ピナレロから新型「ドグマF」誕生! ツール・ド・フランスを前に発表|PINARELLO
Bicycle Club編集部
- 2021年06月25日
チームイネオスと共に勝利を重ねてきたピュアレーシングモデルの代名詞であるドグマが、ドグマF12からドグマFへと3年ぶりにフルモデルチェンジを果たす。新型ドグマFの全容の詳報をお届けする!
「THE ART OF BALANCE」を具現化、ドグマF12からドグマFへの昇華
数々の金字塔を打ち立ててきたドグマF12は、自他ともに認める高性能オールラウンドモデルとして存在してきた。今回のドグマFは、どのような進化を見せているのだろうか。
そのドグマを表す表現としてドグマに与えられたキャッチコピーが「THE ART OF BALANCE」だ。
これは、単に重量や空力特性など個々の性能をフォーカスするのではなく、重量、ハンドリング、空力、ジオメトリー、デザインなど、トータルでいかにバランスが取れたバイクなのかということを示した言葉だ。下にその注目ポイントを列記したが、トータルバランスでの結果として導き出された数値だ。
新ドグマFの注目ポイント
- 265gの軽量化 ( DOGMA F12 サイズ53のディスクブレーキモデルと比較して)
- 12% 剛性がアップ( ボトムブラケット周辺)
- 3.2% 空力特性が向上 (F12 リムブレーキモデルと比較して)
- 4.8% 空力特性が向上 (F12 ディスクブレーキモデルと比較して)
- 1.3Wセーブ( 40km/h) / 2.6W セーブ( 50km/h)
ナンバリングを外しモデル名をシンプルな“F”へ
ピナレロにとって唯一無二のアイコンであるドグマ。その歴史を簡単に振り返ると、2002年のマグネシウム合金のドグマにはじまり、ドグマ60.1などを経て、2015年には空力性能の徹底的な追求を掲げたFの頭文字が付くF8へと進化。F10、F12と熟成を重ねながらピナレロが理想とするオールラウンドモデルとして進化してきた。そして、新型モデルではナンバリングを外し、「ドグマF」として登場。その理由は、DOGMA(ドグマ)とはピナレロにとって唯一無二のアイコンで、数字や表面的な分類を越えた存在であり、過去と現在のシンボルとしてシンプルな”F”を用いながら、未来へのアイデンティティを表現するという、ピナレロのドグマに対する想いが込められているからだ。
ドグマF12より11%もの軽量化を実現
新型ドグマFは、オンダフォークに象徴されるピナレロ・ハンドリングと呼ばれるピナレロが理想とするハンドリング性能の向上を最優先に掲げられ開発された。これは従来のドグマの開発コンセプトを継承するものだ。わかりやすい物理的な軽さだけを追求することなく、高い空力性能とレスポンスと快適性を持ち合わせる万能モデルとしてドグマFは進化している。その上で、ドグマFはドグマF12よりフレームキット重量で11%もの軽量化を実現している。
サドルクランプは金属3Dプリンターを使用して作られたチタン製
シートポストのヤグラ(サドルを固定するパーツ)を最新の3Dプリントを用いて作られたチタンパーツで作り込むなどシートポスト全体で27g軽量化している。
さらにハンドルで40gの軽量化
さらに、一体型ハンドルのモスト・タロンウルトラは、タロンウルトラファストとして進化し、40gの軽量化を達成。ヘッドセットなど細部に至るまで見直すことで、走行性能を一切犠牲にすることなくトータル265g(ドグマF12のサイズ53ディスクフレームキットと比較)の軽量化を果たしているという。
リアトライアングルセクションを刷新
ピナレロのアイデンティティである左右で形状が異なる非対称性(アシンメトリック)フレームには、最先端ナノアロイテクノロジーを用いた東レ製のトレカT1100G-1Kカーボンが使用される。新型ドグマFでは最適化が図られ、従来よりもBBエリアの剛性が12%向上。反応性のさらなる向上が期待される。
また、独自のフラットバックチューブをベースとし、さらに実績のあるフロントフォークエンドのフォークフラップなども前作から継承される。いっぽうで、新型ドグマFでは、あらたにリアトライアングルセクションを刷新。シートステーとシートチューブの接合形状とシートステーの形状を変更し気流を改善。ディスクブレーキモデルF12比で4.8%の空力特性を向上させている。なお、タイヤクリアランスは最大28Cまでとしロードに特化させる。
このように、すでに完成されたドグマは3年の時を経て、軽量化と空力性能をさらに高めることに成功している。それらの性能を引き出すための豊富なフレームサイズ展開もピナレロならではの特長。新型ドグマFは、11のフレームサイズ、16のハンドルバーサイズ、2種類のセットバックオプションのあるシートポストを用意。じつに352もの組み合わせにより、ライダー一人ひとりにフィットしたポジションを見つけることができる。
6月26日から開幕するツール・ド・フランスで正式にお披露目
ブレーキシステムの自由選択を掲げるピナレロは、新型ドグマFにもディスクブレーキとリムブレーキシステムの2つの専用フレームを用意。価格はともにフレームセットで93万5000円(税込)。カラーはプルトニウムフラッシュ、イルプションレッド、ブラックオンブラックの3展開。新型ドグマFは、6月26日から開幕するツール・ド・フランスでチームイネオス・グレナディアーズの選手たちによってお披露目されることが予想され、その注目度が高まる。
リムブレーキモデルも用意
ドグマFではディスクブレーキモデルだけではなく、リムブレーキモデルも用意している。もちろんリムブレーキモデルのほうが軽くはなるが、空力面ではディスクブレーキモデルにアドバンテージがある。CFDの結果によると、ドグマFディスクとドグマFリムブレーキを比べた場合、バイク全体では-0.2%、ライダーが乗ったい状態で-0.8%、さらにフレームとフォークだけになると-7.3%とディスクブレーキモデルは空気抵抗を抑えることができる。
ディスクブレーキモデルの完成車重量はすでにUCI規則ぎりぎりの軽さ
ドグマのディスクブレーキモデルは、以下のスペックでUCI規則ギリギリの軽さとなり、同様のスペックで組み立てたリムブレーキモデルでは UCI 重量規定以下になるほどの軽さだ。
参考完成車重量
ドグマFディスク( サイズ53、スラム・レッドEタップAXS 、DTスイス・ARC1400)= 6.9kg
ドグマFディスク( サイズ53、シマノ・デュラエースR9100、DTスイス・ARC1400) = 6.8kg
DOGMA F DISK フレームセット
希望小売価格:935,000円(税込)
DOGMA F フレームセット
希望小売価格:935,000円(税込)
SPEC
• Carbon Torayca T1100 1K Dream Carbon with Nanoalloy Technology
• Asymmetric frame
• Onda Fork Dogma F with ForkFlap
• TiCR (total integrated cable routing)
• 1.5 upper and lower steerer
• Italian thread BB
• Seatclamp Twin Force
• 3D printed titanium top seatclamp
• 3XAir two positions option for the second bottle cage (サイズ515以上)
• FlatBack profile
• UCI approved
• Rad System disc brake(ディスクブレーキ)
• ディスクモデルブレーキ規格:Disc flat mount 最大160mm リア-TA142
• リムブレーキ規格:Direct mount rim brake
• 最大タイヤサイズ 622x28c
• 重量: ディスク/865g, リム/860g ※サイズ530; 塗装前
• サイズ:430, 465, 500, 515, 530, 540, 550, 560, 575, 595, 620(CC)
ジオメトリー
問い合わせ:ピナレロジャパン オフィシャルサイト
http://www.pinarello.jp/
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