(トタル・ディレクトエネルジー、フランス)ST
10 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)ST
個人総合成績
1 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)8:49’14”
2 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)+0’01”
3 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)+0’04”
4 マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+0’06”
5 マッティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)+0’13”
6 イヴァン・ガルシア(モビスター チーム、スペイン)+0’16”
7 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)+0’17”
8 ニールソン・ポーレス(EFエデュケーション・NIPPO、アメリカ)+0’29”
9 アンドレアス・クロン(ロット・スーダル、デンマーク)+0’37”
10 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO)+0’39”
ポイント賞
マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)
山岳賞
ニコラス・ズコウスキー(ラリーサイクリング、カナダ)
ヤングライダー賞
ニールソン・ポーレス(EFエデュケーション・NIPPO、アメリカ)
チーム総合成績
ドゥクーニンク・クイックステップ
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。