【保存版】ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト&コースプレビュー
Bicycle Club編集部
- 2021年08月13日
INDEX
ブエルタ・ア・エスパーニャ2021スタートリスト
チーム ユンボ・ヴィスマ
1 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィスマ、スロベニア)
2 クーン・ボウマン(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
3 ロベルト・ヘーシンク(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
4 レナード・ホフステッド(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
5 ステフェン・クライスヴァイク(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
6 セップ・クス(チーム ユンボ・ヴィスマ、アメリカ)
7 サム・オーメン(チーム ユンボ・ヴィスマ、オランダ)
8 ネイサン・ファンフーイドンク(チーム ユンボ・ヴィスマ、ベルギー)
アージェードゥーゼール・シトロエン チーム
11 ジョフリー・ブシャール(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
12 リリアン・カルメジャーヌ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
13 クレモン・シャンプッサン(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
14 ミカエル・シェレル(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
15 スタン・デウルフ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、ベルギー)
16 ニコラ・プリュドム(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
17 ダミアン・トゥゼ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
18 クレモン・ヴァントゥリーニ(アージェードゥーゼール・シトロエン チーム、フランス)
アルペシン・フェニックス
21 ジャイ・ヴァイン(アルペシン・フェニックス、オーストラリア)
22 トビアス・バイヤー(アルペシン・フェニックス、オーストリア)
23 フロリス・デティエ(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
24 アレクサンダー・クリーガー(アルペシン・フェニックス、ドイツ)
25 サーシャ・モードロ(アルペシン・フェニックス、イタリア)
26 ヤスパー・フィリプセン(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
27 エドワード・プランカールト(アルペシン・フェニックス、ベルギー)
28 スコット・スウェイツ(アルペシン・フェニックス、イギリス)
アスタナ・プレミアテック
31 アレクサンドル・ウラソフ(アスタナ・プレミアテック、ロシア)
32 アレクサンデル・アランブル(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
33 オマール・フライレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
34 ゴルカ・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
35 ヨン・イサギレ(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
36 ユリー・ナタロフ(アスタナ・プレミアテック、カザフスタン)
37 オスカル・ロドリゲス(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
38 ルイスレオン・サンチェス(アスタナ・プレミアテック、スペイン)
バーレーン・ヴィクトリアス
41 ミケル・ランダ(バーレーン・ヴィクトリアス、スペイン)
42 新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス、日本)
43 ダミアーノ・カルーゾ(バーレーン・ヴィクトリアス、イタリア)
44 ジャック・ヘイグ(バーレーン・ヴィクトリアス、オーストラリア)
45 ジーノ・マーダー(バーレーン・ヴィクトリアス、スイス)
46 マーク・パデュン(バーレーン・ヴィクトリアス、ウクライナ)
47 ワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス、オランダ)
48 ヤン・トラトニク(バーレーン・ヴィクトリアス、スロベニア)
ボーラ・ハンスグローエ
51 フェリックス・グロスシャートナー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)
52 チェザーレ・ベネデッティ(ボーラ・ハンスグローエ、ポーランド)
53 パトリック・ガンパー(ボーラ・ハンスグローエ、オーストリア)
54 マーティン・ラース(ボーラ・ハンスグローエ、エストニア)
55 ジョルディ・メーウス(ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)
56 アントン・パルツァー(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
57 マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
58 ベン・ツィーホフ(ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
ブルゴスBH
61 ダニエル・ナバロ(ブルゴスBH、スペイン)
62 イェツセ・ボル(ブルゴスBH、オランダ)
63 オスカル・カベド(ブルゴスBH、スペイン)
64 カルロス・カナル(ブルゴスBH、スペイン)
65 アンヘル・マドラソ(ブルゴスBH、スペイン)
66 アンデル・オカミカ(ブルゴスBH、スペイン)
67 ディエゴ・ルビオ(ブルゴスBH、スペイン)
68 ペラヨ・サンチェス(ブルゴスBH、スペイン)
カハルラル・セグロスRGA
71 ヨナタン・ラストラ(カハルラル・セグロスRGA、スペイン)
72 ジョン・アベラストゥリ(カハルラル・セグロスRGA、スペイン)
73 フレン・アメスケタ(カハルラル・セグロスRGA、スペイン)
74 アリツ・バグエス(カハルラル・セグロスRGA、スペイン)
75 ジェフェルソン・セペダエルナンデス(カハルラル・セグロスRGA、エクアドル)
76 アルバロ・クアドロス(カハルラル・セグロスRGA、スペイン)
77 オイエル・ラスカノ(カハルラル・セグロスRGA、スペイン)
78 セルヒオ・マルティン(カハルラル・セグロスRGA、スペイン)
コフィディス
81 ギヨーム・マルタン(コフィディス、フランス)
82 ピート・アレハールト(コフィディス、ベルギー)
83 フェルナンド・バルセロ(コフィディス、スペイン)
84 エディ・フィネ(コフィディス、フランス)
85 ヘスス・エラダ(コフィディス、スペイン)
86 ホセ・エラダ(コフィディス、スペイン)
87 エマヌエル・モラン(コフィディス、フランス)
88 レミ・ロシャス(コフィディス、フランス)
ドゥクーニンク・クイックステップ
91 ファビオ・ヤコブセン(ドゥクーニンク・クイックステップ、オランダ)
92 アンドレア・バジオーリ(ドゥクーニンク・クイックステップ、イタリア)
93 ヨセフ・チェルニー(ドゥクーニンク・クイックステップ、チェコ)
94 ジェームス・ノックス(ドゥクーニンク・クイックステップ、イギリス)
95 フロリアン・セネシャル(ドゥクーニンク・クイックステップ、フランス)
96 ゼネク・スティバル(ドゥクーニンク・クイックステップ、チェコ)
97 ベルト・ファンレルベルフ(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)
98 マウリ・ファンセヴェナント(ドゥクーニンク・クイックステップ、ベルギー)
EFエデュケーション・NIPPO
101 ヒュー・カーシー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)
102 ヨナタン・カイセド(EFエデュケーション・NIPPO、エクアドル)
103 ディエゴ・カマルゴ(EFエデュケーション・NIPPO、コロンビア)
104 サイモン・カー(EFエデュケーション・NIPPO、イギリス)
105 ローソン・クラドック(EFエデュケーション・NIPPO、アメリカ)
106 イェンス・クークレール(EFエデュケーション・NIPPO、ベルギー)
107 マグナス・コルト(EFエデュケーション・NIPPO、デンマーク)
108 トム・スクーリー(EFエデュケーション・NIPPO、ニュージーランド)
エウスカルテル・エウスカディ
111 ミケル・ビスカラ(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
112 シャビエル・アスパレン(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
113 ジョアン・ボウ(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
114 ミケル・イトゥリア(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
115 フアンホセ・ロバト(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
116 ゴツォン・マルティン(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
117 ルイス・マテ(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
118 アントニオ・ソト(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
グルパマ・エフデジ
121 アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ、フランス)
122 ケヴィン・ゲニエッツ(グルパマ・エフデジ、ルクセンブルク)
123 ジャコポ・グアルニエーリ(グルパマ・エフデジ、イタリア)
124 オリヴィエ・ルガック(グルパマ・エフデジ、フランス)
125 トビアス・ルドヴィグソン(グルパマ・エフデジ、スウェーデン)
126 ルディ・モラール(グルパマ・エフデジ、フランス)
127 アントニー・ルー(グルパマ・エフデジ、フランス)
128 ラモン・シンケルダム(グルパマ・エフデジ、オランダ)
イネオス・グレナディアーズ
131 エガン・ベルナル(イネオス・グレナディアーズ、コロンビア)
132 リチャル・カラパス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
133 ジョナタン・ナルバエス(イネオス・グレナディアーズ、エクアドル)
134 トーマス・ピドコック(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
135 サルヴァトーレ・プッチョ(イネオス・グレナディアーズ、イタリア)
136 パヴェル・シヴァコフ(イネオス・グレナディアーズ、ロシア)
137 ディラン・ファンバーレ(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)
138 アダム・イェーツ(イネオス・グレナディアーズ、イギリス)
アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ
141 ルイス・メインチェス(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、南アフリカ)
142 オドクリスティアン・エイキング(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ノルウェー)
143 ヤン・ヒルト(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、チェコ)
144 ウェスリー・クレダー(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、オランダ)
145 リカルド・ミナーリ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)
146 シモーネ・ペティッリ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、イタリア)
147 レイン・タラマエ(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、エストニア)
148 ケヴィン・ファンメルゼン(アンテルマルシェ・ワンティ・ゴベールマテリオ、ベルギー)
イスラエル・スタートアップネイション
151 セップ・ファンマルク(イスラエル・スタートアップネイション、ベルギー)
152 セバスチャン・バーウィック(イスラエル・スタートアップネイション、オーストラリア)
153 アレクサンダー・カタフォード(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)
154 ダヴィデ・チモライ(イスラエル・スタートアップネイション、イタリア)
155 イタマル・アインホルン(イスラエル・スタートアップネイション、イスラエル)
156 ガイ・ニーブ(イスラエル・スタートアップネイション、イスラエル)
157 ジェームス・ピッコリ(イスラエル・スタートアップネイション、カナダ)
158 マッズ・ウルスシュミット(イスラエル・スタートアップネイション、デンマーク)
ロット・スーダル
161 アンドレアス・クロン(ロット・スーダル、デンマーク)
162 ステフ・クラス(ロット・スーダル、ベルギー)
163 フレデリック・フリソン(ロット・スーダル、ベルギー)
164 マシュー・ホームズ(ロット・スーダル、イギリス)
165 シルヴァン・モニケ(ロット・スーダル、ベルギー)
166 マキシム・ファンヒルス(ロット・スーダル、ベルギー)
167 ハーム・ファンフック(ロット・スーダル、ベルギー)
168 フロリアン・フェルメールス(ロット・スーダル、ベルギー)
モビスター チーム
171 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)
172 イマノル・エルビティ(モビスター チーム、スペイン)
173 ヨハン・ヤコブス(モビスター チーム、スイス)
174 ミゲルアンヘル・ロペス(モビスター チーム、コロンビア)
175 ネルソン・オリヴェイラ(モビスター チーム、ポルトガル)
176 ホセ・ロハス(モビスター チーム、スペイン)
177 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム、スペイン)
178 カルロス・ベローナ(モビスター チーム、スペイン)
チーム バイクエクスチェンジ
181 マイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
182 ルーカス・ハミルトン(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
183 ダミアン・ホーゾン(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
184 ルカ・メズゲッツ(チーム バイクエクスチェンジ、スロベニア)
185 ミケル・ニエベ(チーム バイクエクスチェンジ、スペイン)
186 ニック・シュルツ(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
187 ロバート・スタナード(チーム バイクエクスチェンジ、オーストラリア)
188 アンドレイ・ツェイツ(チーム バイクエクスチェンジ、カザフスタン)
チームDSM
191 ロマン・バルデ(チームDSM、フランス)
192 テイメン・アレンスマン(チームDSM、オランダ)
193 アルベルト・ダイネーゼ(チームDSM、イタリア)
194 ニコ・デンツ(チームDSM、ドイツ)
195 チャド・ヘイガ(チームDSM、アメリカ)
196 クリス・ハミルトン(チームDSM、オーストラリア)
197 マイケル・ストーラー(チームDSM、オーストラリア)
198 マーティン・トゥスフェルト(チームDSM、オランダ)
チーム クベカ・ネクストハッシュ
201 ファビオ・アル(チーム クベカ・ネクストハッシュ、イタリア)
202 サンデル・アルメ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、ベルギー)
203 コナー・ブラウン(チーム クベカ・ネクストハッシュ、ニュージーランド)
204 ディミトリ・クレイス(チーム クベカ・ネクストハッシュ、ベルギー)
205 セルヒオルイス・エナオ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、コロンビア)
206 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(チーム クベカ・ネクストハッシュ、南アフリカ)
207 ベアトヤン・リンデマン(チーム クベカ・ネクストハッシュ、オランダ)
208 ディラン・サンダーランド(チーム クベカ・ネクストハッシュ、オーストラリア)
トレック・セガフレード
211 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード、イタリア)
212 ジャンルーカ・ブランビッラ(トレック・セガフレード、イタリア)
213 ケニー・エリッソンド(トレック・セガフレード、フランス)
214 アレックス・キルシュ(トレック・セガフレード、ルクセンブルク)
215 フアン・ロペス(トレック・セガフレード、スペイン)
216 アントニオ・ニバリ(トレック・セガフレード、イタリア)
217 キール・レイネン(トレック・セガフレード、アメリカ)
218 クイン・シモンズ(トレック・セガフレード、アメリカ)
UAEチームエミレーツ
221 ダビ・デラクルス(UAEチームエミレーツ、スペイン)
222 ジョセフロイド・ドンブロウスキー(UAEチームエミレーツ、アメリカ)
223 ライアン・ギボンズ(UAEチームエミレーツ、南アフリカ)
224 ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ、ポーランド)
225 フアン・モラノ(UAEチームエミレーツ、コロンビア)
226 ルイ・オリヴェイラ(UAEチームエミレーツ、ポルトガル)
227 ヤン・ポランツ(UAEチームエミレーツ、スロベニア)
228 マッテオ・トレンティン(UAEチームエミレーツ、イタリア)
ブエルタ・ア・エスパーニャ2021コースプレビュー
8月14日 第1ステージ ブルゴス大聖堂~ブルゴス大聖堂 7.1km 個人タイムトライアル
3週間にわたるスペイン一周の幕開けは、建立から800年を迎えるブルゴス大聖堂から。それも、ゴシック様式のカトリック教会大聖堂の中から、聖母マリアに見守られながらのスタートとなる。7.1kmのTTコースは、序盤2.5kmが上り基調。大会最初のカテゴリー山岳となる3級のポイントへは、石畳の道を上っていく。その後1.5kmほど下って、そこからはフィニッシュまで平坦基調。ブルゴスの旧市街を抜ける終盤は、幾分テクニカル。主催者の見立てでは約8分で走り切るとの計算だ。
8月15日 第2ステージ カレルエガ~ブルゴス.ガモナル 166.7km 平坦
カトリック修道会「ドミニコ会」の創設者であるドミンゴ・デ・グズマンの没後800年を記念し、彼が生まれたカレルエガをスタート。この日はカテゴリー山岳がなく、終始平坦基調。スプリンターが主役になるとともに、どのチームがレースをコントロールしていくかの指標となりそうなステージだ。フィニッシュはブルゴス市街地の東側に位置するガモナル。風が強く吹くようだと、波乱の1日となることも考えられる。
8月16日 第3ステージ サント・ドミンゴ・デ・シロス~エスピノサ・デ・ロス・モンテロス.ピコン・ブランコ 202.8km 山岳
大会3日目にして最初の山頂フィニッシュがやってくる。まず、伝統的な修道院があるサント・ドミンゴ・デ・シロスをスタートし、途中で3級山岳を越えつつも長い下りと平坦路を進んでいく。中間スプリントポイントまではスプリンターに任せて、残る36.2kmは総合系ライダーに主役の座をバトンタッチ。3級山岳アルト・デ・ボコスを経て、向かうは1級山岳ピコン・ブランコだ。登坂距離7.6km、平均勾配9.3%の上りは、入口から急坂続き。中腹で最大勾配18%区間に達すると、さらにフィニッシュ前1kmで再び18%の急勾配。この大会の前哨戦であるブエルタ・ア・ブルゴスでは何度も組み込まれている上りだが、スペインが誇るグランツールでは初お目見えとなる。なお、アルト・デ・ボコス頂上にも1位3秒、2位2秒、3位1秒のボーナスタイムが設定される。
8月17日 第4ステージ エル・ブルゴ・デ・オスマ~モリナ・デ・アラゴン 163.9km 平坦
今大会2回目の平坦ステージ。全体を通してみると難易度はそれほど高くないが、いざスプリント勝負となると、そう簡単にはいかない。特に最後の1kmは完全な上り基調。スプリント狙いのチームにとっては、あまり強力に牽引しすぎるとエーススプリンターを苦しめる可能性がある。有利なのはやはり上れるスプリンターか。
8月18日 第5ステージ タランコン~アルバセテ 184.4km 平坦
前日に引き続き、南東に針路をとる。上下の変化はほぼゼロだが、問題は確実に強く吹くであろう風。アルバセテを目指した2014年大会の第8ステージでは、たびたび集団が割れ、前線に残ったのは54人だった。今回も風によってレースに変化をもたらそうと狙ったか、ところどころで細かな進行方向をチェンジする。今年はどの程度生き残るだろうか。
8月19日 第6ステージ レケナ~アルト・デ・ラ・モンターニャ・デ・クリェラ 158.3km 山岳
開幕から内陸部を走ってきたプロトンは、一転して地中海沿いへと出ていく。ただ、あっさりとステージを終わらせないのがブエルタ。最後の1.9kmで3級山岳アルト・デ・ラ・モンターニャ・デ・クリェラを組み込んだ。平均勾配は9.4%、登坂力自慢たちの戦いになるが、それまでのポジショニングも重要になってくる。終盤に入ってからのメイン集団は、各チームが隊列を組んでの位置取りが激しさを増すことになるだろう。
8月20日 第7ステージ ガンディア~バルコンテ・デ・アリカンテ 152km 山岳
「これぞブエルタ!」といえる本格山岳ステージ。2カ所の1級を含む6つのカテゴリー山岳が選手たちの力を試す。特に、スタート直後から上り始める1級山岳で大きく遅れてしまうと、このステージをどうクリアするかが問題になってくる。それからは3級、2級、2級、3級の上り下りを繰り返す。全体5つ目のカテゴリー山岳である3級のプエルト・デ・ティビ頂上にはボーナスタイムが設定される。そして、最後は1級山岳バルコン・デ・アリカンテ。登坂距離8.4km、平均勾配6.2%だが、これは下りや緩斜面も含む数字。肝心なのは、途中14%区間も控える最後の4km。ブエルタを迎えるために舗装を直した道は、場所によっては一瞬ながら20%を超える激坂も。このステージで総合争いの有資格者が見えてくるかもしれない。
8月21日 第8ステージ サンタ・ポーラ~ラ・マンガ・デル・マール・メノール 173.7km 平坦
地中海を眺めながら進んでいく平坦ステージ。カテゴリー山岳がなく、上下の変化もないに等しいが、風だけは注意しておきたい。フィニッシュに向けては、砂州ラ・マンガを走行。幅は平均100mだが、ここでトラブルに見舞われると大きなロスとなることが想定される。スプリントに向けてはもとより、危険回避を意図したポジション争いも激しくなりそう。プロトンが何事もなくフィニッシュへたどり着くことを祈ろう。
8月22日 第9ステージ プエルト・ルンブレラス~アルト・デ・ベレフィケ 188km 山岳
第1週の最終日に今大会最初の超級山岳が登場。獲得標高は4500mにも上る。まず中盤に1級山岳アルト・コリャド・ベンタ・ルイサで脚試し。緩斜面やわずかな下りも含めて平均勾配は4.4%だが、登坂距離が29kmと長いのが特徴。頂上は標高1965mで、今大会最高標高地点でもある。直後の急かつテクニカルなダウンヒルを経て、ボーナスタイムが置かれる3級山岳をクリア。さらに下って、いよいよ超級山岳アルト・デ・ベレフィケへ。登坂距離13.2km、平均勾配6.4%の上りは前半に急坂区間が控える。最大勾配15%を乗り切って、中腹からは緩斜面へ。急坂で仕掛けて、その後緩やかな上りで逃げるのがセオリーか? 2009年大会の第12ステージで上った時は、ライダー・ヘシェダル(カナダ)が勝利。また、アレハンドロ・バルベルデ(当時ケスデパーニュ、スペイン)がリーダージャージを獲得している。
8月24日 第10ステージ ロケタス・デ・マル~リンコン・デ・ラ・ビクトリア 190.3km 丘陵
休息日明け、第2週の初日は南海岸を西に進行する。コースの大部分が平坦だが、フィニッシュまで30kmを切ったところから突如変化する。2級山岳プエルト・デ・アルマチャル(登坂距離10.9km、平均勾配4.9%)で集団にどんなアクションを生むだろうか。上りきると残りは15km。スプリンターが残れるようだとステージ優勝に向け有利になるが、果たして攻略できるか。状況次第では、逃げグループが主役となることも考えられる。
8月25日 第11ステージ アンテケラ~バルデペーニャス・デ・ハエン 133.6km 丘陵
ロードレースステージでは今大会の最短距離。カテゴリー山岳こそ終盤の2級1つだけだが、無印の上りが多く、スペイン南部の暑さと相まって消耗度が高まりそうだ。バルデペーニャス・デ・ハエンへ向かう最後の上りには、部分的にながらも20%を超える激坂区間も。総合争いに大きな影響を与えることはないにしても、不意のタイムロスには注意をしたい。
8月26日 第12ステージ ハエン~コルドバ 175km 丘陵
ブエルタではおなじみのコルドバを目指すステージ。中盤までのレイアウトが下りと平坦で、穏やかに進行しそう。中間地点を過ぎると、コルドバの街を基点とする周回へ。1周目は3級山岳、2周目は2級山岳と上りをこなしながら残り距離を減らしていく。2級山岳の頂上からフィニッシュまでは約18km。下り終えると少しの平坦を走って最終局面を迎える。主催者はスプリントフィニッシュの可能性も挙げているが、逃げ有利なコースと見ることもできる。
8月27日 第13ステージ ベルメス~ビリャヌエバ・デ・ラ・セレナ 203.7km 平坦
進行方向の変化こそあれど、200kmを超える平坦路をひたすら進んでいくことになる。ポイントは最終盤に設けられた中間スプリントポイント。フィニッシュ前約11kmに置かれることから、ステージ優勝を狙う選手たちがこのポイントにどう対応するかも見もの。ポイント賞ジャージ「プントス」争いが熾烈であれば、中間スプリントとフィニッシュとをセットで狙う選手も出てくるかもしれない。
8月28日 第14ステージ ドン・ベニト~ピコ・ビリュエルカス 165.7kmkm 山岳
大会中盤のヤマ場となるステージ。レースの中間部分で3級と1級の上りを立て続けに越えていく。特に1級のアルト・コリャド・デ・バジェステロスは、登坂距離2.8kmで平均勾配14%。中腹と頂上付近が20%前後の勾配で、なおかつコンクリートの路面。フィニッシュ地ピコ・ビリュエルカスを近くに見ながらいったん通り過ぎ、最後の14.5kmで今度は反対側から上っていく。中盤とは逆走する形をとって、さらにフィニッシュラインが敷かれる頂上へと昇り続ける。1級山岳ピコ・ビリュエルカスの平均勾配は6.2%。フィニッシュ直前で最大の15%に達する。このステージを終えた時点で、マイヨロホ争いの形勢が見えていることだろう。
8月29日 第15ステージ ナバルモラル・デ・ラ・マタ~エル・バラコ 197.5km 山岳
4つのカテゴリー山岳が待ち受けるが、個人総合上位陣が攻撃的なレースをするのか、逃げに行かせて落ち着いた展開とするかは、前日のステージ結果次第といえそうだ。最後の上りとなる3級のプエルト・サン・フアン・ナバの難易度がそれほど高くないので、総合系ライダーが攻撃に転ずるなら早めの仕掛けが必要となる。このステージを終えると、2回目の休息日がやってくる。
8月31日 第16ステージ ラレド~サンタ・クルス・デ・ベサナ 180km 平坦
今大会最後の平坦ステージ。カンタブリアの険しい山々を前に、スプリンターに最後のチャンスが設定された。ところどころ急な上り坂があるものの、プロトンを破壊するほどのものとはならないはず。ポイント賞を狙うスプリンターにとっては、総仕上げの1日にしたいところ。
9月1日 第17ステージ ウンケラ〜ラゴス・デ・コバドンガ 185.8km 山岳
このステージを今大会のクイーンステージに挙げる声もあるほど、大会終盤における重要度の高い1日。ブエルタではおなじみのコバドンガもさることながら、中盤で2回上る1級山岳ラ・ゴジャーダ・ロメダ(登坂距離7.6km、平均勾配9.3%)の破壊力もすさまじい。上り始めて早々に10%超の急勾配をこなして、中腹でさらに最大14%の難所が登場。特に2回目は頂上にボーナスタイムが設定されており、状況次第ではメイン集団が活性化することも。その後下って、中間スプリントポイントも過ぎるといよいよ超級山岳ラゴス・デ・コバドンガへ。12.5kmの上りは平均勾配6.9%だが、それは頂上付近でアップダウンを繰り返すから。上りの後半には最大16%の急坂も待ち受け、マイヨロホ争いに大きな影響をもたらすことになりそう。2018年にはこの山でティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ、フランス)た勝利を収めている。
9月2日 第18ステージ サラス~アルトゥ・デル・ガモニテイル 162.6km 山岳
主催者いわく「これまでのブエルタにはなかった高度の上昇が見られる」。まず前半と中盤に最大勾配約15%の上りをそれぞれこなしてから、高度が急上昇するというアルトゥ・デル・ガモニテイルへと向かう。直前で2級山岳を上るが、それもあくまで前座の1つ。すべてはガモニテイルに集約されるのだ。この超級の上りは登坂距離14.5km、平均勾配9.8%。ただ、中腹が緩斜面になるからで、大部分は10%前後の急勾配がひたすら続く。頂上フィニッシュを目前に、最大勾配17%に到達。マイヨロホをかけた我慢比べは、最後の最後に決定的な局面を迎えることになる。
9月3日 第19ステージ タピア~モンフォルテ・デ・レモス 191.2km 丘陵
コースレイアウトだけ見るとスプリンターにもチャンスがあるように思えるが、主催者にすると「最も困難な山岳ステージで使い切って、続く2日間は思うように走れないのではないか」との見方。確かに、序盤に上る3級、2級、2級のカテゴリー山岳を耐えなければ、その先での勝負は厳しいものとなる。むしろ、スプリントよりは逃げ向きのルーティングとあって、リーダーチームがコントロールしながら総合にかかわらない選手の逃げを容認する可能性が高い。
9月4日 第20ステージ サンシェンショ~モス.カストロ・デ・エルビリェ 202.2km 山岳
いつものブエルタだと山岳最終決戦が設定されることの多い最終日前日だが、今年は趣きが少々異なる。とはいっても、“ミニ・リエージュ~バストーニュ~リエージュ”と称したクラシックレースをイメージしたコース設定。獲得標高は約3000mで、後半の約100kmに5つのカテゴリー山岳が詰め込まれた。フィニッシュへと向かう最後の上り、2級山岳カストロ・デ・エルビリェ(登坂距離9.7km、平均勾配4.8%)は、中腹で最大勾配16%に達する。その後いったん下ったのちに緩斜面を上っていくが、フィニッシュ手前で10%近い勾配に急激な変化。最終日を前に、総合系ライダーがライバルに対して差をつけてフィニッシュできるか。ちなみに、このステージのコース設計はフィニッシュ地・モス出身の大会アンバサダー、オスカル・ペレイロが務めた。
9月5日 第21ステージ パドロン~サンティアゴ・デ・コンポステーラ 33.8km 個人タイムトライアル
大会最終日がサンティアゴ・デ・コンポステーラでの個人タイムトライアルとなるのは、2014年以来。そのときは9.7kmと短距離で凱旋の意味合いが強かったが、今回は33.8kmの中距離。状況次第では1~2分の差がひっくり返ることも。前半セクションは上りとテクニカルな下りで構成。個人総合争いが僅差だと、この区間を攻略できるかどうかが形勢を決める要素になるかもしれない。後半セクションは再びの上り基調で、サンティアゴ・デ・コンポステーラの街に入ると石畳の巡礼道を進む。最終ライダーがスタートするのは現地時間午後7時49分の予定。フィニッシュタイムが約40分との主催者予想。全選手が走り終えた時点で、ブエルタ・ア・エスパーニャ2021覇者が決定する。
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Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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