【保存版】ツール・ド・フランス2021スタートリスト&コースプレビュー
Bicycle Club編集部
- 2021年06月25日
INDEX
ツール・ド・フランス2021スタートリスト
UAEチームエミレーツ
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ、スロベニア)
2 ミッケル・ビョーグ(UAEチームエミレーツ、デンマーク)
3 ルイ・コスタ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)
4 ダヴィデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ、イタリア)
5 マルク・ヒルシ(UAEチームエミレーツ、スイス)
6 ヴェガールステイク・ラエンゲン(UAEチームエミレーツ、ノルウェー)
7 ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)
8 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ、アメリカ)
チーム ユンボ・ヴィスマ
11 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)
12 ロベルト・ヘーシンク(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
13 ステフェン・クライスヴァイク(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
14 セップ・クス(チーム ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)
15 トニー・マルティン(チーム ユンボ・ヴィスマ、ドイツ)
16 マイク・テウニッセン(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
17 ワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
18 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ユンボ・ヴィスマ、デンマーク)
イネオス・グレナディアーズ
21 ゲラント・トーマス(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
22 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
23 ジョナタン・カストロビエホ(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)
24 テイオ・ゲイガンハート(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
25 ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス・グレナディアーズ、ポーランド)
26 リッチー・ポート(イネオス・グレナディアーズ、オーストラリア)
27 ルーク・ロウ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
28 ディラン・ファンバーレ(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)
イスラエル・スタートアップネイション
31 クリストファー・フルーム(イスラエル・スタートアップネイション、イギリス)
32 ギヨーム・ボワヴァン(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)
33 オメル・ゴールドスタイン(イスラエル・スタートアップネイション、イスラエル)
34 アンドレ・グライペル(イスラエル・スタートアップネイション、ドイツ)
35 レト・ホレンシュタイン(イスラエル・スタートアップネイション、スイス)
36 ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション、アイルランド)
37 マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)
38 リック・ツァベル(イスラエル・スタートアップネイション、ドイツ)
トレック・セガフレード
41 ヴィンチェンツォ・ニバリ(トレック・セガフレード、イタリア)
42 ジュリアン・ベルナール(トレック・セガフレード、フランス)
43 ケニー・エリッソンド(トレック・セガフレード、フランス)
44 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード、オランダ)
45 マッズ・ピーダスン(トレック・セガフレード、デンマーク)
46 トムス・スクインシュ(トレック・セガフレード、ラトビア)
47 ヤスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード、ベルギー)
48 エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード、ベルギー)
ドゥクーニンク・クイックステップ
51 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)
52 カスパー・アスグリーン(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)
53 ダヴィデ・バッレリーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)
54 マティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)
55 マーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)
56 ティム・デクレルク(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)
57 ドリス・デヴェナインス(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)
58 ミケル・モルコフ(ドゥクーニンク・クイックステップ、デンマーク)
モビスター チーム
61 ミゲルアンヘル・ロペス(モビスター チーム、コロンビア)
62 ホルヘ・アルカス(モビスター チーム、スペイン)
63 イマノル・エルビティ(モビスター チーム、スペイン)
64 イバン・ガルシア(モビスター チーム、スペイン)
65 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)
66 マルク・ソレル(モビスター チーム、スペイン)
67 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)
68 カルロス・ベローナ(モビスター チーム、スペイン)
ボーラ・ハンスグローエ
71 ペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ、スロバキア)
72 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
73 ウィルコ・ケルデルマン(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
74 パトリック・コンラッド(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)
75 ダニエル・オス(ボーラ・ハンスグローエ、イタリア)
76 ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
77 ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)
78 イーデ・スヘリンフ(ボーラ・ハンスグローエ、オランダ)
グルパマ・エフデジ
81 ダヴィド・ゴデュ(グルパマ・エフデジ、フランス)
82 ブルーノ・アルミライル(グルパマ・エフデジ、フランス)
83 アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)
84 ジャコポ・グアルニエーリ(グルパマ・エフデジ、イタリア)
85 イグナタス・コノヴァロヴァス(グルパマ・エフデジ、リトアニア)
86 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ、スイス)
87 ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ、フランス)
88 マイルズ・スコットソン(グルパマ・エフデジ、オーストラリア)
コフィディス
91 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)
92 ルーベン・フェルナンデス(コフィディス、スペイン)
93 シモン・ゲシュケ(コフィディス、ドイツ)
94 ヘスス・エラダ(コフィディス、スペイン)
95 クリストフ・ラポルト(コフィディス、フランス)
96 アントニー・ペレス(コフィディス、フランス)
97 ピエールリュック・ペリション(コフィディス、フランス)
98 イエール・ワライス(コフィディス、ベルギー)
アルペシン・フェニックス
101 マチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス、オランダ)
102 シルヴァン・ディリエ(アルペシン・フェニックス、スイス)
103 ティム・メルリール(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
104 クサンドロ・ムーリッセ(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
105 ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
106 ジョナス・リカールト(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
107 クリスティアン・ズバラーリ(アルペシン・フェニックス、イタリア)
108 ペトル・ヴァコッチ(アルペシン・フェニックス、チェコ)
EFエデュケーション・NIPPO
111 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)
112 シュテファン・ビッセガー(EFエデュケーション・NIPPO、スイス)
113 ルーベン・ゲレイロ(EFエデュケーション・NIPPO、ポルトガル)
114 セルヒオ・イギータ(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)
115 ミケル・ヴァルグレン(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)
116 マグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)
117 ニールソン・ポーレス(EFエデュケーション・NIPPO、アメリカ)
118 ヨナス・ルッチ(EFエデュケーション・NIPPO、ドイツ)
アージェードゥーゼール・シトロエン チーム
121 ブノワ・コスヌフロワ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
122 ドリアン・ゴドン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
123 オリヴェル・ナーセン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)
124 ベン・オコーナー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、オーストラリア)
125 オレリアン・パレパントル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
126 ナンス・ペテルス(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
127 ミヒャエル・シェアー(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、スイス)
128 グレッグ・ファンアーヴェルマート(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)
チーム アルケア・サムシック
131 ワレン・バルギル(チーム アルケア・サムシック、フランス)
132 ナセル・ブアニ(チーム アルケア・サムシック、フランス)
133 アントニー・ドゥラプラス(チーム アルケア・サムシック、フランス)
134 エリー・ジェスベール(チーム アルケア・サムシック、フランス)
135 ダニエル・マクレー(チーム アルケア・サムシック、イギリス)
136 ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック、コロンビア)
137 クレモン・ルッソ(チーム アルケア・サムシック、フランス)
138 コナー・スウィフト(チーム アルケア・サムシック、イギリス)
チームDSM
141 セーアン・クラーウアナスン(チームDSM、デンマーク)
142 ティシュ・ベノート(チームDSM、ベルギー)
143 ケース・ボル(チームDSM、オランダ)
144 マーク・ドノヴァン(チームDSM、イギリス)
145 ニルス・エーコフ(チームDSM、オランダ)
146 ヨリス・ニューエンハイス(チームDSM、オランダ)
147 カスパー・ピーダスン(チームDSM、デンマーク)
148 ヤシャ・ズッタリン(チームDSM、ドイツ)
ロット・スーダル
151 カレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)
152 ジャスパー・デブイスト(ロット・スーダル、ベルギー)
153 トーマス・デヘント(ロット・スーダル、ベルギー)
154 フィリップ・ジルベール(ロット・スーダル、ベルギー)
155 ロジャー・クルーゲ(ロット・スーダル、ドイツ)
156 ハリー・スウェニー(ロット・スーダル、オーストラリア)
157 トッシュ・ファンデルサンド(ロット・スーダル、ベルギー)
158 ブレント・ファンムール(ロット・スーダル、ベルギー)
バーレーン・ヴィクトリアス
161 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)
162 ペリョ・ビルバオ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)
163 ソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
164 マルコ・ハラー(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストリア)
165 マテイ・モホリッチ(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)
166 ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)
167 ディラン・トゥーンス(バーレーン・ヴィクトリアス、ベルギー)
168 フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス、イギリス)
チーム バイクエクスチェンジ
171 マイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
172 エスデバン・チャベス(チーム バイクエクスチェンジ、コロンビア)
173 ルーク・ダーブリッジ(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
174 ルーカス・ハミルトン(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
175 アムントグレンダール・ヤンセン(チーム バイクエクスチェンジ、ノルウェー)
176 クリストファー・ユールイェンセン(チーム バイクエクスチェンジ、デンマーク)
177 ルカ・メズゲッツ(チーム バイクエクスチェンジ、スロベニア)
178 サイモン・イェーツ(チーム バイクエクスチェンジ、イギリス)
アスタナ・プレミアテック
181 ヤコブ・フルサン(アスタナ・プレミアテック、デンマーク)
182 アレクサンデル・アランブル(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
183 ステファン・デボッド(アスタナ・プレミアテック、南アフリカ)
184 オマール・フライレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
185 ドミトリー・グルズジェフ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)
186 ユーゴ・ウル(アスタナ・プレミアテック、カナダ)
187 ヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
188 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)
チーム クベカ・ネクストハッシュ
191 セルヒオルイス・エナオ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、コロンビア)
192 カルロス・バルベロ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、スペイン)
193 ショーン・ベネット(チーム クベカ・ネクストハッシュ、アメリカ)
194 ヴィクトール・カンペナールツ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、ベルギー)
195 サイモン・クラーク(チーム クベカ・ネクストハッシュ、オーストラリア)
196 ニコラス・ドラミニ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、南アフリカ)
197 ミヒャエル・ゴグル(チーム クベカ・ネクストハッシュ、オーストリア)
198 マキシミリアン・ヴァルシャイド(チーム クベカ・ネクストハッシュ、ドイツ)
チーム トタルエナジーズ
201 ピエール・ラトゥール(チーム トタルエナジーズ、フランス)
202 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(チーム トタルエナジーズ、ノルウェー)
203 ジェレミー・カボ(チーム トタルエナジーズ、フランス)
204 ビクトル・デラパルテ(チーム トタルエナジーズ、スペイン)
205 ファビアン・ドゥべ(チーム トタルエナジーズ、フランス)
206 クリスティアン・ロドリゲス(チーム トタルエナジーズ、スペイン)
207 ジュリアン・シモン(チーム トタルエナジーズ、フランス)
208 アントニー・テュルジス(チーム トタルエナジーズ、フランス)
アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ
211 ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、南アフリカ)
212 ヤン・バークランツ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ベルギー)
213 ヨナス・コッホ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ドイツ)
214 ロレンツォ・ロータ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)
215 ボーイ・ファンポッペル(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、オランダ)
216 ダニー・ファンポッペル(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、オランダ)
217 ロイック・ヴリーヘン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ベルギー)
218 ゲオルク・ツィマーマン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ドイツ)
B&Bホテルズ KTM
221 ブライアン・コカール(B&Bホテルズ KTM、フランス)
222 シリル・バルト(B&Bホテルズ KTM、フランス)
223 フランク・ボナムール(B&Bホテルズ KTM、フランス)
224 マキシム・シュヴァリエ(B&Bホテルズ KTM、フランス)
225 シリル・ゴティエ(B&Bホテルズ KTM、フランス)
226 シリル・ルモワンヌ(B&Bホテルズ KTM、フランス)
227 カンタン・パシェ(B&Bホテルズ KTM、フランス)
228 ピエール・ロラン(B&Bホテルズ KTM、フランス)
ツール・ド・フランス2021コースプレビュー
6月26日 第1ステージ ブレスト~ランデルノー 197.8km 丘陵
フランスをめぐる3週間の幕開けは、北西部・ブルターニュ地方のブレストで。主催者が丘陵ステージに設定するように、3級と4級ながら6つのカテゴリー山岳が控えるタフなコース。最後の3.1kmは3級のコート・ド・ラ・フォセ・オー・ルー(平均勾配5.6%)。部分的に14%に達する上りは、パンチャーに有利か。
6月27日 第2ステージ ペロス=ギレック~ミュール=ド=ブルターニュ ゲルレダン 183.5km 丘陵
前日に続いて変化の激しいコースセッティング。そのなかでも、フィニッシュを含め2回上るミュール=ド=ブルターニュにすべてが集約されると見て良いだろう。登坂距離2km、平均勾配6.9%の上りは、レース展開次第で総合争いにも影響を及ぼす可能性がある。前日とこの日は「3km救済」が適用されない。
6月28日 第3ステージ ロリアン~ポンティビー 182.9km 平坦
今大会最初の平坦ステージ。どのスプリンターのコンディションが上々かを図るには絶好の1日だ。序盤の海岸線を経て、中盤からは内陸の丘陵地帯に入るが、スプリンターでも問題なくこなせるレベル。最終盤は下り基調からの平坦区間とあって、ハイスピードバトルが見られそうだ。
6月29日 第4ステージ ルドン~フジェール 150.4km 平坦
カテゴリー山岳がなく、レース距離も勘案するとスピーディーなステージとなるのがセオリー。しかし、この地域は風が強く、ところによっては吹きさらしになる局面も。有力チームを中心にプロトンの分断を狙っていくことも考えられる。チーム力が試される1日となるか。
6月30日 第5ステージ シャンジェ~ラバル エスパス・マイエンヌ 27.2km 個人タイムトライアル
今年と同じくブレストで開幕した2008年大会を復刻し、その時以来となる第1週に長距離の個人タイムトライアルを設定した。平坦コースとあって、TTスペシャリストの力の見せどころとなりそう。タイム差が明確に生まれるだけに、総合系ライダーとしては先を見越してしっかりとまとめておきたい。
7月1日 第6ステージ トゥール~シャトールー 160.6km 平坦
中盤の4級山岳以外は変化が少なく、スプリンターが主役になるはずの1日。ただ、風向きやその強さ次第ではレース展開に与える影響が変わってくる。特に最後の45kmは南へほぼ一直線となるので、一度プロトンが分断するとそのまま突き進む可能性が高まる。スプリンターチームがどうまとめるか。
7月2日 第7ステージ ビエルゾン~ル・クルーゾ 249.1km 丘陵
21世紀のツールでは最長距離となる249.1km。後半に5つのカテゴリー山岳が集約されるが、なかでもフィニッシュ前16kmで上る2級のシニアル・デュション(登坂距離5.7km、平均勾配5.7%)は、途中で下りを挟む二段階登坂。しかも頂上手前で最大勾配19%の激坂も。最後に上る4級のラ・グルロワとともにレースに変化をもたらすはず。
7月3日 第8ステージ オヨナ~ル・グラン=ボルナン 150.8km 山岳
いよいよこのステージからアルプス山脈へと足を踏み入れる。残り100kmを切ったところから上りが本格化し、特に最後の50kmはコート・ド・モン・サクソネ(登坂距離5.7km、平均勾配8.3%)、コル・ド・ロム(8.8km、8.9%)、コル・ド・ラ・コロンビエール(7.5km、8.5%)と3連続1級山岳が待ち受ける。コロンビエール頂上からフィニッシュまでは約15kmの下りだが、過去には思わぬ大差がついたことも。今年も総合争いに変化があるか。
7月4日 第9ステージ クリューズ~ティニュ 144.9km 山岳
2年前の第19ステージで降雹によってたどり着けなかったティニュへ、リベンジする1日。前半から本格的な山岳登坂が組み込まれ、中盤には今大会最初の超級山岳であるコル・デュ・プレ(登坂距離12.6km、平均勾配7.7%)がそびえる。2級山岳コルメ・ド・ロズランを経て一度下ったのち、ティニュを目指す21kmもの長い上りへ。平均勾配は5.6%だが、途中10%近い急勾配も待ち受け、決して簡単に攻略できるものではない。登頂後1.9km走ってフィニッシュへ。翌日は休息日とあって、先手攻撃に勤しむ選手が確実に出てくることだろう。
7月6日 第10ステージ アルベールベル~ヴァランス 190.7km 平坦
第2週の初日は1992年の冬季五輪が行われたアルベールビルをスタート。アルプス山脈に別れを告げるとともに、山道や丘陵地帯を縫うように平坦路を突き進んでいく。できることなら平和に1日を終えたいが、注意したいのが風。フランス南部に入るとあって、特有の強風がプロトンを混乱させないとも限らない。
7月7日 第11ステージ ソルグ~マロセーヌ 198.9km 山岳
大会中盤の目玉ステージがやってくる。序盤で2つの4級山岳を越えると、いよいよ本格的な上りが始まる。この日1つ目の1級山岳コル・ド・ラ・リギエール(登坂距離9.3km、平均勾配6.7%)を上り終えたら、「プロヴァンスの巨人」モン・ヴァントゥへ。特に今回は2回上るのが見もので、1回目は東の入口からの登坂。距離は22km、平均勾配5.1%で1級山岳にカテゴライズ。20kmの下りと平坦区間を経て迎える2回目は、これまで何度もツールで上ってきた西側からのルート。登坂距離は15.7km、平均勾配は8.8%。前半部分の傾斜が厳しいうえに、後半は一面灰色の「魔の景色」。風が強いと選手たちの消耗も激しいものになるだろう。ボーナスポイントも兼ねた頂上を通過後は、フィニッシュめがけての22kmのダウンヒルが控えている。
7月8日 第12ステージ サン=ポール=トロワ=シャトー~ニーム 159.4km 平坦
ここから2日間は山岳を避けながらピレネーを目指して進んでいく。とはいっても、この日はツールの歴史上初めて全行程を走るアルデッシュ峡谷のくねくね道路が特徴的。風が強いので思わぬ形でのプロトン分断には注意をしたい。ニームでの2年ぶりのスプリントフィニッシュ。前回はカレブ・ユアン(ロット・スーダル、オーストラリア)が勝利。
7月9日 第13ステージ ニーム~カルカッソンヌ 219.9km 平坦
ニームの名所である古代ローマ円形闘技場の前から、ユネスコ世界遺産に登録される城塞都市カルカッソンヌまでの、歴史をたどる1日。セオリー的にはスプリントフィニッシュだが、カルカッソンヌを目指す日は逃げが決まりやすいのが特徴。過去7度すべてで逃げ切りで勝者が生まれている。
7月10日 第14ステージ カルカッソンヌ~キヤン 183.7km 丘陵
この日からピレネーでの戦いが幕を開ける。まずは脚試しとして、2級と3級のカテゴリー山岳にトライする。どれも急坂をこなすことになるが、最後の上りコル・ド・サン・ルイ(登坂距離4.7km、平均勾配7.4%)は、フィニッシュ前約17kmで頂上到達。最大勾配12%とあって、仕掛けどころとしては重要なポイントになりそうだ。
7月11日 第15ステージ セレ~アンドラ・ラ・ベリャ 191.3km 山岳
今大会唯一の海外進出として、隣国アンドラへ。本格的な上りは中盤から。とは言いつつも、35km過ぎから上り基調が続き、気が付くとピレネーの山岳地帯へ入っている感じ。上りと下りをこなしながら少しずつ標高は上がっていき、この日3つ目のカテゴリー山岳となる1級のポルト・ダンヴァリラで2408mまで上る。ここにアンリ・デグランジュ賞が設定され、その後20km以上のダウンヒルののち、最後の登坂となる1級コル・ド・ベクサリス(登坂距離6.4km、平均勾配8.5%)へ。上り始めが最も急勾配で、頂上を越えるとアンドラの首都であるアンドラ・ラ・ベリャまでの約15kmの下り。ヘアピンコーナーが連続するテクニカルさは、レース展開に波乱を呼ぶかもしれない。翌日は大会2度目の休息日となる。
7月13日 第16ステージ パス・ダ・ラ・カザ~サン=ゴーダンス 169km 丘陵
前々日のフィニッシュ後、休息日をアンドラで過ごしたプロトンは、フランスとの国境に位置するパス・ダ・ラ・カザをスタート。とはいっても、150mほど進んだところですぐにフランス入り。断続的に2級、1級、2級とカテゴリー山岳をこなすが、3つ目に上るコル・ド・ポルテ・ダスペ(登坂距離5.4km、平均勾配7.1%)は頂上に近づくにつれて10%前後の急坂となる難所。下りも10%を超える急勾配とあり、仕掛けどころとしてはもってこい。主催者によれば、逃げ狙いの選手に有利に働くステージとのこと。
7月14日 第17ステージ ミュレ~サン=ラリ=スラン コル・デュ・ポルテ 山岳
2年ぶりに迎えるフランス革命記念日ステージ。それにふさわしい1日にするべく、主催者は超級山岳コル・デュ・ポルテの頂上を目指すバトルを用意した。スタートからしばらくはほぼ平坦路。113.4km地点に置かれる中間スプリントポイントを過ぎると、その様子は一気に変化する。ツールではおなじみの1級山岳コル・ド・ペイルスルド(登坂距離13.2km、平均勾配7%)、同じく1級のコル・ド・ヴァル・ルロン・アゼ(7.4km、8.3%)を立て続けに超えると、いよいよコル・デュ・ポルテへ。登坂距離16km、平均勾配8.7%の山道は、入口から3kmほど10%前後の急勾配。しばし落ち着いて上ると、フィニッシュ目前で再び10%超えの難所が控える。この日ばかりは、やはり今大会最も強い選手に軍配が上がるか。マイヨジョーヌ争いにおいて、きわめて大切な1日となる。
7月15日 第18ステージ ポー~リュ・ザルディダン 129.7km 山岳
この大会最後の山岳ステージ。前日も重要なステージだったが、まだここで挽回またはリード拡大のチャンスはある。中盤までは変化があまりないので、マイヨヴェール争いがもつれているようだとスプリンターが中心でしばらくは進行しそう。中間スプリントポイントを通過してから、マイヨジョーヌをかけた駆け引きが本格化する。超級山岳2つのうち、はじめはおなじみのトゥールマレー峠(登坂距離17.1km、平均勾配7.3%)。頂上は標高2115mに達し、ジャック・ゴデ賞も用意される。20km近い下りをこなして、最後にそびえるのがリュズ・アルディダン(13.3km、7.4%)。この頂上で個人総合上位陣にどの程度のタイム差が生まれているか。2日後に待つ個人タイムトライアルステージを前に、ある程度の優劣は見えているはずだ。
7月16日 第19ステージ ムランウー~リブルヌ 207km 平坦
ただただ207kmを北上するステージ。細かな変化はあるが、セオリーとしてはスプリンターのための1日といえる。何より、翌日に控える個人タイムトライアルを前に、無茶をしたくない選手が多いはず。ここはスプリンターチームに任せて無難に進行させたい。この日で、マイヨヴェールの行き先は決まりとなるか。
7月17日 第20ステージ リブルヌ~サン=テミリオン 30.8km 個人タイムトライアル
泣いても笑っても、この日でパリへ凱旋するマイヨジョーヌの着用者が決定する。なぜなら、最終・第21ステージはパリ・シャンゼリゼへのパレード走行だから。頂点を争う戦いは事実上、このステージで最後。今年は個人タイムトライアルが組まれる。平坦コースとあって、スペシャリストたちが好タイムをマークするはず。注意したいのは一方で個人総合争いも、タイムトライアルを得意とする選手に有利に働く可能性が大いにある。何なら昨年の再現とばかりに、大逆転劇も…。主催者によれば、フィニッシュタイムは36分前後との見立てだ。
7月18日 第21ステージ シャトゥ~パリ・シャンゼリゼ 平坦
スタート地・シャトゥを含むイヴリーヌ県は、2024年パリ五輪の自転車競技開催地に決まっている。そんな“聖地”を、前日にマイヨジョーヌを得た選手を先頭にスタートしていく。もちろん、ツール最終日恒例のパレード走行がしばし続く。レースらしいレースは、パリに入ってから。すっかりコースの一部として定着したルーブル美術館の中庭を通って、シャンゼリゼの周回コースへ。石畳の道を走り、凱旋門をめぐり、コンコルド広場を抜けるルートを8周。トップライダーに言わせれば“世界スプリント選手権”となる最後の直線は200m。ここでナンバーワンスプリンターが決まるとともに、ツール2021年大会の王者も正式決定。光り輝く凱旋門をバックにしたポディウムで、勝利が祝される。
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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